SONATA IN B MINOR ピアノソナタロ短調
演奏 | ヴァレリー・アファナシエフ favorite!! | |
タイトル | 『ピアノソナタロ短調 & 後期作品集』 | |
データ |
2000年録音 DENON COCQ-83560 |
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≫国内盤 ≫国内盤(廉価版) | |
収録曲 | ![]() 1.ピアノソナタ ロ短調 S178 41:38
2.ピアノ小品 嬰へ長調 S192 NO.3 1:50 3.ピアノ小品 嬰へ長調 S192 NO.4 1:50 4.悲しみのゴンドラ 第2番 S200 NO.2 11:00 5.凶星! S208 10:02 |
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感想 |
とにかくすごいです。いままでのすべての演奏と異なっています。でも実はすべての演奏を内包し、統一してしまう演奏でもあります。全体的に理知的で硬質な響きはポリーニのよう、シニカルな側面はホロヴィッツ、そして重いフォルテシモはブレンデル、さらには叙情的に旋律を歌い上げる感じはボレットに近いです。アファナシエフ特有の“曲が瓦解してしまうのでは?”と不安になるほど遅い演奏で、通常は約30分で演奏される曲が41分38秒で演奏されます。ですが全体がしっかりとまとまっているんです。ジャケットのエッシャーの絵に影響されてしまいますが、本当にエッシャーのパズルのように不可思議でクールな演奏です。
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演奏 | アルフレッド・ブレンデル favorite!! | |
タイトル | 『ピアノソナタロ短調、葬送曲』 | |
データ | 1991年録音 PHILIPS PHCP-5042 | |
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≫国内盤 | |
収録曲 | ![]() 1.葬送曲 S173 NO.7
11:09
2〜4.ピアノソナタ ロ短調 S178 29:12 5.灰色の雲 S199 2:25 6.ピアノ小品 嬰へ長調 S192 NO.3 1:21 7.夢の中に(夜想曲) S207 2:10 8.リヒャルト・ワーグナー〜ヴィネツィア S201 2:30 |
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感想 |
息が詰まるほど重厚である旧譜に対し、論理哲学のような造形美を維持しながらも、瑞々しい響きをも兼ね備えています。ブレンデルはソナタロ短調の頂点となる音を大切にする演奏家です。頂点となる音とは、アンダンテ・ソステヌートの部分で半音階の上昇と下降を繰り返し、高らかにカタルシスを向かえるfffの後にくる高いB音です。ブレンデルは躊躇なく、尋常でない集中力と共に鳴り響かせてくれます。
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演奏 | アルフレッド・ブレンデル favorite!! | |
タイトル | 『ピアノソナタロ短調』 | |
データ | 1981年録音 PHILIPS 410-040-2 | |
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≫国内盤 | |
収録曲 | ![]() 1〜4.ピアノソナタ ロ短調 S178 33:07
5.小鳥に語るアシジの聖フランシス S175/1 10:17 6.波を渡るパオラの聖フランシス S175/2 8:41 7.悲しみのゴンドラ 第1番 S200/1 4:15 8.悲しみのゴンドラ 第2番 S200/2 7:00 |
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感想 |
ベートーヴェンの音楽を“鳴り響く思想”と表現した書籍がありますが、僕はこのブレンデルの旧譜を“鳴り響く哲学”と呼びたいです。初めてこの演奏を聞いてから10年が過ぎようとしていますが、聴くたびに新たな発見と感動を覚えます。ただ毎日聴くには重過ぎるので僕は1991年録音版を聴いています。カップリング曲の聖フランシスの“伝説”“悲しみのゴンドラ”も素晴らしいです。
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演奏 | エリザベス・レオンスカヤ | |
タイトル | 『ピアノソナタロ短調』 | |
データ | 1990年録音 TELDEC 4509-97481-2 | |
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≫国内盤(在庫なし) ≫輸入盤(在庫なし) | |
収録曲 | ![]() 1.ピアノソナタ ロ短調 S178 32:53
2.ペトラルカのソネット 第104番 S161/5 6:50 3.ペトラルカのソネット 第123番 S161/6 8:06 4.ソナタ風幻想曲 ダンテを読みて S161/7 16:51 |
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感想 |
元気の出るソナタロ短調です。リストの曲が持つネガティブな側面があまり聞えてきません。とてもダイナミックな演奏で、感情の表現もスケールが大きく、響きも美しいです。
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演奏 | バーバラ・ニシュマン | |
タイトル | 『ピアノソナタロ短調』 | |
データ | 1993年録音 NEWPORT CLASSIC NPD85538 | |
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≫輸入盤(ジャケット違) | |
収録曲 | ![]() 1.ピアノソナタ ロ短調 S178 29:09
2.スペイン狂詩曲 S254 12:15 パガニーニ大練習曲集 S141 3.第1番 ト短調 “トレモロ” S141/1 5:30 4.第2番 変ホ長調 ”オクターブ” S141/2 5:10 5.第3番 嬰ト短調 ”ラ・カンパネラ” S141/3 4:50 6.第4番 ホ長調 ”アルペジオ” S141/4 2:23 7.第5番 ホ長調 ”狩り” S141/5 2:58 8.第6番 イ短調 ”主題と変奏” S141/6 5:14 |
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感想 |
幻想曲のようなソナタロ短調です。音の織り成す華やかなロマン主義の世界が楽しめます。他の収録曲も幻想的な側面が強調されています。このCDにはインデックス機能がつけられています。
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演奏 | マウリツィオ・ポリーニ | |
タイトル | 『ピアノソナタロ短調』 | |
データ | 1988/1989年録音 GRAMMOPHON 427-322-2 GH | |
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≫国内盤 ≫輸入盤(在庫なし) | |
収録曲 | ![]() 1.ピアノソナタ ロ短調 S178
29:08
2.灰色の雲 S199 2:18 3.凶星! S208 6:04 4.悲しみのゴンドラ 第1番 S200/1 3:59 5.リヒャルト・ワーグナー〜ヴィネツィア S201 3:44 |
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感想 |
数多くの先達の演奏に惑わされず自分のピアニズムを追及するポリーニ。音を一つ一つ明確に表現することで、精巧なガラス細工のような早いパッセージが実現されています。カップリング曲にはリスト晩年の思索的な曲をチョイス。
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演奏 | シューラ・チェルカスキー | |||||||||||||||||||||||||||||
タイトル | 『ピアノソナタロ短調』 | |||||||||||||||||||||||||||||
データ | 1970/1991年録音 DECCA 433-656-2 DH | |||||||||||||||||||||||||||||
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≫国内盤(在庫なし) | |||||||||||||||||||||||||||||
収録曲 | ![]()
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感想 |
全体的に幻想的、ロマンティックに演奏する人で、ハンガリー狂詩曲も幻想性が強調されています。こういうハンガリー狂詩曲はあまり聴いたことがありません。チェルカスキーのスタイルは#1で最も成功していると思います。
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演奏 | アニー・フィッシャー | |||||||||
タイトル | 『シューベルト ソナタ 変ロ長調/リスト ピアノソナタロ短調』 | |||||||||
データ | 1953/1968年録音 HUNGAROTON HCD31494 | |||||||||
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≫輸入盤(在庫なし) | |||||||||
収録曲 | ![]()
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感想 |
リストの方が1953年の録音です。今までに聴いた女性のピアニストの中で、最も堅実な演奏です。構成感が強調されていますが、要所要所で感情が強くなる部分もあって、僕が一番好きなタイプのソナタロ短調です。シューベルトは非常にスケールが大きく、外向的に演奏されており、一方リストは内向的に演奏されます。
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演奏 | クリフォード・カーゾン | |
タイトル | 『ピアノソナタロ短調』 | |
データ | 1963/71年録音 LONDON POCL-4514 (452 306-2) | |
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≫国内盤 ≫輸入盤(在庫なし) | |
収録曲 | ![]() 1〜3.ピアノソナタ ロ短調 S178 29:21
4.愛の夢 第3番 S541/3 4:48 5.忘れられたワルツ 第1番 S215/1 3:13 6.小人の踊り S145/2 3:14 7.子守歌 S174 8:58 8.シューベルト 即興曲 変イ長調 D935/2 7:45 |
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感想 |
ソナタは1963年の録音です。僕が最も好きなタイプのソナタです。非常にクールな構成感があり、そして響きには柔らかさを感じます。ただソナタのポイントとなる箇所がちょっと意識されていない演奏です。カーゾンの演奏はスタッカートを効かせた細かい音が非常に魅力的で、フガートの部分が素晴らしいです。
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演奏 | クリスティアン・ツィマーマン | |
タイトル | 『ピアノソナタロ短調』 | |
データ | 1990/91年録音 GRAMMOPHON 431780-2 GH | |
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≫国内盤(在庫なし) ≫輸入盤 | |
収録曲 | ![]() 1.ピアノソナタ ロ短調 S178 30:37
2.灰色の雲 S199 3:13 3.夜 S699 9:45 4.悲しみのゴンドラ 第2番 S200/2 9:53 5.葬送曲 S173/7 12:18 |
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感想 |
僕は、このソナタは非常にスタンダードな演奏だと思います。個性的な解釈はなりを潜め、輝かしい響きを中心に、しっかりと構成されています。初めてリストのソナタを聴く、という方にお薦めです。ソナタは1トラックですが、3部に分けてインデックスがふられています。
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演奏 | エンドレ・ヘゲドゥシュ | |||||||||||||
タイトル | 『ピアノソナタロ短調』 | |||||||||||||
データ | 1997年録音 HUNGAROTON HCD31870 | |||||||||||||
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収録曲 | ![]()
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感想 |
ライブ・レコーディングです。ヘゲドゥシュの演奏はブライトな音が好きな人にお薦めです。ヘゲドゥシュのソナタロ短調の演奏は、アルフレッド・ブレンデルの解釈に強く影響を受けているものだと思います。
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演奏 | ローリス・セヴォンキアン | |||||||||||||||||||||
タイトル | 『ピアノソナタロ短調』 | |||||||||||||||||||||
データ | 1994年録音 AMBITUS amb97902 | |||||||||||||||||||||
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収録曲 | ![]()
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感想 |
一つ一つの音が長めに奏でられるせいか、全体的に穏やかで優しい感じのするソナタロ短調です。セヴォンキアンは1959年パリ生まれのスイスのピアニストです。
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演奏 | アルフレッド・コルトー | |||||||||||||||||||||||||
タイトル | 『アルフレッド・コルトーの遺産 第9集』 | |||||||||||||||||||||||||
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1929,26,31,37年録音 EMI SGR‐8109 | |||||||||||||||||||||||||
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収録曲 | ![]()
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感想 | ミスタッチがありながらも、極めて品がよく、そして深みも感じさせるソナタロ短調です。コルトーは響きが濁っても、力強く打鍵する箇所でも、決して品と風格を失いません。ハンガリー狂詩曲等は、さまざまなニュアンスを生み出します。 |
演奏 | カーロイ・モチャーリ(P)/ヤーノシュ・コミヴス(指)/オーパス95 | |||||||||
タイトル | 『ピアノソナタ ロ短調 オマージュ・ア・リスト』 | |||||||||
データ | 1995年録音 REM REM 311265 | |||||||||
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収録曲 | ![]()
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感想 |
これは大変興味深いアルバムです。モチャーリの演奏による、通常のピアノソナタロ短調といっしょに、コミヴスが15の管楽器アンサンブル用にアレンジした合奏版のソナタロ短調が収録されているのです。コミヴスのアレンジは、管楽器のみなので、単一器楽曲としての表情が維持され違和感がありません。ソナタロ短調の魅力を再認識させてくれるアレンジです。
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演奏 | マルタ・アルゲリッチ(P) favorite!! | |||||||||
タイトル | 『ピアノソナタ ロ短調』 | |||||||||
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1971年録音 GRAMMOPHON POCG-1229 | |||||||||
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≫国内盤 ≫国内盤(紙ジャケット) | |||||||||
収録曲 | ![]()
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感想 |
爆発するエネルギーに満ちた情熱的な演奏です。かといって感情に絡め取られることなく、見事に構築されます。情熱と理性の非常に高いレベルでのせめぎ合いが、この名演の魅力です。
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演奏 | ニコライ・デミジェンコ(P) favorite!! | |||||||||||||||||
タイトル | 『ニコライ・デミジェンコ・プレイズ・リスト』 | |||||||||||||||||
データ |
1992年録音 HYPERION CDA66616 | |||||||||||||||||
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≫輸入盤(ハイペリオン盤、在庫なし) ≫輸入盤(ヘリオス盤) | |||||||||||||||||
収録曲 | ![]()
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感想 |
この盤をソナタロ短調のスタンダード盤と呼びたいです。技術が優れているため聴き手にまったくストレスを感じさせません。ソナタロ短調では、ほとんどの演奏家がクライマックスに向かって一本調子になるような箇所であっても、微細な表現を実現しています。
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演奏 | ホルヘ・ボレット(P) favorite!! | |||||||||||||||||||||||||
タイトル | 『ピアノソナタ ロ短調』 | |||||||||||||||||||||||||
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1982年録音 LONDON F35L-20096 | |||||||||||||||||||||||||
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収録曲 | ![]()
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感想 |
ボレットのソナタは極めて独特です。これが19世紀ヴィルトゥオーゾスタイルなのでしょうか。典雅で、軽やかで、とにかく美しく瑞々しいソナタです。現代ではこのようなスタイルで演奏する人は皆無だと思います。
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演奏 | ヴァレンティナ・カメニコーヴァ(P)/ジリ・ベローラヴェク(指) | |||||||||||||
タイトル | 『ピアノ協奏曲第1番、第2番/ピアノソナタ ロ短調』 | |||||||||||||
データ | 1976,78年録音 SUPRAPHON 110 662-2 | |||||||||||||
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収録曲 | ![]()
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感想 |
ピアノ協奏曲2曲とソナタという、大規模なカップリングです。ピアノ協奏曲はスケールが大きく、素晴らしいです。ソナタは、上手くまとめられしっかりとした構成感を持っています。必要以上に巨大にならず、かといってこじんまりともせず、正攻法で演奏されています。
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演奏 | エミール・ギレリス favorite!! | |||||||||
タイトル | 『シューーベルト ソナタ ニ長調 D850/リスト ソナタ ロ短調』 | |||||||||
データ | 1960,64年録音 RCA VICTOR 09026-61614-2 | |||||||||
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≫国内盤(ジャケット?) ≫輸入盤(在庫なし、試聴あり) | |||||||||
収録曲 | ![]()
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感想 |
大変素晴らしい演奏です。ギレリスの名声の所以を実感させてくれます。構成やダイナミズムも素晴らしいです。ギレリスの生み出す、一つ一つの静かなパッセージは聴き手の耳を引きこんでいく力があります。
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演奏 | ウラディミール・ソフロニツキー | |||||||||||||||||
タイトル | 『シューーベルト ソナタ 変ロ長調 D950/リスト ソナタ ロ短調』 | |||||||||||||||||
データ | 1960年録音 CLASSOUND 001-022 | |||||||||||||||||
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≫輸入盤(Amazon.USA) | |||||||||||||||||
収録曲 | ![]()
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感想 |
ソフロニツキーの死ぬ1年前のライブ録音。より大きく広がっていくような外向的なソナタロ短調です。はっとさせる美しい音が随所で奏でられます。“連祷”、“わが宿”が非常に素晴らしいです。
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