POP MUSIC FOR SINGLE LIFE

東芝EMI ISLAND ILR-20646

ザ・バグルズ

「ラジオ・スターの悲劇」

(’79)


 最近、とある宴会でテクノ・ポップを多く聴く機会が有りました。個人的にここ数年、ソフト・ロックとかフリー・ソウル系の揺れるビートの音楽ばかりを聴いていたので、その機械的なビートには新鮮さを感じて非常に気持ち良く感じました。

 で、その辺の音楽を久々に引っ張り出してよく聴いている今日この頃なのですが。その中でテクノ・ポップってどんなのを言うの?と尋ねられた場合、先ず思い浮かべるのがこの曲。私と同じ30歳前後の人でこの曲名、グループ名は知らなくてもこの曲を聴いたことが無い人はいないんじゃないかと思ったりもします。

 ピアノがゴージャスな雰囲気を醸し出すイントロ、ラジオ・ノイズが印象的なヴォーカル、高揚感溢れる女性コーラス等、何処をとってもキャッチーで、何回聴いても飽きません。と同時に、すべてのパートを切り張りして作られている様な印象も感じさせます。その人工的な雰囲気がまた浮き世離れしていて好き。

 そのようなことから、この曲を作ったトレヴァー・ホーンの再評価が個人的に高まっています。ABCの「ルック・オブ・ラブ」、イエスの「ロンリー・ハート」なども昔より何倍も格好良く聴こえます。本当に格好いいのか、江戸時代の人が冬に保存食を食べ続けた後のさっぱりした初鰹をやたら旨く感じて有り難がったのと同じ事なのか(どういう例えだ?)、今は未だ判断つかない状況ではありますが、当分ハマりそうです。

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