おいしいご飯は圧力炊飯器で

蓼科の山荘に来ると、炊いたご飯に芯があるようで美味くない。お米そのものは良質で、普通に炊ければ美味しいはず。炊飯器も東京で使用していたもの。水はかなり硬度が高い由も、それが問題とは思えない。いろいろ考え、試行錯誤した結果、高所ゆえの沸点の低さが原因ではないかと思い至った。山で飯盒をひっくり返して米を炊く所以だ。

標高が高くなると気圧が下がり、沸点が下がる。我が蓼科山荘の標高は1600メートル。「気圧は10メートルで1ヘクトパスカル下がる」、「沸点は1ヘクトパスカルごとに0.027度下がる」という原理から計算すると、標高1600メートルでは沸点は95.7度ということになる。インターネットで調べて沸点が97度を下回るとお米の不味さが感じられ、94度を下回る(標高2500メートル以上)と長く加熱してもご飯にならず、最終的に糊になると知った。

要するに標高1600メートルでも1.15気圧ないし1.2気圧に内圧を上げて炊飯する圧力炊飯器なら平地と同じに炊飯できるはず。さっそくカタログ仕様で1.2気圧に内圧を上げる象印の”5段”圧力炊飯器を購入し期待を込めて炊飯開始。答えは正解。これまでと同じ美味しいご飯ができ上がった。

ちょっとした知恵で山荘生活の快適さが左右される好例か。