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            移ろいゆく青 深まりゆく群青 刹那の朱 蘇芳色のキャンバスに ただ一度(ひとたび)の 幻影を見る  | 
          
| 2001.9.12/武蔵野にて | 
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      ヤードの影に潜む 常夜灯に照らされて 昼間の猛りを沈めるように  | 
    
| 2000.2.10/本牧ふ頭にて | 
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      その街は 熱い溶接の火花が コンクリートの床に落ちる 熱気に満ちた街だった。 今は小綺麗な イルミネーションが瞬いて、 恋人達のメッカだという。 自分が過ごした造船所裏の 引き込み線も今は無い。 授業をさぼって過ごしたあの場所を 君は覚えているだろうか。  | 
    
| 2000.2.21/大黒ふ頭にて | 
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      朱色のキャンバスに 塗りつけた絵の具 毛先のたわみまで 風がなぞる  | 
    
| 1999.10.10/自宅にて | 
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      篭目からこぼれたDay Light 凝縮した冷気を貫き 数多の命 その時を照らす  | 
    
| 1997.9.15/ 仙台−盛岡間 新幹線車窓より  | 
    
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      西日の入る機関庫の中で 老兵は静かに眠っている。 君が走り続ける日は巡り来るのか。 その日を夢見て。  | 
    
| 1999.11.21/ 京都市梅小路機関区にて  | 
    
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      蘇芳から群青に変わる 大気に残るけだるさを いやしてなお静かなる 銀の船が行く  | 
    
| 1999.7.13/山口県上空にて | 
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      見上げれば 夏の名残を朱に染めて 天空に写す宵闇の 緩やかなうねり 波の音 想いいづるは君の衣ずれ  | 
    
| 1999.9.10/自宅にて | 
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    茜色の空の向こうに 明日が待っている。 だから私は歩き続ける。  | 
| 1998.12.7/神戸にて |