■■■ 畳床(たたみとこ)いろいろ ■■■


畳床には、従来からある わら床 と、 最近開発された 化学床 があります。

わら床 の方が自然素材でできており、 おすすめですが、注意も必要です。




■■ わら床 ■■

わら床とは、稲わらを40〜50cmほどに積み重ね、 それを5cm程度にまで圧縮して、糸で縫い止めてつくられます。
この「わら床」には、抜群の断熱と調湿機能があり、また 丁度良い硬さと柔らかさを備えており、 昔から日本人に快適な住環境を提供してきました。

一般には、ダニの発生を防ぐため(--->コラム)わらの中に  防虫紙 なるものを縫い込んだものが主流です。 ただ、この 防虫紙 のうち、現在使われている多くのものは、殺虫剤と同じような成分を空気中に揮発させ、 室内の空気を汚染する可能性があります。

そのため、当店では 防虫紙 のはいっていない わら床 を特別に仕入れており、 防虫紙 を希望されるお客様には、 空気を汚染する可能性のない 防虫紙 を 当店にて折込んでおります。

■ 化学床


化学床は、30年ほど前、 わらの供給量が減ってきた頃から、その代替え品として普及してきたもので、 いろいろの種類があります。

□ わらサンド床
一時期、スタイロ畳という商品名で テレビのコマーシャルに流れていました。
わら床の芯の部分を、ポリスチレンフォームという発泡体で置き換えたものです。
わら床より軽く畳店にとっては扱いやすいですが、発泡体が使用しているうちに縮んできますので、 寿命は短くなります。

□ 脱わら床
わらは一切使わず、インシュレーションボードとよばれる木質繊維でできた板と、 ポリスチレンフォームなどを組み合わせて作られたものです。 わら床よりは硬いので、クッション剤を表面に縫い付けるのが普通です。 繊維の質はわらほどは強くないので、寿命は短くなりますが、工業的に大量に生産されるため 安価に でき、最近では主流となっています。





ダニ・カビ の発生と畳


最近、住宅の気密化がすすみ、また共働きの家庭が増えたため、 昼間 部屋が閉め切られたままとなり、部屋の換気が行われにくくなりました。 そのため、高温多湿の夏などは、室内がダニの生育に絶好の環境となり、 ダニやカビの発生が多く報告されるように なりました。

ダニやカビ は、温度、湿度、えさ(養分)の 3条件が整えば、どこにでも発生します。
一時期、ダニが発生するのは畳が原因のようにいわれましたが、そうではありません。

畳業界では、ダニが発生し、クレームとなって店の信用を落とすことを心配して、畳床に 防虫紙 を縫い込むことが普通に行われるように なっています。
しかし、健康志向の昨今、防虫紙 についても、 その成分次第では害のあることが指摘され始めており、その使用に関しては注意が必要です。

当店では、防虫紙 は使用しないか、 もしくはより安全なものを使うようにしています。




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