蓼科山に登る
蓼科山は標高2,530メートルの蓼科地区の象徴的な山。ビーナスライン沿いの「女神茶屋(名前だけで茶屋はない)」脇の蓼科山登山道入口、蓼科牧場からゴンドラで上がる「御泉水自然園」近くの七合目登山口、または、蓼科牧場の裏側の大河原峠から登る。いずれも駐車スペースを備える。
今回は、頂上までの標高差が最も少なく、登りも緩やかな大河原峠から登る。蓼科牧場前から夢の平林道に入り、御泉水自然園入り口、トキンの岩を経て大河原峠に至る。大河原峠ヒュッテ脇に大きな駐車スペースがある。
大河原峠から将軍平までは1時間半。笹道を過ぎ樹林の中の緩やかな道を進む。しばらく進んで急坂を登ったところで後ろに視界が開け北横岳が見える。北横岳の先の縞枯山は縞枯れ模様で有名だが、ここから見ると北横岳にもさらに蓼科山の途中にも縞枯れがあるのがわかる。
この登山道は極めて歩きづらい。雨で左右の面から掘り込まれたガレ道が続き、平らになったかと思うと、さほど雨が続いたわけではないのに泥濘になる。泥道に置かれた丸太を平行棒に見立ててバランスをとって進む。
縞枯れの林を過ぎ、将軍平に近くなってやっと蓼科山の丸い山頂が望めるようになる。樹林限界が鉢巻のように見える。
将軍平から山頂まで小一時間。ゴロゴロと大岩が重なった道を登る。岩の間を右、左と縫うように、時々は大岩をよじ登って上へ上へと進む。山頂ヒュッテの脇を回り込むとすぐに山頂だ。
風が強く、霧が雨に変わって頬に痛い。山頂ヒュッテでアノラックを着る。
蓼科山が火山だということは山頂に登って初めてわかる。火山で吹き上げられた岩が積み重なって異様な光景を作り出している。岩を敷き詰めたような平原の中央に蓼科神社奥の院が鎮座し、少し離れて山頂の標識と方向儀がかしずく。
寒いのでサッサと山頂を離れてヒュッテで暖を取る。ヒュッテにはどうやって運んだのかピアノと巨大なスピーカが鎮座する。毎年、ここで音楽祭を開くとのこと。
のんびり来たので、大河原峠から山頂まで2時間半。早い昼食をとって下山する