平山三紀 「やさしい都会」 作詞 松任谷由実 作曲 筒美京平 編曲 筒美京平 発売 1976年
色々辛いこともあったけど、都会の暮らしはいいもんだ。歌詞の内容は至って平凡なのですが平山三紀が歌うと、全然平凡でない世界が広がってきます。ちょっと普通の生活を送っていない、30前後の女性の心情吐露の様に聞こえてくるのですが、その歌唱力が突き抜けたリアリティーを呼び起こし、歌詞に描かれる女性は「どんな美人で格好いい人なんだろう」とか「こんな人絶対いないだろうな」など余計な事を考えさせたりします。そして「こんな格好いい人(←勝手な妄想)でも色々あるんだから、私も頑張って生きてゆかねば」などと思ったりもして。独り暮らしをする人間の為のソウル・ミュージック、少し大袈裟かも知れませんが、そう言っても過言ではないと思います。
この歌を作詞者ユーミン本人が歌ったら、上京して来て2、3年経った女子大生とか若いOLのちょっとした感傷を表したものに聞こえるんじゃないかと思います。20代の女性向けの音楽としてはイイかも。
しかしそうなると、テレビ番組『恋の空騒ぎ』(「あっぱれ、さんま大先生」の子供達を20代前後の女性に置き換えたような番組)観ているような感覚で、「なるほど、彼女達はそんな風に考えているのか、フムフム」とそれ位の感想しか持たなくなるだろうし、歌の世界にどっぷり浸れなくなるので、やっぱり平山三紀が歌ってくれて良かったと余計な事を考えては勝手にホッとしている私です。
歌の事ばかり書いてきましたが筒美京平のサウンドは歌の世界をさらに広げるもので、特にストリングスの使い方には痺れます。もう格好イイとしか言い様がない。
あと、個人技になりますがドラムがとても心地よく、スローテンポの曲なのに非常にグルーヴを感じさせます。もしかして林立夫?かと思うのですがどうなんでしょう。
・ジャケット写真『ベスト・コレクション』(CBS/ソニー 30DH 230)CD。
誰かシングル盤置いてある所知ってたら教えて!(99/2/20)
一つ前に戻る トップに戻る