映画横丁15丁目

「ノンストップガール」

前回はフツーの人々の物語。でもやっぱ映画なんだからさあ、フツーじゃつまんないよね〜、とも思う。はは♪なので、今回はちょっとイカレた奴らのお話「ノンストップガール」。

奇しくも14丁目と同じ名前の主人公ジョーは、ミセスになって2年足らずのかわいー女のコ。ニューヨークの隅っこの、ライブハウスってゆーか、ステージのあるパブってゆーか、生でロックが聴ける店のオーナー。ハスキーな声の弟は、レズビアンのカップル(彼女たちのコスチューム、うきょ!)と3人暮らし。あやしー△関係。
ジョーの夫はカール。報道写真を撮りたいのに、料理写真担当の今の仕事にちょいと凹んでるらしい。と、彼が突然いなくなる。置き手紙とデイジーの花を残して。どっひゃ〜あ!
離婚率の高いアメリカの、それも大都市ニューヨークあたりじゃ、ありふれたコトかも。でもジョーにはアリエナ〜イ、あるはずのない事件。なんせ結婚は神聖で永遠と信じてて、薬指の指輪はタトゥー(レナとジュリアじゃなくて)。結婚に対する気合いが違う。なもんで茫然自失。自分が何やってるかわかんない!

あ〜、そうそう、私もそーだった。誕生日をお祝いしたばかりの友達が入院しちゃって、ちょっとずつちょっとずつよくなったかと思ったら、ぐわんと悪くなり、それを繰り返してるうちにどんどんひどくなって…あ〜、あんときはぐちゃぐちゃだったなあ。楽しみにしてた約束をキャンセルしたり、かと思うと、衝動的に行きずりみたく誘ったり。「Sue、ヘンだよ?なんかあったの?」と聞かれるほど。(てかさあ、こんなときの例えくらい浮いた話できないの?ま、いーや。)

ほんとあんときは何やってんだろ〜って感じ。だけど、通りすがりのでっかいイヌに絡みついたりはしなかったよ、ジョー。おいおい、だいじょうぶ?
フツーにしてなきゃと思えば思うほど、行動はギクシャク。そーだ、カールのバースデーパーティー、やんなきゃ!で、みんなを集める。「カールいないのに誕生日パーティーやんの?さすがジョー!」ん?そのリアクション、違うくない?
パーティーを開いたものの、いたたまれなくて部屋を抜け出すジョー、そこで車上荒らしを発見。「それ、友達のクルマぁ」「ん〜、俺さあ、行き詰まっちゃってさあ、オフクロんとこ帰りたいんだよね。バス代だけありゃいいんだ」ジョー、ここでしばし考える。こんなん嘘に決まってる。でも信じてみたい気もする。そう、悪いことばっか考えちゃいけない。ポジティヴに生きよう!気前よくバス代を渡し、ジョーは旅立つ、カールを探しに。
一枚の絵葉書以外はカンだけが頼り。当てずっぽうにもほどがあるロングドライブ。見渡す限りの砂漠、テキサス州をぐねぐねクニャクニャ、どこをどう行けば見つかるのか?しかし、ローカル新聞にカールの料理写真、ついに発見!

で、トーゼン会いに行くでしょ。ところがジョーは行かない。え?なんで?
見張る。つける。それじゃフーフちゃうやん、ストーカーじゃん!でも彼女に言わせると「見守っている」らしい???
そして、影ながら献身的に超大活躍。なぜか浮気相手の地元美女と友達になる。勘違いしてカールを狙う、凶暴なトラック野郎を撃退。さらに、カールの上司に掛け合って、彼の写真家としての実力を認めさせようとする。上司をケチョンケチョンにけなしちゃったけどね。らら。さらに、カールを守るために、ネイティブアメリカンのおじいさんからまじないを習う。効くのかなあ。疑問。でもテキサスのどでかい空とだだっ広い砂漠、ここなら魔法も使える?
おっかけジョーを追いかけて弟もやってくる。(ちゃっかり美女といー感じに。)ジョーに言い寄るキモイ男も出てくる。そりゃそーだよ、ジョーを演じるへザー・グリハムめっちゃかわいーもん。こんなコほっぽって出ていくカールもクレイジー。
ばったりトイレで(!?)再会したとき、カールは言う。「僕の不運はすべて君のせいなんだ」なんですとぉ〜!?ジョー目が点。〈カールはパカだ〉うん、私もそう思う。〈大パカ野郎だ〉そーだ、そーだ!〈こんなヤツに何を言ってもムダだ〉そーだよ、ジョー、目がさめた?〈魔法を強化しなきゃ!〉え?え?何言ってんの?そんなヤツ、とっとと縁切りなよぉ。
砂漠の太陽にすっかりイカレちゃったのか、ジョーのヤパイ行動は常軌を逸し、とうとう警官に連行され精神病院に強制入院。どうなっちゃうのぉ?こんな悲惨なまま終わっていいの?いや、それじゃあ、あまりにジョーがかわいそう。大馬鹿カールは戻ってくるのか?それとも永遠の結婚はやっぱ幻想?

出てくる人どいつもこいつもマトモじゃない。こんなでいーのかと思いつつ、そっかあ、こんなラストかあ、と納得。幸せいっぱいウェディングドレスのシーンから始まる「ノンストップガール」の行き着く先は?見てね。


戻る

Last update: 2004/01/18