運転免許inブラジル


answer  18才のときはブラジルにいたので運転免許はブラジルで取得した。これがまた面白い体験だったのでここに記したい。
 家の近くの運転免許事務所を訪ねて話を聞くと知能検査と4-5時間分の実地訓練を受けた後、筆記と実地試験を受けることになるという。レッスンを受ける日を予約して、当日事務所に出向いた。教官と一緒に少し広い住宅街に出てからいきなり路上でレッスンが始まった。私はある程度クラッチの感覚が身についてたので(事前に父親に教えてもらっていた)難無く発進した。ローとセカンドを使った前進、後退、坂道発進を合計で2-3時間位教わっただろうか、それ以上やった記憶がない。時間的にはともかく技術的にはそれ以上はやっていない。それであとはもう実技試験である!
 実技試験の前に中央試験場に筆記試験を受けに行ったがこれが笑ってしまう。なんと16問しか出ないのだがこれも8問できれば合格なのである。しかも四問択一である。問題の内容も道路標識を見てこの標識の意味を正しいものの中から選びなさいという、まあ常識を問う問題なのでよほどのことがない限りは合格である。と、思っていたがまわりを見まわしたら結構苦労している様子だったのでそれのほうが怖かった。隣のおにいさんはどうも字が読めなくて苦労してるようであった。オイオイ…。でも時間が経つにつれみんなも続々と出来ていくようなので安心して私も答案を提出した。
 さて実技試験だがまず伏線がある。最後のレッスンの日に教官が「さて、あんたは「契約免許」をとるのか」と聞いてきた。「契約免許?(なんじゃそりゃ?)」「つまりね、お金を試験官に直接渡すと賄賂でつかまるのでわれわれに渡してくれれば我々が後ほど試験官に渡す、という段取り。」こうまであっさり言われると、「ああ、そうですか」と納得せざるを得ない。「ま、当日選んどいて」でこの日は終わり。以前賄賂を渡しておかないと落とされるというホントかウソかわからない話も聞いていたので払うつもりで当日行った。もっとも賄賂といっても日本円にして正規料金一万円に5千円の賄賂代なのでおとなしく払いましたけどね。余談ですが何か月か後に警察(憲兵)に職務質問されたとき、たまたま車検証を携帯していなかったときも賄賂(3千円位だったかな)で勘弁してもらったことがあった。この辺が南米らしい。とにかく試験を受けた。試験は教官が横に座るなか、ローとセカンドで住宅街の一角を一回りしておしまい!所要時間一分!これは賄賂効果なのかブラジル基準なのかはわかりませんが試験を受けてた人の中にはまともに発進できない人がいたこと、このとき試験を受けてた人間が20人はいたことから後者ではないかとにらんでます。そうでないとこれだけの人数さばけないでしょう。
 ちなみにここでとった免許はそのまま日本で使えました。それもすごい話ですが。代筆屋がうごめく鮫洲試験場とは別世界ですね。

画像:筆記試験の答案用紙

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