デジタルテレビの将来性(98/11/21)
最近CS放送SKY PerfecTV! のチューナーを買って時間を作っては見ていますが、デジタルTVとはこんなにすごいものか、とある種のショックを受けました。
画質はまだ若干改良の余地があるようですが(圧縮して送られてくるため、どうしても若干の劣下は避けられないようです)、普通に見る分には十分です。それより驚いたのはその機能の豊富さです。例えばリモコンのボタンを押すと一週間の番組表が見られるのですが、それは随時衛星からのデータを読み込んでいるようなのです。また、同じようにして現在見ている番組の説明も見ることができます。つまりポイントは番組表が画面上に即座に表示されることです。しかし本当に凄いのはこういうことではなくて、例えば契約をすると放送局からメールが(衛星経由で)届いて、契約内容の詳細などが画面上で見られます。また掲示板もあって、局からのお知らせ等も見れます。「何だ、こりゃインターネットと同じじゃないか」と思いましたが、この時点で私は初めてSony(SKY PerfecTV!の出資社の一つ)とMicrosoftが提携した真意を目のあたりにしました。ここでデジタルテレビはものすごい潜在力を秘めていることを今さらながら悟りました。ここではCSチューナーが、電話回線につながっていることがミソです。つまりデジタルテレビはインタラクティブ(つまり双方向性がある)なのです。その圧倒的な通信速度を利用して将来的にはブラウザやメールソフトとも融合するでしょう(すでに一部の地域では情報送受信メディアとして機能している)。またTV局は完全な視聴率調査が可能ですから、全面的に普及した暁にはニールセンやビデオリサーチ(視聴率調査会社)の仕事はなくなってしまいます。また、チューナーの所有者の個人情報が放送局側では把握できますから、コマーシャルも各家庭によって内容が異なる、なんてことも可能になります。すべてオーダーメード的に各世帯にあった情報が送信されてくる可能性があります。
以上はほんの一部の側面ですが、21世紀初頭には全ての地上波放送がデジタルに移行するようで、そこには単なる画質の向上以上のメリットがあります。ただ一つ気掛かりなのはTV放送に限って言えばあまりにもチャンネル数が多すぎて困るということがあります。選択肢が多くなりすぎると人間は選択することをやめる傾向があるようですが、これは将来のデジタルテレビ放送の課題といえましょう。
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