奥能登の漁港は小さくて、
どんな魚が揚がるのか、揚がらないのか、
毎日ハラハラ、ドキドキ。
食材も、季節とともに刻々と変わり、
天候によってもコロコロ左右されます。
そしてたいていは、朝の魚屋で献立が決まります。

一夜干しの干物は、保存食でなく生き物
夕方吊して朝食の頃、表面がセロファンのように
パリッと一枚膜が張ると潮風のいい匂いがして、
網にくっつかずにきれいに焼ける。
囲炉裏にたっぷり炭をおこして、真っ赤になったら
そおっとうっすら灰をかける。
火力が落ち始めたら、炭の底に火箸を差し込んで
空気を送り、灰を落として火力を上げる。
それにしても・・・・
頭が下がるほどきれいな下仕事をする老夫婦。
出来そうで出来ない、あたりまえの仕事・・・。
あと何年作ってもらえるのだろうか。

お風呂から見える竹林です。
小さい頃、山の奥にあった竹林にあこがれて、
家の裏に竹林を作りました。
毎年、籾殻、堆肥を敷きつめ、
うっすらと赤土を撒きます。
土の中で竹の子が大きくなっていくと、
表面にひび割れが出来はじめます。
発酵熱のせいか、まだ雪の残っているうち
から
真っ白なタケノコが採れはじめました。
そして、寒いあいだのタケノコは、
味付けを間違えたかと思うほど甘いのです。

おいしいタケノコを作るまでに、二十年あまり
かかってしまいました。