でも実物はビビるよ!(97/10/20)


Diana  インターネットの普及によって既存のメディアからは葬り去られた情報(映像)が取得可能となりました。例えば神戸の少年連続殺人事件の犯人の映像はおろか実名までがネット上では公開された(らしい。私は確認していないが)。フォーカスや週間新潮に関する議論がいかに建前論的であったかがよくわかります。この左のいささかショッキングな映像もやはりネット上で流れた故ダイアナ妃の事故直後の映像です。今後のメディアの在り方って以前とは質的に全く異なる次元の話になってますね。で、こういったヴァーチャルな世界での映像は食傷気味になったとしても、現実に目のあたりにすると結構ビビりますよ。
 話は変わって私が昔、都内のマンションに住んでいた頃、両親と食事に行くことになり、そのマンションの二階の廊下を歩いていた。廊下の柵の向こう側は一階のスーパーの屋根なのだが、雨が降りしきる中そこにマネキンがうつぶせに横たわっていた(かに見えた)。近づいてよくみるとそれは人間(女性)で、しかもピクリとも動かないその様子は直観的に「これは死体だ!」ということをわからせた。頭はパニック状態である。まず状況が状況だけにこれは殺人事件かもしれない、ということは刃物をもった犯人が近くにいるかもしれない、と思うと怖かった。とにかく通報しなければ、と我々はオロオロしたが、休日で管理人はいないし、すぐ近くに電話もない。しょうがなく、その死体の転がっているすぐ前に住んでいる人に知らせることにした。呼び鈴を鳴らすと30才前後の男性が出てきた。
私:「あの〜すいません、そこで人が死んでるんですけど…」(すごいセリフ!)
住人:「ウェ!気持ちわりィ!ど、ど、ど、どうすればいいんですか…?」むこうも混乱していた。
私:「とりあえず警察に連絡して頂けますか」
しかし我々は、他の親戚と待ち合わせをしていたので、その人が電話をかけてる途中、
私:「すいません、我々急いでますんで後はお願いします。」(ひで〜、第一発見者のくせに!)
といって現場を後にした。後日これは水商売の女性の飛び降り自殺で、我々が発見した直前に飛び降りた、ということがわかったが、やはりああいう現場に遭遇した日はずっと気分が悪かったし、ご飯もおいしくなかった。せめてもの救いは死体がうつぶせだったことだ。仰向けで顔を見ちゃったら食事どころじゃなかったかも。しかしあの通報した(させられた?)男性はもっと気分が悪かったでしょう。もしかしたら引っ越ししちゃったかもしれない。
 ま、何が言いたいかというと仮想現実と現実は全く違うよ、ということです。死体について考えたことについてはまた次号、記したいと思います。
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