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フリークライミング
初心者奮闘記

フリークライミングの初心者が勢い余って書いた戯言ですので、 くれぐれも勘違いして「クライマーのイメージダウン」 などという匿名メールを書いたりしないように。 :-)
私たちはクライマーのイメージを代表するようなものではありません。 free.jpg

初回

アルバイトの男の人に軽く教えてもらう。 ストレッチ運動のあと、クライミングシューズを履く。 自分の足に対する比率としては生まれてから最も小さい靴なのではないだろうか。 爪先で小さいホールドにのるためには必要な靴らしいが、 「そんな小さいのに自分の足が入るのかいな」 と履いてみるまで信じられなかった。

「ボルタリングの垂壁を左下から右上に行ってください」といきなり言われる。 握りやすそうなホールドを選んで力任せに登ると意外となんとかなるもんだ。

ボルタリングの壁の前に置いてあるクリアーファイルを指さして 「これにいろいろな課題が載ってますから、簡単なのから順番にやってみてください」 と言われる。 どうやらそのファイルに書いてあるホールドだけを使って移動しなさい、 ということだった。 初めの数個の課題は易しいものなので力任せor適当にやったらできたのだが、 何個目かのルートで早くも進むことができなくなった。

スラブ手足フリー(どのホールドを使ってもよい、5.6)、 垂壁手足フリー(5.7、上まで登れず)、スラブフリーなどにチャレンジする。 後で思うといくら初回とはいえ5.7が登れないというのはずいぶん情けないが、 ブルダリングのやりすぎで腱鞘炎になった後、 チャレンジしたからだと思われる。 実際次の時はかなりあっけなく登れてしまった。

手首の腱鞘炎発生。 昔から他のスポーツでもなっていたので、 こんなスポーツをやって出ないわけがない。 ホールドをつかんでもほとんど力が入らない。 このスポーツは自分に向いていないのでは、 とも考えたがその後慣れるにしたがって、 手首が痛くなるまでの時間が長くなったので今ではそれほど問題ではない。 初めはどうしても手に頼るのでこういう問題もおこりやすいのだろう。

2回目

たくさん蚊がいる。 緑のパンツのおじさんにビレイをしてもらったあと、 自分たちで初めてトップロープのビレイをする。 8ノットの結び方を間違えていたのに気づく。大丈夫なのだろうか。

垂壁手足フリー(5.7)。スラブ5.8。

3回目

リードをやってみようとするが断られる。 リードは墜落時のザイルへの負担が大きいので、 J-Wallの弱ったザイルでは安全が保証できないようだ。 雨が降っていてこの日は混雑している。 晴れた日は外の岩を登りに行く人がインドアに来ているせいらしい。 年齢層の高い人もそれなりにいる。

スラブ5.9。垂壁5.8。 順調に上のグレードを登れるようになっている。 グレードが同じなら壁の傾きは関係なさそうだが、 手でぶら下がっていると普通の人よりもつかれる体らしく、 スラブの方がグレードが先行する。 ハングの方が先行する人もいららしいので私の体質なのだろう。

4回目

新宿のICIスポーツで購入した10.5mm×40mのザイルでリード初トライ。 ヌンチャクのかける方向が大事だと言うことは分かっていたのだが、 肝心のかけるときの指のそえかたを忘れていたのでちょっと苦労した。 しかし、その苦労以上に 「ヌンチャクにザイルをかけている瞬間に落ちたらかなりの高さ落ちるなぁ」 という不安の方がずっと大きかったので、 かなり慎重に進んで、なんとか一度も落ちることなく登りきった。

スラブ5.9+に挑戦するができず。 上の面がほとんどないホールドに足をのせて上がらなければいかないが、 どうしてもそのホールドに乗せた足が滑り落ちてしまう。 知らないうちに楽なホールドをさがして足をのせてしまっていたので、 このような時に苦労する。 スメッジリングで登るものなのかもしれないが、 手の方がとてもひっぱれるようなホールドでないので×。 やはり小さいところにも自信を持って足を乗せれるようにならないとだめなのだろう。壁の右端のルートで何度も落ちたときに腕を擦りむいた。 この程度の怪我はしょうがないのかもしれないが、 壁の中央支点のトップロープを使ったからかもしれない。 右端のルートの練習をするときには、 まず右端の楽なルートをリードで登ってトップロープをかけた方がよいのかも。

垂壁5.9。 ハング手足フリー(5.8)。 ハングの壁はつかみやすい石がおおく、意外と楽。 一人でスリングで最小限の確保をしながらハングの壁を(家用の)スリッパで登り、 ルート設定をするおじさんに「足をつかっていない。 どたばたしている」と注意される。 「爪先で石にのる(必要なければインサイド、アウトサイドにしない)。かかとをさげる。慎重に石を選んでそっと足を置く。足を置いたら体重をしっかりのせる。小さな石でも嫌がらずに使う練習をする。 初心者はハングができるとうれしくて(全くその通り!)、 ついハングばかり登るが、 もっとスラブなどで足を使う練習をしたほうがよい」とのこと。

5回目

ハング5.9。 垂壁5.8,5.9。 スラブ5.10a, 5.8リード、5.9。

今日は混んでいなかったこともあり、ボルタリングは一度もやらなかった。 技術を身につけるには大事なことだろうけど、長い壁を登っている方がどうしても楽しい。
やはりスラブの5.9+はできない。 5.10a(このグレード設定はかなり怪しい。 自分の実力からして5.10には思えない)も登れたのに。 これが登れるのはいつの日か、、、

6回目

フリークライミング未経験者を一人連れていく。 自分よりもかなりザイルを信用して果敢にホールドに飛びつく姿は、 あれでいいのかどうか考えさせられる。 (実際ハイキングでの岩登りは普通の人よりもかなり臆病で、 フリーでの経験がほとんど生かされていないようだった)

登り方の見本(というレベルでは全然ないが)を見せるために、 スラブの5.8や5.9を多く登るが、あまり参考にされない上に、 自分も単にそのルートを覚えてしまっているので、 それほど上達には結びつかないようだ。 もっと上のグレードにも積極的にチャレンジしないと、、、

7回目

山岳ガイドの志水哲也さんのゲレンデ初心者講習会に参加する。 近所の広沢寺で一日\10,000。

午前中は志水さんが道具の名称、懸垂下降の仕方、 エイト環でのビレイの仕方、基本的なロープの結び方などを教えてくれた。
生まれて初めての懸垂下降は、 想像以上に制動力が強いので最初志水さんのトップロープ (予備確保)が緩まってないのかと思ったくらいだったが、 思いきって体重をあずけたら安定して下りられた。

ロープの結び方は8の字結びしか知らなかった(インドアだとこれで十分だから) ので勉強になる。 雑誌などで不要論なども展開されているブーリン結びの説明もあり、 ブーリンのアドバンテージはほどきやすいこと、結ぶのに時間がかからないこと、 結び方を間違わなければ(間違う可能性があるので初心者には問題らしい) ほどけないことなどを理解した。

午後は志水さんの本「大いなる山、大いなる谷」 にも岩登りのエキスパートとして登場する阿部さんが、 実際のクライミングを教えてくれた。
阿部さんは普段はガイドの仕事はやっていないそうで、 雑誌岳人の挿し絵などを描いている人らしい。 そのためだか分からないけど、非常に熱心な指導で、 志水さんがエイドの講習会を切り上げた後も日が暮れるまでやってくれた。
内容は初心者を対象にしたもので、あいにくの雨で滑りやすいことも災いして、 私が登り方について指導を受けることはなかった。 しかし、支点のセットの仕方などゲレンデで必要な技術 (本では読んでいたけど、やはり実際にみないと感じがつかめない) がそれなりに身についたので、 今後は自分たちだけでゲレンデで楽しめるだろう。

この時点では志水さんが本を書いていることも知らなかった。 この本自体はとてもおもしろい。 ガイド山行記も読んだけど、 志水さんの文章は自分の弱さを直視しているところなどが、 私には非常に心地いい。 「自分のやり方はいつも正しい」というタイプの人の文章はちょっと苦手。

8回目

数カ月ぶりにJ-Wallに行った。 久しぶりなのでちょっと感覚を忘れていた部分もあったが、 スラブは5.10b,5.10abなどを登ることができた。 しかし相変わらず垂壁、ハングとも5.9が登れたり、登れなかったり程度。 やはりスラブの方が相性がいいようだ。

用語

ホールド
壁についている手で握ったり、足を置いたりするもの。 岩の感触に似せてあるようだ。初めはつけてあるホールド全てを 使って登るが、グレードが高くなると指定されたものしか 手で使えなくなり、さらに高くなると足を置場所も指定される。
ボルダリング
ロープをつけずに低い壁でムーブの練習をすること。 ボルダリング用の壁は長いルートでの核心部の寄せ集めのようなので、 基本的にめんどくさい。 上に登ることよりも横に動くことが多く、私は個人的にはあまり好きではない。 ボルダリングのグレードは5.*表記ではないらしい。
垂壁
垂直な壁。ほとんどの壁は垂直以上の壁 で、J-Wallにもボルタリング1枚、トップロープ1枚しかない。
ハング
垂直よりも手前に傾いた壁。 「オーバーハング」が正しいが単に「ハング」とだけ言われることが多いようだ。 「かぶり」と書いてあるのも見たことがある。 ハングは垂壁やスラブよりも手の負担が大きいし、 実際難しいルートはハングが多いけど、 同じルートであれば傾きがきつければホールドが易しいので結局難しさは変わらない。
スラブ
垂直以下の斜面を言うらしい。J-Wallにはボルタリングの スラブは1枚もなく、トップロープ用の壁が1枚だけある。 スラブのホールドは小さかったり、上が平らでなかったり、 つかみにくかったりするので、 結局同じグレードであればハングでもスラブでも難しい。

道具


登り方(知識)

危険なこと

フリークライミングはしっかりと注意していれば、 (特にインドアは)普通の登山よりも安全とも言えます。 しかし、ザイルの結び忘れなどをすればすぐに大きな事故になってしまうので、 十分な注意をして、自分の分も人の分も確認してから登るようにしましょう。

一番危険なことはグランドフォール(地面への墜落)。 これを防ぐためには、トップロープでは比較的簡単で初めの数メートルを登っている間はビレイヤー(ビレイする人)が確実にザイルを張れば大丈夫。
これに対してリードの場合には、常に今落ちたらどうなるかを考えてビレイしないと行けません。 特に注意すべきはクリップの瞬間で、 その中でも2個目のクリップの瞬間は必要以上にザイルを出してしまうと1個目のヌンチャクが役に立たなくなります。 同様な理由で2個目のクリップがしにくいからといって、 決して2個目をとばして3個目まで登ったりしないように。 3個目のクリップの瞬間に墜落すると確実にグランドフォールします。

他のグランドフォールの危険としては、支点がはずれる可能性が考えられるので、 最終支点には安全環付カラビナもしくはカラビナ2個を逆向きにつけます。 また、ヌンチャクだけでぶらさがる場合には、 万が一はずれた時のために下のヌンチャクも残しておきます。
リードでヌンチャクにクリップする時には自分のハーネスについている側をヌンチャクの表になる向きにセットします。 これを逆にやると落ちた時にザイルがはずれる可能性があります。 ビレイヤーも下から見て、気づいた場合にはすぐに注意するように。

グランドフォール以外に危険なことは、 ボルトに指をかけたりして指を切ることでしょう。 足が乗っている状態ではボルトに指を入れると安定しますが、 万が一足が滑った場合には全体重が指にかかるので指が切れます。 同様に、墜落する瞬間にヌンチャクを掴むとカラビナに指がひっかかって切れることがあります。 どちらも何もせずに落ちてザイルにぶら下がった方がはるかに安全。 (ハングなどで既にテンションがかかった状態でヌンチャクをつかんで壁に戻るのはそれほど危険ではない)

登る前の準備

登る前に体や指とかの柔軟運動をすると気休めになります。

基本はクライマー(登る人)のハーネスには直接8の字結びでザイルを固定します。 しかし、毎回これをやっていると多少時間がかかるので、 トップロープなどのように墜落のショックがかからない場合にのみ、 安全環付カラビナを間に入れることは(本当はだめだけど)行われたりしています。 リードのように墜落の大きい場合には危険なので必ず直接ザイルをつけましょう。

ビレイヤーはATCを正しくセットして、 クライマーの8の字結びが正しいかもチェックします。 さらにお互いのハーネスの折り返しがされていることもチェックして、 声をかけあって、 登る人はビレイヤーが緩んでいる分を張ったのを確認してから登り始めます。

多少不安な場合は落ちても怪我しないくらいの高さで、 一度張ってみてゆっくりと荷重をかけてみると安心かも。 しかし、リードの時にはザイルが傷むのであくまでもゆっくりと荷重すること。

トップロープ

初心者はトップロープで始めます。 クリップの手間と墜落がないので安心して登れます。 トップロープの支点は安全環付カラビナか普通のカラビナ2枚を逆向きにセットします。支点のセットは経験者がやるように。

ビレイも最初はトップロープのビレイから練習しましょう。 一番大事なことは登る人のスピードについていけなくなったり、 手順が分からなくなってきたら、「待ってください!」 と大きな声で登っている人に声をかけること。 登っている人も常に自分のハーネスについているザイルに注意して、 あまりにも緩んでいて足の置き場にも困るようだったら、 下に声をかけましょう。

初心者が登っている場合には墜落の可能性が高いのと登れた方が楽しいので、 多少強めに張ってあげるといい。
しかし、ある程度登れる人の場合には多少の張りでも微妙なバランスが補正されてしまうので、なるべく適度な緩みを保持します。 この場合登ってる人も多少緩んでいることを忘れずに、 「テンション!」と言ってすかさず荷重をかけないように。

リード

支点まで歩くなどの手段で回り込めない場合の一回目や、 ハングなどでトップロープだと下部でぶら下がった場合に壁から離れてしまう場合、 などはリードで登る。 難しいけれど安全に最初の支点セットが行える方法なので練習してできるようになっていた方がよい。

リードは登る側の負担も大きく、ビレイヤーの技量も必要であり、 失敗した場合に事故になる確率が高いので、 初めはトップロープを予備につけた状態で練習をする必要がある。 しかし、あくまでもトップロープは予備とした方が リードで順調にいかない時の練習になるので、 トップロープはグランドフォールしない程度に緩めた方がいい。 垂壁よりもスラブの方が落ち着いてクリップができるので、 スラブで始めた方がいいかもしれない。
ビレイもトップロープに比べてリードの方がはるかに難しいので、 初めはトップロープを予備に併用して練習しましょう。 リードのビレイはリードで登ったことがないと登っている人の気持ちが分かりにくいので、登る練習もたくさんした方がいい。

トップロープ無しでリードをする際には 低い高さでのリードの墜落を繰り返すとザイルが切れることがあるので、 途中でゆっくりぶらさがって休憩、 下降&交代などをしてもいいから墜落無しに3個目くらいまでのクリップをするように心がけた方がいい。


登り方(技術)

手よりも足の負担を大きくする

どんなに腕力のある人でも脚力より強い人はいません。 屈伸よりも懸垂の方ができる回数が少ないことからも分かります。
普段の生活においても手は何かと離れたものを掴む機会があったりしますが、 足を離れたところや高いところにあげることは少ないので、 どうしても手に頼りがちになります。

では具体的にどうするかというと、極力足に体重がのるように上体の位置をずらします。登る時も足で立ちあがって、手は上体が壁から離れないように、左右にぶれないように、という目的のみに使うようにします。
実際には両足に均等に体重がかけれたまま登れる状況というのは少ないので、 片足に体重のほとんどをのせて立ち上がるということが増えます。

そうは言っても腕力があって困ることは全く無いのが現実、、、

不安定にチャレンジする

ハイキングの岩場での常識は3点支持ですが、FreeClimbingのルートで3点支持だけで登れる簡単なルートはまずありません。 結果的に2点支持(ホールドは1点だけであとは壁の面の摩擦だけということもある) になったりますが、初めは体が回ってしまってうまく次のホールドがとれません。 うまい人は使っていない足などを逆方向の空中に伸ばしたりしてバランスをとって回転を止めたりしますが、慣れないうちは「勢いをつけて回転しないうちに次のホールドをとる」という方法でもいいと私は思います。 そんなやり方に果敢にチャレンジしているうちに、 なんとなく楽にとる方法に気づくのでは。

やせる

よく耳にするのは「腕力がないとか身長が短いとこぼしてあきらめる人がいるが、 それらがない人でもルーフなどを登っている。 技術で十分に克服できる」 という話である。 なるほど、腕力のなさそうな人や体の小さい人がすいすいと登っている。 しかし、うまい人の中に太っている人は全くいない (少なくとも私は見たことがない)。 太り気味の人がいないわけではないが、 どうやらそれほどうまくはない。 また、上のようなことを言った人でも 「やせる必要もない」 という発言はほとんどしないような気がする。 「フリークライミングで痩せた」 ということも考えられなくもないが、 痩せていた方が何かと楽なのは確かなのでは?

ルートグレード

それぞれのルートの難しさを数字で表現したもの。 現在日本での主流はアメリカで採用されているデシマルグレードと呼ばれるもので、 5.8などという形で示します。 5はフリークライミングを意味していて「ただ8とかでもいいんじゃないか」 という気もしますが、世界的には他のグレード表示もそれなりに使われているので、 デシマルグレードであることを明示するために5をつけて言うのが普通です。
ただこれも少ない数字の話でうまい人は「イレブン」「サーティーン」 とかっこよく言っています。

5.9+という表現は普通の5.9よりもちょっと難しいことを意味します。 5.10からは微妙な差が重要なので、5.10a, 5.10b, 5.10c, 5.10d という風に4段階に細分化されます。 ちなみにたぐちが今までに登った最難グレードは5.10b (それ以上にチャレンジしてないという言い訳もありますが、 5.9でも全然登れないルートもあります)ですが、 正直微妙な差はよく分かりません。

同じグレードであったとしてもバランスが要求されるものや、 小さなスタンスにそーっと立つことを要求するものなど、 それぞれ課題が違っているので、 1本そのグレードが登れても同じグレードの他のルートが簡単に登れるとは限りません。ただ今までの経験だとだいたい同じくらいのグレードが登れる (というかそれ以上のグレードはなかなか難しい)という感じがします。

普通「フリークライミングをやってます」と言っている人は5.11以上くらい。 道はまだまだ遠い。。。


一般人のFreeClimbing観

FreeClimbingはまだまだ一般的ではないスポーツなので様々な誤解を受けます。

すごく危険

安全確保をしっかりすれば、 多少危険なハイキング(剣岳など)よりも重大事故につながる可能性ははるかに低い。 しかし、擦り傷などはよくある話だと思った方がいい。 雪山、沢登り、アルパインクライミングなどの危険な登山に比べれば全然安全。

すごく安全

「すごく危険」に比べるとましだと言えるが、 実際見たこと無い人がこう思うことは少ない。 ただ実際にザイルをつけて登っている姿は必要以上に安全に見えるらしく、 子供がビレイヤーのそばでザイルを口にくわえたりしていても、 その親たちは特に注意する様子も無い。 その状況でクライマーが墜落すれば惨事になる可能性は十分あるのに、、、

ロープをつかんで登る

ロープは万が一墜落した時のために結んでいるだけで、それを掴んで登ることはない。 FreeClimbingのFreeとは登るためには道具を使わない、という意味。 (墜落防止のためには使ってもいい、ということ)

金槌でカンカン何かを岩に打ち込みながら登る

本物の山の壁(とは言ってもフリー用の壁もあるが)を登ることは、 アルパインクライミングといってフリーとは区別されている。 金槌でカンカンするというのはアルパインでハーケンを打つ作業のことだろう。

頂上を目指す

そもそもは岩を登れないと頂上に立てない山に登るために始まった技術と思われるが、現在は岩に登ること自体が目的となっていて、岩を登った時点で下ることがほとんど。 実際城山なども平然と歩いて登れる登山道があるし、 幕山なども岩を登っても全然頂上に近づかない。

高く登れるとうまい

普通の体力のある人であれば、標高差1000mくらいを一日で歩いて登ることは可能だから、20mほどの高さを考えることは意味が無い。 しかし、コンペなどでは「上に登るほど難しい」というルート設定にするので、 高いところ(もちろん20m以下)に登った人の勝ち。

早く登れるとうまい

コンペのスタイルの一つとしてスピードを競うものもあるが、 現在はコンペ、通常のクライミング両方ともより困難なルートを登ることが目的。 「より困難」というものがどんなものかは登った人でないとなかなか分からない。 体力的につらいものだから時間をかければ誰でも (そうでなければ体力のある人が)登れると思われるのが普通。

壁の傾きだけで難しさが決まる

スラブよりもハングが手につらいという傾向はあるけど、 同じグレードであれば困難さは変わらない。 ハングの5.9は比較的つかみやすいホールドが多いけど、 スラブの5.9は小さいホールドや離れた位置にあるホールドが多い。 スラブの5.9のホールドがハングについてたら5.9の技術では絶対登れないし、 ハングの5.9のホールドがスラブについてたら足だけでも登れるでしょう。

腕力がないとできない

残念ながら腕力があった方が有利なのは確か。 しかし、実際は腕力よりも、バランスのもっていき方で より力のある足に体重をのせたり、 楽な姿勢の時間を長くする工夫などの方がはるかに有効。 明らかに腕力のなさそうな女の人が、 自分の登れなかった難しいルートを登っているのを見れば、 誰でも納得する。

垂直以上の壁を登ることは人間わざではない

つかむところさえあれば誰でも梯子は登れるのだから、 垂直の壁に楽なホールドがあれば誰でも登れる。 究極のハングとも言えるルーフもうんていに手足でぶら下がれるのであれば、 体力的には可能なはず。 (ただし私が今でもうんていに手だけでぶら下がれるのかは非常に怪しい、、、)
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