平成14年度受験体験記



平成14年度に受験された方の体験記です。

 Wさん

 受験1年目でア,イ,ウともに合格できました.

 うちの県では,専技さんが年に2回ほど研修会を開催してくださいます.昨年1月に第1回目が開催され自分も参加したのですが,かなり難しい試験ということを自覚させられました.

 4月頃より専門項目(土地利用型)の勉強を始めました.大学で使っていた専門書を引っ張り出して読み直す傍ら,過去10年間の専門用語について200字前後で解答を作り始めました.研修で指示があったとおり単なる箇条書きの説明にとどまるのではなく,長所や短所含めて詳しく書いたつもりです.また土地利用型で課題となっている項目(省力化,高品質化,食の安全性)について,どの作物を選択してどのようなテーマで論述するかを事前にまとめました.土地利用型の場合,毎年度決まって出される質問が一部にある(今年度でいうと「あなたの県における生産技術の特徴と普及状況を記しなさい」といった部分)ので,この部分については事前に解答をつくっておくといいと思います.

 課題ウ(普及方法)については研修で紹介された普及事業に関する本を読む傍ら,インターネット上で「これからの普及事業のありかた」などと題したサイトを探して読みました.しかし,普及方法に関しては全体に準備不足だったかなと思います.

 今年度の課題ウの2は多面的機能に関するもので,私の好きなテーマでした.農家民泊などが好きで日頃からあちこちに出かけています.九州内の各地のグリーンツーリズムや村おこしの取り組みを人に着目して紹介している「九州のムラ」という雑誌があるのですが,こういった雑誌を趣味で読んでいたのが役に立ったのかもしれません.非常に幸運だったなという気がしてます.

 一次試験前最後の休日に原稿用紙に実際に筆記するトレーニングをしました.きれいな字で書こうと思うとどうしても一枚あたり25分から30分かかるようです.原稿用紙4枚書くとするとそれだけで2時間かかります.ですから,試験時に下書きとして渡されるわら半紙にじっくり構想を記述しておくことがポイントのようです.試験開始後15分くらいすると前後左右の人が原稿用紙に筆記する音が聞こえてくるので焦ってきますが,ここが踏ん張りどころという感じです.

 白樺君(その1)

体験談:病害虫の専技試験受験

 私は平成14年度に専技試験(病害虫)を受験し、合格しました。
今後専技試験受験を考えている方々にとって、この体験談が参考になれば幸いです。

1.専技試験を受けようと思ったわけ
 私が県職員として採用されたとき、当時の専技の一人は「専技試験は若いうちに受験した方がいい。年を取ってからだと私のように苦労する。」と、何度も話していました。
 苦労するのは嫌だと思い、受験資格(経験年数10年以上)が整い次第、受験しようと思っていました。

2.受験申し込みまで
 私は民間企業で3年半勤務した経験があり、県職員になって9年しか経過していません。「まだ受験資格がないから大丈夫」と呑気に構えていたら、病害虫の専技が「今は民間企業経験も、農業関係の業務なら経験年数としてカウントしてくれるので、今年受験しなさい」と勧めてくれて、慌てて14年度に受験を申し込みました。
 なお、育児休業など休業を取得した場合は、その間経験年数から削除されます。
 休業経験のある人は注意が必要です。

3.勉強方法
 @ アについて
 病害虫では、アの問題は20問全て語句説明という傾向が続いています。
このホ−ムペ−ジから過去問を全て拾い出し、200字程度の回答を用意しました。
 回答はまず、定義、単位、関係法令等の基本部分を正確に記入し、次に実例や近年の動向といった応用部分を記入して作成しました。
 過去問を完璧に回答できれば、合格レベルに達すると思います。
 さらに時間的余裕のある人は、予想問題と回答を用意すると良いでしょう。
例えば「特定農薬」などは、農薬取締法改正に伴って新しく出来たので、今後出題されるかも知れません。
 因みに私は約200語について回答を用意し、受験当日は試験直前まで回答に目を通していました。
 
A イについて
 病害虫では、イの出題傾向は毎年似ています。そこで13年度問題の回答を書き、病害虫の専技に指導して頂きました。
 また、私の知人が13年度に病害虫で合格していましたので、知人のアドバイスも積極的に頂きました。
 知人は嫌な顔1つ出ず、親身にアドバイスして下さいました。大変感謝しています。
 何度か書き直しの末、8月上旬にやっと回答が出来上がりました。その後は試験時間である2時間半の範囲内で、何も見ずに書けるよう、何度か実際に書いて練習しました。
 受験当日、14年度の問題は13年度とほぼ同様だったので、暗記しておいた回答をひたすら書きました。

Bウについて
 ウは、「毎年の問題」と、「アドリブ問題」の2題出題という傾向が続いています。

   「毎年の問題」
 ここでは専技の実績を書きます。
 どうしても自分の実績を書き連ねがちですが、専技が関わることでどのように課題解決が出来たかという部分が明確でないと、高い評価が得られないように思います。
「毎年の問題」は毎年同様の出題なので、前もって回答を用意することが可能です。
 私の場合、病害虫や普及指導の専技はもちろん、家族にも添削してもらいました。
 何度か書き直しの末、8月中旬に回答を用意できました。
 その後は、1時間10分以内で何も見ずに回答できるよう、書いて練習しました。

「アドリブ問題」
これは、専技試験で唯一、問題を見てから回答を考える問題といえます。
 説得力のある文章を書く用意として、農業関係書はもちろん、ビジネス関係で経営者が執筆した本等を図書館から借りて、これはと思う文章をノ−トにメモしました。
 また、ホ−ムペ−ジにあるイチゴの母様のアドバイスを参考に、「専技の役割」を自分の言葉で書く用意をしておきました。
 
4.最後に
 このホ−ムペ−ジを大いに活用させていただき、合格を勝ち取りましょう。

 白樺君(その2)

14年度共通課題 ウ−2 の考え方

問題 農業・農村の多面的機能を生かす普及課題の推進における専門技術員の役割について述べなさい。

キ−ワ−ド:1.多面的機能   2.普及課題    3.専技の役割

文の組立方
・2の普及課題については、普及経験3年のみの私にとっては馴染みが薄く、2を考える と時間内に答案がまとまらないことは明らか。そこで減点覚悟で2をカットし、1と3 のみに絞りました。
・多面的機能と専技の役割は、そのままでは水と油のようでなじみません。
・乳化剤(卵)として、「農業が地域社会に支持される」を入れました。
・すると、多面的機能→農業が地域社会に支持される→専技の役割となります。
・こうすると、農業が地域社会に支持されるには、専技としてどのようにするべきかとな り、答案が書きやすくなります。
・あとは、専技の役割を思いつくだけ書きます。
・最後に自分の仕事の紹介を少し入れ、「専技になったらこうしたい」で終了。

回答文の一部(このような内容について記入)
 農業・農村の多面的機能を発揮するためには、農業が持続的に発展することが必要であり、それには農業が地域社会に支持されることが大切である。
 農業が地域社会に支持されるためにはどのようにしたら良いかということを念頭に置き、専技の役割を述べたい。
   普及員の指導
   課題解決研究
   農業者の指導
   他機関との連携 その他について、群馬県の実例や自分の体験を踏まえて回答。
私は農薬取締指導を担当している。無登録農薬問題で、休日も返上で対応に追われている。・・・(略)・・・。このままでは農業の多面的機能の発揮どころか、「日本の農産物は危ない」と、地域から敬遠されかねない。
 今後、自分が専技になった場合には、農業が持続的に発展し、農業の多面的機能が十分発揮できるよう、専技活動を展開したい。
 
時間配分等
・配布された用紙には、2枚と1/3程度記入しました。なお、ウ−1では3枚と数行記入しました。
・1の問題に1時間5分使い、残りの1時間25分を2に振り向けました。

 白樺君(その3)

平成14年度専技2次試験概要 (H14年1月)

 専技試験の面接試験は以下の通りでした。

面接室の様子 
・病害虫の面接では、面接官は2名であり、交互で受検者に質問をしました。

質問の内容(記憶している範囲のみ)
@名前と所属名 
A最近の仕事は□□と△△のようですが、それについて説明して下さい
B業務報告を見ると、病害虫と関係がある業務が少ないようですが、何で病害虫を受験しようと思ったのですか。
C農家と直接会う機会はあまりないと思いますが、現場では、病害虫に対してどんなことが問題になっていると思いますか。
D大学では病害虫は専攻しなかったのですか。
Eマルハナバチは天敵ではありませんが・・・(実績報告にマルハナバチの記述があったので)。
F専技試験の筆記試験はいかがでしたか。
G○○県の病害虫の専技はどんな人ですか。
H○○県の専技は県庁内で勤務していますか。

その他
・所要時間は約13分でした。私の前の時点で3分ほど予定を超過していたので短めでした。
・試験管の質問は、まず実績報告を元に個別質問を用意しておき、次に時間調整用の共通質問をするような印象を受けました。私の場合、F以降は共通質問ではないかと思います。

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