チベット旅行記
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参考資料

言語

チベット語 vs 中国語

「チベット人に中国語を話すと嫌がるので、 極力チベット語を話しましょう」と本には書いてあるが、 最近は漢族が多数チベットに入っており、 彼らの多くはチベット語を理解しない。

それに対して、チベット人の多くは生活に困るので (特に観光業に携わる人たちは)中国語を話すし、漢字も理解する。

お土産屋やそれなりの値段の料理屋は漢族だけであることが多く、 中国語しか通じない状況は少なくない。 彼らはジョカン寺でさえ、中国語の大昭寺(ダージャオスー)としか読まないので、 絵の内容に関してさえ会話ができなかった。
現在のチベットではチベット語よりも中国語が大事と言わざるを得ないと思う。

小さい料理屋などでは英語のメニューがないこともある。

英語 in 中国

今まで旅をしたスイス、ネパール、アフリカ、イランと国々と比較すると、 中国(チベット)は英語を話せる人は一番少ないと思う。 「英語が話せれば世界中でなんとかなる」という考えはちょっと甘かった。

英語のレベルも彼らが日本でのカタカナ外来語のようなものを持たずに、 中国語単語を必ず割り当てる(最近は外来語もあるらしい)からだと思うが、 「ホテル」などの簡単な単語さえ全く理解しない人が多い。

これは高いホテルでもあまり変わることはなく、 かえって高いホテルの方がお客に中国人ガイドが同行するので、ホテルの従業員は 英語を話さないことが多いそうだ。
バックパッカーの欧米人が多く泊まる宿(日本人もたくさん泊まっているのだろうけど、あまり見かけなかった)の店員とかの方がとても流暢に英語を話す。

日本語 in 中国

アジアではありがちなことだけど、お土産屋に行くと突然不思議な日本語を話す店員に出くわすことがある。彼らは「高い」など値段に関わる日本語だけは聞き取れたりするので、「高いなぁ」などと独り言を言うとすかさず「ノー安いー」ときます。
中にはノルブリンカ宮殿のお土産屋のようにかなり真剣に日本語を勉強している人もいて、日本語会話で楽しい時間がすごせることもあります。こちらも負けないように中国語を勉強しないと!

「成都」を「せいと」と読んだり、「昆明」を「こんめい」と読んだりする日本語発音は何の役にもたたないので、現地の読み方「チェンドゥ」「クンミン」などを覚える必要があります。

中国語 in 中国

(中国語を話す外国人もたくさんいるのでそれが理由かもしれませんが)私たちが漢族と日本人と区別ができなかったように、彼らも私たちを漢族だと思うことが多々あり、中国語で話しかけられることは少なくありません
その時は「プトン」と答えてもいいのですが、次の中国語がやってきて面倒なこともあるのでわざと英語で「中国語は話せません」と答えてしまうのも一つの手でしょう(英語が理解されることは稀ですが、英語を話していることは分かるようです)。

しかしなんと言っても中国人との意思疎通で一番楽しいのは筆談でしょう。歴史的にお互い漢字を変形させてしまったので、多少違う漢字を使っていますし、ひらがなの存在も含めて文法が全然違う面もありますが、それはそれ。お互いが努力すればかなりなんとかなります。

中国語の漢字 日本語での意味
好き、の意味。我愛と書いて何かを指差せばいい
称(のにんべんの漢字) あなた
汽車 自動車
助詞の「の」
旅遊 旅行
先生 年長者につける「様」のようなもの?

名前

「タシ」という名前は一般的な名前らしく、私たちの運転手、 レストランの名前(タシ・レストラン)などだけでなく、 タシルンポ寺の名前も同様だそうだ。

単語

私が聞いた感じで書いているのでかなりいいかげん。 中国語の教科書などはたくさんあるので、 そちらを参考した方がよいでしょう。
日本語 中国語 チベット語 備考
こんにちは ニーハオ タシデレ 「チベットではタシデレを使わない」と書かれているが全然使われている
さよなら ツァイツェン(再見) ジェスジェイユン ジェスジェイユンはあまり反応よくない
ユエン(元) 円だけだと元と間違われるので日本円と書くとよいみたい
ありがとう シェシェ(謝謝) トゥジェチェ  
成都 チェンドゥ(成都) 日本読み「せいと」は何の役にも立たない
昆明 クンミン(昆明)   日本読み「こんめい」は役立たず
分かりません プトン   中国語で話しかけられたらこれで答えましょう
中国語 ツォングーホワ(中国話)   前項「プトン」の前につけると分かりやすい
日本人 ズーベンズン(日本人)    
トイレ ツァーソー  サンジュ  
どこ? ツァィナー    
おいしい   シンポドゥ  
数珠   テンワ 持っていけばチベット人からかなり注目をあびれます
Mr.   グシェ  
十分 ディクソン 食事で満腹のときに
笑顔 ゲムケ 人の写真のときに。なかなか難しいけど
車を止めて モタカーロナン 車から動物などが見えたときに。走りながらは振動で撮れません。
お祈り オムマニペメフム お祈りのときに唱えます

高山病と体調

チベットに行くときに注意することと言えば、なんといっても高山病でしょう。
いろいろな体験をした人たちもいるようですが、これに十分な配慮をしない限り楽しい旅行とはならないようです。

基本は適度に高山病になり続けて、体を高所に慣らしていく、ということになります。それほどつらくないのに酸素を吸ったりしてしまうと順応が進まなかったりとか、過度な運動をすると順応どころではないくらい症状が悪くなったりとか、前回なんともなかった人が次はひどい症状になったりとか、要は用心に越したことはない、というか、、、

睡眠

高所に対して人間は順応しようとしますが、寝ている間は順応が止まってしまうそうです。これは6000mを超える山々を登る世界中の登山者が、「昼間に高いところに登って、その後下りて低い場所で寝る」という繰り返しによって高所順応を進めていることからも間違いない真実だと思います。

日本では高度から言って富士山くらいでしか高山病は出ないと言われています。(それよりも低いところでも出る人はいるそうですが、ほとんどは単なる体力不足とか山に慣れていない、という理由らしいです)
睡眠が高所順応に良くないとすると、9合目などで仮眠をとってから日の出前に登る、という富士山ならではの登山習慣がどれほど高山病によいのかは疑問です。また、高山病に詳しくない人々が富士山での高山病人に対して「ゆっくり休んでればよくなるよ」と言い残して頂上へ向かってしまう、というのも考えもので、登頂させる気がないのであれば下山させてしまうのが一番でしょう。本当に高山病であればケロリと直ってしまうそうです。

登山がないとしてもチベットでの行動は同じ考えで、「昼間は高所でも睡眠はなるべく低所」を心がけるとよいかと思います。もちろん、順応が順調でないときは昼間の高所も避けた方がよいでしょう。

「高山病は無理な行動を慎む以外に薬はない」などと(基本は確かに正しいけど)無責任に書いてある本などもあるけど、少し調べ始めると 「ダイアモックスDiamox, acetazolamide」(ダイナマックスなどと不思議な名前で呼んでいる本もあったが、、、) という名前の薬の存在を耳にするようになる。 外務省のペルー関連のHPなどに記述はあるが、 調べれば調べるほど日本での入手方法が明記されていないことが分かる。

残念ながら、ネパールやペルーでは現地入手可能であるがチベットでの入手はできない しかし、高山を登る旅行会社の中には、現地で日本人に飲ませているところも多い。 今回もラサのレストランで日本からの団体に遭遇し、彼らがツアーリーダから、 この薬をもらって飲まされている姿を目にした。

漢方らしき薬で「高山病に効く」という薬はホテルなどで売っているが、 高所に行く前に摂取しはじめた方がよい、ということはダイアモックスと同じ。

高山病を直接薬で解消することは難しいけど、それによる頭痛には頭痛薬がちゃんと効く。 高度を上げる予定があるときなどは順応を妨げる可能性もあるので、乱用は危険らしいが、 痛くて眠れないときなどは飲んで寝てしまう人も多いらしい。
ロンボク招待所では、頭痛でとても寝れそうになかったので、頭痛薬を定量分飲んで寝てみたが、次の日になったらすごく楽になっていた。

実際の症状

毎朝起きるとのどが乾いている。 これは空気が乾燥していることもあるだろうが、 夜の間の水分が足らないからかもしれない。 夜中のトイレに行くのも面倒だが、高山病には水分摂取は怠れない。

高地に至るまでにトレッキングなどの運動をせずに、 いきなり今回のような高所(5200m)からトレッキングを始めるというのは、 例え体調が良かったとしても無謀だったようだ。

実際に体験した高山病の症状は、
(1)頭が痛くなる。しゃがんだりするとすごく痛い。
(2)食欲がなくなる。
(3)お腹の調子が悪くなる。
(1)と(3)の影響でトイレが結構つらいものになる。 これにロンボク招待所のトイレが外にあって寒いことが拍車をかける。

缶入り酸素

ラサなどではスプレーのような缶に入った酸素を買うことができる(もちろんチベット人用ではない)。 鼻に入れて吸うタイプと口と鼻を包むカバーを使うタイプがある。 当然のように値切れるお店でも、酸素は値引けないと言っていたので、 さすがにこういうものは定価販売なのかと思ったら、 店によって全然値段が違っていた。 あんまり安いとは思っていなかったラサホテルが私の見た中では一番安かった。

高山病の症状が出たのが翌日から高度を下げはじめる日だったので、「これ以上順応する必要もないわけだし」ということで躊躇なく缶入りの酸素を吸ってみたが、 あまり効果はなかった。息苦しいときに吸う物らしく、 頭痛や下痢などを緩和する物ではないらしい。 下手に一生懸命酸素を吸うとかえって呼吸が乱れて疲れるような気もしないでもない。。。
あまった缶入り酸素はガイドにあげてしまった。

入浴

入浴は高山病によくないので、ラサに入ってからロンボクまで一回もシャワーを浴びなかった。 水のいらないシャンプーで頭を洗うが、なぜか洗った後の方が痒かった。

私たちのように日本で手配すると、大抵それぞれの地区での最高級ホテルになってしまうが、 その価値の一部である個室風呂をほとんど使わないのだから、ちょっともったいない話。

湿度が低いからシャワーに入らなくてもそれほど気にならないとはいっても 下りのシガツェで初めてシャワーを浴びた時には、 やっぱり「シャワーが一番!」なーんてね。
ちなみにチベット人は水場があっても、あまりお風呂には入らないそうです。

水分補給

高山病に水分補給はかかせない。 だいたい一日に3リットル飲むようにとのことだが、実際なかなか飲める量じゃない。 「お腹をこわしても飲むように」とも書いてあるが、本当にお腹をこわしてしまうと、 やはりそんな気分ではなくなる。

ホテルはどこでもお湯を無料でくれるので、 これまた無料のジャスミン・ティーバッグで水分をとるとよいでしょう。 (私はお茶が好きでないので、無理して飲むのはやめてしまいましたが、、、)

コーラなどの炭酸も売っているがお腹の調子を考えると大量には飲まない方がよいかも。 日本に比べると冷え具合がよろしくないのは、どの国も同じ。

果汁ジュースも売っているが、100%のものはラサ以外では探すのが大変だったし、 100%の意味自体が理解できない中国人もたくさんいる。 表面には100%と書いてありながらも裏面を見ると100%でない物などもあった。

体質、体力

高山病に対しては体質差があるそうで、これは何度か高所での生活をすることによって、高所に行った際の順応速度(ヘモグロビンの増加?)が早くなるらしい。海外で高所を登る登山家は、日本で低圧室に入って運動をして、擬似的な高所体験をすることによって体質改善をしているらしい。(道具だけでなく、このような側面での技術進歩の登山に与える影響をどう考えるかは微妙な話でしょう)

体力や山の経験がものを言う、と考えたい人たちは多くいるかと思いますが、日本国内の登山では上記のようにあまり体質改善には貢献しないようです。それよりも「自分は山屋だから薬なんかいらない」などと言って活発に行動したりしている人が一番危ないらしい。。。

交通事情

数年前の本などには「ラサにはタクシーは走っていない」などと書かれているが、 今のラサにはタクシーがたくさん走っていて、市内であれば10元。 ホテルの前などでは簡単に捕まえられる。

ただしほとんど運転手は英語が話せないので、 ガイドブックやホテルのパンフレット(ホテルに着いたらまず入手)の写真で行き先を見せたり、 交差点ごとに指さしてあげるとよい。 「ストップ!」と叫べばすぐに止まってくれる。

パンクが頻発するためだと思うが、チューブタイヤを使っている。 予備のタイヤをいくつか用意しても、かさばらないからだろう。 町や村に着くと修理屋があるので、そこですぐに修理できる。
私たちの車のパンクは1回だけ。 ラツェとティンリーの間で針金が刺さって、それを抜いてそのまま走り続け、 ニュー・ティンリーで修理していた。

基本的にクラクションは鳴らす物、という考えらしく、年がら年中鳴らしている。 昆明などの都市に来ると必ずしもそうではなく、比較的静か(町の喧噪はあるけど)。

ラサ市内、ラサ-シガツェ間以外ではほとんどが未舗装路だが、 小さい村でもその前後数kmだけが舗装されていることがある。

私たちの乗っていたランクル

ランクル

これほどまでにランクルの数が多い場所は地球上でも少ないかもしれない。 パジェロなどのランクル系の車をラサで見かけることも多いが、 ラサから外に出ると、全車両の中に占めるランクルの数はとても多くなる。

ラサの中で見かける新しめの車はほとんどが官庁の購入した車らしい。 そして、以前に官庁が使っていたボロいランクルが旅行会社に流れているそうだ。 ラサで「周りで走ってるみたいな新しいランクルに変えられないの?」 と聞いたところ、結局「あれはみんな官庁の車だから、 ラサ市内くらいだったらなんとか借りれるけど、ロンボクに行くのは不可能」とのことだった。

ランクルの横っ腹には必ず「西蔵旅遊」と書いてある。 チベットの旅行、という意味だが、これを私たちは現地の旅行会社の名前だと思っていて、 「それにしても私たちの旅行会社の車だらけだなぁ」と思っていた。
しかし、これは「旅行に使う車ですよ」というライセンスの提示みたいな物で、 旅行会社の名前は小さい字でも書かれていないのだった。 ここらへんは中国政府の考えも含めて不思議な感じがした。

天気

ラサは「太陽の都」と呼ばれ、晴天率の高いことで知られていて、 「乾期のGWはきっと毎日青空いっぱい!」と思っていた。 しかし、実際に言ってみるとラサをはじめ、意外と青い空にはお目にかかれない。 そう言われてみるとポタラ宮は白い壁だから青い空が一番似合うはずなのに、 意外と雲を背景にした写真を目にする。 雲の多い夏がチベットの観光シーズンだからかもしれないが、、、

今回は普段よりも天気が不安定だったらしく、ギャンツェではなんと夜中に雪が降っていた。 BCから先のトレッキングの途中でも同様に雪がちらついていた。 どちらも噂通りすぐに乾いてなくなってしまった。

ロンボクからのチョモランマの展望もこの季節とはいえ、必ずしも毎日いいわけではない。 やはりチョモランマを確実に見たいのであれば、ロンボクに2泊した方がよいだろう。

旅行の手配、値段

「地球の歩き方 チベット」に広告を載せている会社全てに見積もりを依頼して、 その中から値段と対応に心配のないと思われる西遊旅行にした。 今回の日程(ラサからエベレストBC往復)で値段は一人40万円

グアテマラの事故(西遊旅行のツアーが現地民に襲われ、日本でもとても大きなニュースとなった)はちょうど私たちがチベットにいるときに発生した。 短波ラジオで日本語のニュースを聞いてかなり驚いた。
しかし、西遊旅行とチベットの旅行会社との間に成都の旅行会社が介在しているために、 ガイドは西遊旅行の名前さえ知らなかったので、 このニュースを伝えたときにも「へぇー」というだけだった。

この事件に関する西遊旅行側の言い分はHPに書いてあるので、読んでみてもいいと思う。

運転手タシと愛車(会社の車だけどとても大事にしていた)

現地での不具合

ガイドと運転手は全く知らなかった。 どうやら、成都の旅行会社がチベットの旅行社に連絡していなかったようだ。

出発の前日に西遊旅行から成都旅行社からの中国語の日程表が到着しており、 これを確認して西遊旅行に連絡をとれば回避できたかもしれない。 しかし、 西遊旅行からの日本語の日程表にはこれらの予定が書かれていることを確認済みだったので、 あくまでも確認義務は西遊旅行にあるはず。さらに、 出発の前日に自宅を空き巣に入られた(被害なし)状況では、 西遊に確認するだけの時間もなかった。

帰国後、西遊旅行に電話をして苦情を言った。 追加内容(上記の不足していた内容)を反映した成都の旅行社からの書類が、 西遊旅行に届いていたらしいが、私たちのところには届けられていなかった。 その内容はチベットの旅行社に届いていなかったのだから、 本当にそのようなものが存在していたのかも定かでない。

「彼らにとっては契約以上の仕事をしたわけで、 規定以上の手当を払うことになっているのであれば、彼らにその分の手当をだしてほしい」 などの希望を言ったが、 西遊旅行自体がグアテマラの事故で大変らしく、 2度ほど催促したが返事はない。

オールド・ティンリーの先のヤルレ・シュン峠まで行くように頼んでおけば、 シシャパンマ峰が見れたのかと少し後悔したが、 事前に頼んだことさえ伝わっていないこの状況では、 BCに2回行くことが拒絶されたことは容易に想像できる。
シシャパンマ峰を頼まなくてよかったと、本当に思う。

ガイド

カセットで流れている曲を歌っているのが運転手だと言ったり、 普通の山を「あれがMt.Everestだ」と言ったり、時々冗談なのか本気なのか分からない時があるガイドだった。
ニュー・ティンリーに向かう途中で本物のエベレストが見えたときにも、 初めは冗談なのかと信じられなかった。

チベットは「一日の中に四季がある」と言われるくらいに温度が変化するけど、彼らはいつも同じ服を着ていて結構暑くても皮ジャンを着ていたりする。
そのことを聞いてみると「俺たちは怠け者だからね。はっはっは」。。。結構楽しい人たちなのかも。
日本人はそんなことを真似すると、すぐに風邪でもひいてしまうので、こまめに服は調節しましょう。

持っていくと便利な物

ICレコーダ
ランクルでの移動中は揺れがひどいので、本を読んだりメモをとったりするこは不可能。 だからといって高所順応を進めているときには寝ることもできないし、 周りの景色もいつまでも眺めるには殺風景そのもの。
ICレコーダがあれば、旅のメモも取れるし、退屈しのぎにも。 気づいたことを話しているとすぐに満杯になってしまうので、 メモリースティックタイプなどがよいかもしれない。
日本語を理解するガイドだと少し話しづらいかも。
短波ラジオ
西遊旅行のグアテマラの事故などを現地で知ることができた。 それで旅行に何か変化があったわけではないが、情報網的に日本から遠隔地となるのでかなり気休めになります。日本を忘れたほうがよいのかもしれませんが、、、
ホッカイロ
「高所では酸素が薄いので効かない」などというデマがあったりするが、 全く問題なく暖かい。きっと昔の性能が低い物に関してのデマなのだろう。
冬山登山用の下着、寝袋
ロンボク寺の招待所の夜はとても寒いので、あるととても重宝する。
寝袋は高いけど、下着はそれほど高くなく、同じ保温性として考えればかさばらないので、冬山をやらない人でも買うとよいのでは。
高度計
ラサのみの滞在でもないかぎり体調管理のためにも必携でしょう。ランクルでの都市間移動はとても退屈なので、高度計を眺めることは数少ない楽しみになります。富士山の標高などはラサの付近ですぐに越えてしまうので、そんなネタで現地ガイド(日本ってそんなに低い国なの?ってな感じ)と結構盛り上がれます。
最近は海外の山を登る人が増えてきて、 CASIOのPROTREKicon も最高標高を4000mから6000mに変更しました。チベットに行くのであれば後者を入手しましょう。
心拍計
「腕時計タイプなんだから、腕につけておけばそのまま脈が測れちゃう」などと思ったら大間違い。反対の手の指をセンサに触れさせて計測します。
普通の人はなんなく測れますが、私は説明書どおりにやってもなぜだかうまく測れません。何度も試しているうちにだんだん頭に血が上ってきて、それが原因で体調が悪くなることさえあったりして、、、
水のいらないシャンプー
高山病に良くないので、チベットでの入浴は控えないといけない。 空気が乾燥しているので、それほど大きな問題にならないが、やはりいつまでも風呂に入れないのはつらいので、 「水のいらないシャンプー」は気休めにはなるでしょう。 なぜか使った後の方が痒かったりしたけど、やっぱり使った方がよいのでは。
ウェットティッシュ
日本人にとっては何かと汚い物に触れる可能性があるので、 ウェットティッシュもしくはアルコールティッシュなので、こまめに手を拭いた方がよいでしょう。
メモ帳
旅行であればメモ帳を持っていくのは、当たり前だと思うけど、 中国では筆談がとても重要なので、常時持ち歩ける小さいメモ帳が必須。 しおりの紐がくっついた小さい鉛筆は意外と書きにくいので、別に筆記用具があった方がベター。
ポカリスエットなどの粉
高山病対策として水分補給がとても重要なので、水分を飲む気になる物を用意するとよい。 ポカリスエットや紅茶などの粉が便利だけど、日数分用意するとそれなりの量になるので、 薄めて使えるように2.5リットルくらいの水筒があると便利。
直接口でくわえるタイプの水筒
水分をとるのだから水筒がいるのは当然だけど、コップに移して飲むタイプでなく、 直接口でくわえるタイプでないと、ランクルの中で飲むことは不可能。 それほど揺れがあることを覚悟してください。
PROTREK

チベット仏教

ストゥーパ(パグダ)
ストゥーパ(パグダ) チベット仏教は一部では「ラマ教」と呼ばれていたりしますが、どうやらそれは間違った呼び方だそうです。

僧侶に頼めば、お布施に対してお釣りをもらうことができる。
とはいえ、そのお布施が中国政府に届くだけ(もちろん一部はお寺に入ってるだろうけど)だと思うと、なんだかなぁ、といった感じかも。

寺には、テンプルとマナストリーがある。マナストリーとはチベット語でゴンパのこと。
テンプルは町の中にあり、宿泊している僧はマナストリーと比べるとそれほど多くない。 町の中のチベット人が毎日祈りを捧げに来るような場所で、 日本の寺のイメージに近い。
中国政府が世界に向けてのポーズとして許しているチベット仏教なので、どちらにしても宿泊している僧侶の数は以前よりも格段に少ないそうです。

マナストリーはほとんど村と呼べるほど大きい。 町中から離れた場所に建てられていて、その村の中には医療設備などもあったりする。 実際シガツェのタシルンポ寺では近くに住む住民が医者の建物の前に行列を作っていた。
マナストリーにはその昔、千人単位の僧侶がいたそうだが、 これも中国政府のおかげで数百人に制限されているそうだ。

僧侶は一般チペット人から食料やお布施などを受け取るが、 生きる道などチベット仏教を一般人に対して教えるようなことはしない。 一般人の分まで祈ってはいるそうだ。
ラマと僧侶(モンク)は全く違うのものなので、混同してはいけないらしい。ラマは僧侶の中でも特別偉く、彼らだけは一般人や僧侶に対して教えを伝えるような活動を行う。ダライラマ、パンチェンラマは特に有名です。
そうは言ってもこの二人の運命は大きく違ったものとなっています。

お祈りの時に言うことばは「オムマニペメフム」。覚えておいて損はないと思います。

数珠

ガイドブックにも書いてあるように、チベットに行くなら数珠は必携
チベット人の多くも木製の数珠を持っているので、日本製の派手めな数珠はどこでも注目の的になる。言葉は通じなくても数珠をちょっと見せてあげると同じ仏教徒(こちらはかなりいいかげんな仏教徒だけど)として近い存在として認めれくれる感じがする。

ロンボク寺の尼僧は私たちが日本から持ってきた数珠をとてもほしがっていた。 彼女はロンボク寺のラマ(既に亡命してしまって今は不在)からもらった木製の数珠を持っていた。 「日本の数珠はチベットのと違って珠が108個ないから、だめじゃないの?」と説明しても納得しない。

彼女の執着は並大抵のものではなく、やんわりと断っても全然解放してくれない。 とは言っても、全然不快な感じではなく哀願といった感じで、本当にじたんだを踏んでいた。
ついには、「日本で売ってるだけのお金はだすから教えて」と言う。 日本人にとってはそんなに高い物ではなかったけど、「日本で買った値段言ったら諦めるんじゃないかな」とも思ったが、 「これは売れないよ」と答えた。

すると「この紐の飾りはいらないから返すから」などとおもしろいことを言う。 チベットの数珠は日本のものと違い紐の飾りはついていない。 私たちから見ると飾りがあった方が良いように見えるけど、彼女にとっては邪魔なようだ

買った値段自体はそれほど問題な額ではないけれど、 物を欲しがった彼女だけにこれだけの物をあげるのか、というのが迷いどころだ。
結局次の日に数珠をあげて、寺の中の方を案内してもらおうかという気持ちになったが、 高山病にかかってしまってそんな気分ではなくなってしまった。
もし渡していたら最高の笑顔が撮れたかも。

チベット仏教といえばマニ車
マニ車

マニ車

チベット仏教の仏具の一つです。
手に持つタイプとお寺に設置してあるタイプがあって、 どちらも中にお経が入っていて、それを一回まわすだけで、 そのお経を読んだことになる、というなんとも便利なグッズです。
手に持つタイプはでんでん太鼓のような感じで手をゆすると 景気よく回ってくれますので、一生かかっても読めないような量を簡単にこなしたことになります(なっているはずです)。
お寺に設置してあるものは、手で回すと油のおかげで結構いきおいよく回りますから それなりに楽しめるかと思います。
私はこのずぼらな精神が好きで、ネパールに行った時にも ずいぶん回しまくりました。

ボン教

チベットに仏教が伝わる前に存在した宗教。それほどしっかりと体系だてられていないところへ、仏教がいろいろとルール(コルラなど)を持ち込んだのに対抗意識を燃やして突然ルールを決めたりしたので、コルラは単に反対周り(左回り)など、ちょっと笑ってしまうところもある。
そうは言っても今でも信者はいます。

参考HP、書籍

書籍に関しては 私たちの書店 icon (表紙の写真、公式な説明あり)でも紹介しています。

「地球の歩き方 チベット」にも書いてあるように、 長田幸康さんのホームページ「I Love Tibet!」 がとっても充実している。
チベット関連の書籍の紹介もこのホームページが詳しい。

最近のチベットの変化は激しい物があるらしく、 数年前の書籍であっても「ラサには流しのタクシーがない」 (現在はタクシーだらけ)など現状と大きく食い違うことが多い。 大抵はより便利になっていることがほとんどなので、困ることはないが、 最新の情報を入手するように心がけた方がよいでしょう。

チベット人は本を目にすることが少ないのか、 チベットのガイドブック(特にカラーの写真が載った物)にとても興味を示す。 いったん一人が読み出すと、その付近の村人が一通り読み終わるまで自分の手元に帰ってこないが、 カイラス山の写真を見たときのおばぁちゃんの喜んだ顔などを見ていると、 多少の時間は待ってもよい気がしてくる。

地球の歩き方 チベット icon  ダイヤモンド社 \1,640
地球の歩き方 中国 ダイヤモンド社 \1,740
旅行人ノート チベット 旅行人 \1,800
長田幸康さんの本。 私たちのように地球の歩き方だけで足りるコースだけの人でも必携。 マイナーに地域に行くにはこの本がないと始まらないだろう。
僕のチベットレッスン 社会評論社
旅行人ノートと同じ長田幸康さんの本。 とても読みやすくてあっという間に読める。ガイドブックというよりも長田さんの感想色が強い。
市の図書館で借りた。
チベット マンダラの国 小学館
あまり読まず。
チベットわが祖国 中公文庫
ダライラマ著。全く読まず。
行きたい人のチベット入門 山と渓谷社 \951
市の図書館で借りた本。柔らかい挿し絵が多く、興味を持つ現地人もいた。
チベット内の旅行に関する部分では多少内容が古い。
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人々や動物など

お尻のところは穴があいてる
10.jpg

子供

お金や食べ物をねだってくるのは他の国とそれほど変わらない。ポケットに手をつっこんできたりするので、彼らの目当ての財布などを入れている場合には注意しましょう。本気で盗んでやろうと思っている感じでは全然ありませんが、、、
子供たちはデジタル時計にとても興味があるらしく、 スイッチをいろいろ押して楽しんでいるようだった。渡すのはちょっと不安だけど、しばらくしたらちゃんと返してくれた。
子供たちがはいているズボンはなぜだかお尻のところに穴が開いていた。あのまま用をたすのだろうか。
高原の宝!
ヤク(高原の宝)

ヤク

散々こき使われた挙句、体中を食べられてしまうと言う、チベットにとっては本当にありがたい動物。
ラサ市内のある交差点にはヤクの像が置いてあって、「高原の宝」と書いてある。異議無し!

犬は思った以上にたくさんいるが、 本に書いてあるような凶暴な犬はいなかった。 どの犬も大抵寝ていて、あまりこちらには興味がなさそうだ。

その数が故に、本に書いてあるように犬を避けて行動することは不可能だと思う。

物乞い

物乞いはとても多い。 チベット仏教の修行をしている子供などは、いつまでも延々とつきまとったりするので、正直閉口する。

子供たちはお金の入っていそうなポケットを指さしたり、中に手を突っ込んできたりするので用心した方がいい。 スリをしようとしているわけではないが、「お金ちょうだい」ということらしい。

チェックポイントなどで車が止まると周りから物乞いが寄ってくる。 アンモナイトなどを売りつけたりもしてくるのだが、扉を開けたりもするので、 用心のために車の扉はロックした方がよいだろう。

地層

山には基本的に植物が生えていないので、地層は簡単に見ることができる。 ヒマラヤ付近だからかもしれないが、隆起して縦になっている地層もあたりまえのようにたくさんころがっている。

動物

動物はクラクションでしっかりと逃げていく。 小さい兎であっても彼らなりに一生懸命逃げていた。

食事

四川料理(日本で口にする四川料理よりもかなり辛い)をたくさん食べることになるので、油断をするとすぐにお腹をこわす。 あまりのおかずの多さについつい白米よりもおかずを優先して食べてしまうことも災いしているのかも。 「残すくらい大量に料理を用意する」ことが彼らのもてなしの習慣らしく、 気にせず日本と同じように白米を中心に食べた方がよいでしょう。

本場付近の四川料理などで辛さもなかなかのもの。 お腹の調子が心配ならば、「ノー、チリ」と言えば辛くなくなる。

基本的に水が少ない国だからだろうけど、時々食器が臭いことがある。

時々とんでもない山の麓に村があったり、村の残骸が残っていたりする。 メインの道からはとても離れており、水が目的か?

トイレ

ホテルのトイレットペーパーはかなり小さい
06.jpg トイレのタンクの中に犬がいたりする。 これを見てしまうと(狂犬病の疑いがあるのでそもそも危険な)犬にますます近寄りたくなくなる。

ラサを出てからは自然の中で用を済ますのが一番 あまりの汚さに言葉を失ってしまうトイレも少なくないので、 町が近づいてきたらガイドに頼んで、そこら辺で用を済ましてから食事などをした方がよいでしょう。

贅沢という意味で料金の高いホテルに泊まる必要というのはあまりないだろうけど、夜中に寒い思いをせずに気楽に自分のトイレにいけるというメリットはかなり大きなものがあるような気がします。

写真

撮影機材

品名 種類 説明
Canon EOS-55 一眼レフ
Canon EF28-135mmISEOS用レンズ 手ぶれ補正には毎度ながら感謝!
Canon EF75-300mmISEOS用レンズ 現地人とヒマラヤの望遠撮影用
Sigma 18mmEOS用レンズ パノラマ撮影用
Nikon 35Tiニューコンセプトカメラ なんと今回は(ほとんど歩かなかったので)全く使用せず。
Kenko TelePlus1.5Xテレコンバータ チョモランマの拡大のみ。それも風でぶれていた。
Kenko TelePlus2.0Xテレコンバータ チョモランマの拡大のみ。それも風でぶれていた。
Fuji Velviaリバーサルフィルム ほとんどこのフィルムだけを使用。手ぶれ補正レンズとの組み合わせは言うことなし!
Fuji PROVIA100リバーサルフィルム ほとんど使用せず
Fuji PROVIA400リバーサルフィルム 建物内は撮影が有料(高額なので本を買った方がよいかも) であるためほとんど使用せず
タルチョ
005.jpg

被写体

峠には必ずタルチョ(カラフルな布、チベット仏教の経典が書かれているらしい)がたくさんかけてある。 チベットの山や峠はとても殺風景なので、写真を撮るにはタルチョを入れるとよいのでは?

植物がほとんどなくガレ場だらけで、日差しはとても強いために背景はかなり明るい。 それに対して、被写体となるものはヤクやチベット人など色が黒めな物が多い。 このため撮影対象は基本的にコントラストがとても強い。 ガレ場で休んでいるヤクなどは、ネガであってもプリントのラチチュードに入らないのではないだろうか。

ザ・殺風景
007.jpg 兎をよく見かけるけど、動きが速く撮影するのは難しい。 兎の他に鹿なども見かけるけど、殺風景な背景にしっかりとけこむ保護色となっているので、 なかなか難しい。

写真を撮ってOKの人、写真はOKだけどお金を要求する人、写真を嫌がる人、がいる。 相手に断ってから撮影するといいだろう。 ヤクの写真を撮ると、その飼い主からモデル料を要求される。 モデルとしてさえないヤクもたくさんいるので、 撮影されたと勘違いされるような不用意な仕草はしない方がいいかも。

峠ではどこでも天気が良く、山が見えるところではきれいな山々を見ることができた。 チョモランマもこの季節でもあっても雲がかかるときは少なくないが、 私たちが見たいときにはいつもその勇姿を見せてくれた。
ただ峠以外のチベットではあまり高くない場所では、ほとんど山はその標高にもかかわらず雪をほとんどかぶっていないし、当然樹木も全く生えていないので、殺風景な印象は否めない。

山の眺望という面では天気に恵まれた旅だったと思う。
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チベット旅行記