１〜８．	ヘルヴェック〜リスト　踊りの時	Ｓ４９２
９．	ラッセン〜リスト　“天は私の魂を解き放ち給え” 第１バージョン	Ｓ４９４�@
１０．	ビューロー〜リスト　ダンテのソネット“いと優しく、いと誠実な”	Ｓ４７９
１１．	ザクセン＝コーブルク＝ゴータ公エルンスト２世〜リスト　ゴータの王侯の棺桶島	Ｓ４８５ｂ
１２．	ルイ・フェルディナンド公のモティーフによる悲歌“ 第１バージョン	Ｓ168 ii
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	レスマン〜リスト　ユリウス・ヴォルフの“タンホイザー”より３つの歌
１３．	春が来た	Ｓ４９８/１
１４．	酒宴の歌	Ｓ４９８/２
１５．	君は僕を見る	Ｓ４９８/３
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１６．	ラッセン〜リスト　“天は私の魂を解き放ち給え” 第２バージョン	Ｓ４９４�A
１７．	ラッセン〜リスト　“深き孤独に留まる”	Ｓ４９５
１８．	ヘルヴェック〜リスト　踊りの時 第４番 　異稿	Ｓ４９２/４ ｂｉｓ
１９．	コーンラディ〜リスト　ジプシーのポルカ	Ｓ４８１

　

ヘルヴェックはウィーンの音楽界において活躍していた人物です。リストは従兄弟のエデュアルト・リストを通して知己になります※１。ヘルヴェックはリストの熱心な支持者、協力者であり、１８６９年４月４日と１１日にはウィーンで“聖エリザベートの伝説”を指揮し成功させています。※２

ヘルヴェックの“踊りの時”は管弦楽作品で、１８６８年に出版されました。ラ･マーラ書簡集の第２巻で、“踊りの時”に関してヘルヴェック宛にリストは面白い書簡を書いています。誤訳かもしれませんが、１８６８年１２月１日付、リストはヘルヴェックに“踊りの時”の楽譜を送るよう要求しており、１２月２９日付の書簡で、

“「踊りの時」は途中でまだ踊っているようです。まだ届きません。”
The “Tanzmomente” are still dancing on their way here, for they have not yet come. ※３

と書いています。

サシェヴラル・シットウェルの『リスト』では、本文、及び作品目録において“踊りの時”のサブタイトルとして？“ウィーンのサロン音楽”としています。全曲“サロン音楽”という名のとおりの、ゆったりとした優雅な曲調です。ハワードの解説で、“シューマンの影響が明らか”と書かれています。第１曲目はそのとおり、“子供の情景”などの小品を思わせます。終わり方が少し唐突なのが面白いです。

※1	フランツ・リスト傳　ユリウス・カップ著　高野瀏訳 河出書房 1940年11月20日発行　P242
※２	FRANZ LISZT　 The Final Years 1861-1886 Alan Walker Cornell Univwrsity Press 1996　Ｐ204
※３	LETTERS OF FRANZ LISZT VOLUME2 Franz Liszt, letters collected by La Mara and translated by Constance Bache INDYPUBLISH.COM　LETTER NO 77,79

Tanzmomente no.1 in G major
（2:11 HYPERION CDA67004）

ユリウス・ヴォルフは１８３４年生まれの作家。ネット上の知識ですが“タンホイザー”は１８８０年の作品。また他に“さまよえるオランダ人”（これも戯曲でしょうか）という作品も書いており、ワグネリアンであったことが想像されます。

その詩に対して、オットー・レスマンが作曲した歌曲を、リストがピアノ独奏曲に編曲したものです。オットー・レスマンは、“一般音楽新聞”の音楽ライター、編集者として活躍し、ピアノをビューローに習っています。※１

リストの１８８３年２月９日付け、レスマン宛書簡より

“まもなく君の「タンホイザー歌曲集」を編曲したものが出版されますね。それらを私に送付してください。私のところにいる才能のあるピアニスト達が、この歌曲編曲を弾くために大変な努力を払うことになるでしょう。”※２

ですが、ゲレリッヒのマスタークラスの書籍で見ると、特に弟子たちが取り上げた記録はでてきませんでした。主旋律に付随する装飾が愛らしい小品です。

※1 ※２

LISZT LETTERS IN THE LIBRARY OF CONGRESS - FRANZ LISZT STUDIES NO.10　translated by Michael Short 2003　PENDRAGON PRESS　LETTER NO.274 P233

Drei Lieder aus Julius Wolffs Tannhauser〜Der Lenz ist gekommen
（3:41 HYPERION CDA67004）