映画横丁8丁目

「ファイトクラブ」

 おもしろい映画ってどんなの?アクション映画はめっちゃ気持ちいいし、サスペンスはドキドキハラハラ、胸キュンの青春映画、楽しいコメディ、社会派、SF、気分次第でどれでもよりどりみどり。だけど一番おもしろいのは、カテゴリーに当てはまらない映画。ミステリーなら必ず殺人が起きる。恋愛映画なら男と女は必ず恋に落ちる。でも、この映画はなんなんだ〜!そんなんあり〜?っていう映画こそおもしろい。善悪を超えて、色恋を超えて、物理的な世界を超えて、変だけど目が離せないーっ!(ここで注意。変ていうのは難解とは違う。わからない映画はおもしろくないでしょ?)
 噂の「ファイトクラブ」。大人気のブラピが出てるって、いいような、悪いような…役者の知名度ばかりが先走る。Sueも映画館では観てないんだ。ブラピがかっこいいだけの映画かなあ、なんて思って。まあ、それも当たってるといえば当たってるけど。
 主人公はエドワード・ノートン。世界を股にかけるエグゼクティブビジネスマンだけど、不眠症。で、病院に相談に行く。「眠れないんです。薬を下さい。」ところが医者は相手にしない。自然の眠りが一番なんて、そんなこと聞くために病院に来たんじゃない。その病院で見つけた張り紙。睾丸ガン友の会。ん?悲惨な病気の患者が集まって悲運を嘆く会。なんとなく出かけてみたら(行くか、ふつー?)これにはまる!はまる!(ほら〜、変でしょ?うれしくなる展開。)次々難病友の会に顔を出し、ホントの難病の人と共鳴し、涙を流す。
 ここでこの物語に入れない人はもうダメ(かな?)。ここで喜んだ人、この先もっともっとおもしろくなります。まず主人公と同じ趣味(?)らしき女の登場。格調高い「ハワーズ・エンド」でも、どこかコケティッシュな魅力を輝かせていたヘレナ・ボナム・カーター。なんで嘘患者とわかったかって?だってどの難病の会でも会うんだもん。それにさー、睾丸ガン友の会にまで来てるんだよー、女のクセに。彼女のおかげで、もう気持ち良く泣けない。不可侵協定を結ぼうと提案。次いでブラピの登場。会ったその日に嘘のような災難で彼の家に転がり込む。この出会いがファイトクラブの始まり。ハイソでヤッピーな偽りの暮らしにうんざりしていた主人公は、ブラピの型破りでカリスマ的な魅力に引きつけられ、ガキンコのようにいたずらしまくる。楽しそう、仲間に入れて!と、Sueも思ったけど、みんなもそうみたいで、ブラピ信仰は広がり、どんどん仲間が増えていき、全国に広がる勢い…(あ、あの女のコはちゃっかりブラピの女に。でも、あとは野郎ばっか。女コドモは入れてくれない、ストイックな軍隊みたくなってる。)
 だけど、ブラピのジョークは加速度を増し、どでかくなって、もう笑える範囲を超えてきた。なんとかしなきゃ。彼はブラピに立ち向かえるのか?そして意外な真実が…。え?え?え?それじゃあ、この先どうなるの〜っ???
 ところで、これ観た男性のほとんどは強いブラピの魅力にまいって、かっこいーっ!て言ってたけど、多くの女性は(不思議なことに)ブラピよりも、気弱なエドワード・ノートンに好感を持つみたい(アメリカ女性はわかんないけど)。ブラピになれなくてもぜんぜんOK、という映画?違うか。とても一言では言えません。観なきゃ!


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Last update: 2001/06/02