デフレはどこまで行くか

僕は以前「経済が縮小するのは必然だ」と考えた。経済成長は「経済活動への参加率の上昇や、日常生活における経済活動の占有率の上昇」によって起きるというのが僕の説である。比率の問題だから100%に近づくと上昇は止まるし、100%に近い状態は行き過ぎだから適度な比率まで戻るはずである。

従ってこの先しばらくデフレが続くが、必要最低限まで経済が縮小したところでデフレは止まるだろう。では必要最低限というのはどれくらいか。税金の使い途についてそれを考えるのが今話題の「事業仕分け」だ。デフレ状況では、税金以外の分野でも全ての仕事が「社会にとって必要かどうか」を厳しく問われることになる。僕の仕事は大丈夫だろうか。

ふと思い付いて「年前の水準」という語句でググってみると、ボーナスが20年前、住宅着工が50年前、日本のGDPは17年前まで戻ったなどというニュースが出てくる。一体どこまで戻るのだろうか。僕が思うには40年前の1970年ごろに戻るのが妥当なのではないか。高速道路と新幹線を造って、オリンピックと万博をやったところで経済成長は不要となった、と。つまり今の中国くらいである。

その先も無理に経済成長を続けようとすると、'71年にドルショック、'73年に石油ショックが起きる。今の金融危機もエネルギー問題も遡ればその頃に始まっているのである。米軍基地を維持したままで沖縄が返還されたのも'72年である。今の大問題は全て'70年ごろに戻って考え直しやり直す必要があるような気がする。

(09.12.14)