更新日 1998年 2月 11日  English is here.


詩想空間 / 卵


 生物が創り出す形態で、ごく日常的に接していながら考えてみると幾何的かつ超自然的なもの、それは卵だと思っています。どのようにしてそれが生み出されるのか、そこに神秘を見てしまうのはわたしだけでしょうか。
 今回は、思い立ってちょっと卵料理に挑戦してみました。


    卵はもう外に出なくてはならないから
      殻を纏う
    生命は海からあがったのだから
      球形の海を纏う
    遠き記憶をたづさえて世界に赴くために

      lathe { cubic_spline 8,
        <-0.255, 0.12>, <0.00, 0.00>,<0.255, 0.12>, <0.370, 0.38>, <0.32, 0.70>, <0.175, 0.92>, <0.00, 1.00>, <-0.175, 0.92>
        scale <18, 18, 18> translate <0, -8, 0>
        }

旅立ちの時  [18k] 1998.2 by Tsutomu Higo


    卵を割ってみると
      中からは希望や夢や勇気や
    みんな世界に飛び出してゆき
      殻の中にはただ一つ
    空虚 が残った

      intersection {
        object { Egg }
        object { Egg scale 0.96 inverse }
        merge { Boxes }
        }

パンドラの卵  [19k] 1998.2 by Tsutomu Higo


    僕の肋骨はスクリューにえぐられた
      彼女が創られるために
    だから僕達は肋骨を重ね合わせて
      なんとか生きている
    少しは輝いているかい

      #declare Coil = isosurface {
        function {"helix1", <1, -0.8, 1.4, 1.3, 1.5, 1, 0.25>}
        bounded_by {box {<-2.5, -9, -2.5>, <2.5, 9, 2.5>}}
        eval scale < 5, 1, 5 > translate < 0, 1, 0 > no_shadow
        }
      intersection {
        object { Egg }
        object { Egg scale 0.95 inverse }
        object { Coil }
        }
    Coilは、鈴木さんの等値面表示拡張版で描かせていただきました。

螺旋という名の寓話  [21k] 1998.2 by Tsutomu Higo


    気象異変はやがてカタルシスを迎え
      人みな死に絶えてのち
    数百年の時を隔てて一つの卵が割れた
      新しき主人を育むべく
    そこから森が生まれた

      intersection {
        object { blob {threshold 0.5 #include "corlblob.inc" sturm } texture{ T_Glass2 } rotate -90*x scale <.09, .03, .09> translate <0, 0, 8> }
        box { < -50, -50, -50>, < 50, 50, 0> }
        }
    I used coral.inc by Mr. Lj Lapre, thanks.

絶望に見る希望  [64k] 1998.2 by Tsutomu Higo



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