「移住労働者と共に生きるネットワーク・九州」として福岡入管局長に提出した質問事項 

質問項目
福岡入国管理局長殿

       
  2006年12月6日
移住労働者と共に生きるネットワーク・九州   
連絡先 福岡市博多区美野島2-5-31 美野島司牧センター内
(092-431-1419 Fax 092-431-5709)
共同代表     岩本光弘(北九州市・外国人と共に歩む会)
         コース・マルセル(福岡市・美野島司牧センター)
         塚田ともみ(鹿児島市・ATLAS)
         中島真一郎(熊本市・コムスタカ- 外国人と共に生きる会)

 移住労働者と連帯するネットワーク九州と福岡入管との9回目の意見交換会の実現に、ご協力いただき有難うございます。2007年2月5日(月)午後1時より予定されている意見交換会において、回答していただきたい項目を事前に質問項目として提出しておきます。(以下の質問には、特に指定がない限り福岡入国管理局管内の2005年及び2006年中の数をお答え下さい。)

入管行政への質問項目

T 2004年5月に国会で成立した改定入管法の運用状況について、

1、 改定により新設された出国命令制度により、出国した外国人は、何人いますか、
昨年の回答 2005年1―10月 59人 全員 出国しています)

2、 在留資格の取消制度が新設されましたが、在留資格取消がなされた外国人は、何人いますか、(昨年の回答 在留資格の取り消し 1名   内容 偽装結婚
  
3、  新しい難民認定制度の施行以降、新たな難民認定申請件数、及び難民認定件数は、何件ありましたか。(回答  現在、福岡入国管理局管内においては、難民認定申請はありません

U 2006年5月に国会で成立した改定入管法の運用状況について、

 1、上陸審査時における外国人の指紋など個人識別情報の提供は、いつから施行されますか、又、そこで収集された個人識別情報は、どのぐらいの期間保管されますか、

2、外国人テロリスト等(「公衆等脅迫目的の犯罪行為」その「予備行為」もしくは「その実行を容易にする行為」を行う恐れがあると認めるに足りる相当の理由ある者として法務大臣が認定する者又は国連安全保障理事会などの国際約束により本邦への入国を防止すべきものとされている者)を退去強制の対象とすることとなりました。この規定による該当者は、2006年6月13日以降、何人いましたか、また該当する者であるという判断は、どのような手続きでおこなわれますか、

3、退去強制について本国送還の原則が緩和され、本国以外の受入国にも退去強制ができるようになりましたが、本国以外の受入国に退去強制がおこなえるためには、本人の意思、受入国の同意以外になにか他の要件がありますか、

V、 定住者告示の変更について、

1、 2005年9月より、一部改定された定住者告示は、元中国残留日本人の養子や婚姻前の子について、「6歳に達する前に同居していた」場合には、一律に定住者の在留資格を付与することになりました。2005年、2006年中に、元中国残留日本人の養子や婚姻前の子について「6歳に達する前に同居していた」要件に該当するとして定住者の在留資格が付与された者は、何人いましたか。

2、2006年3月29日 定住者告示が一部改定され、日系人及びその家族が「定住者」の在留資格を取得する要件に「素行が善良であること」が追加され、同年4月29日から施行されています。出身国の警察などによる「無犯罪証明書」、「犯罪歴証明書」の提出が義務付けられるようになりましたが、「日本での滞在中に犯罪歴がなかった」ことを証明するには、どうすればよいのですか、また、2006年中に、「素行が善良」と認められず、「定住者」の在留資格をえられず入国できなかった者、及び「定住者」の在留資格が更新できなかった者は、それぞれ何人いましたか。

W、在留特別許可のガイドライン
2006年10月に法務省のホームページにおいて、在留特別許可のガイドラインを公表しました。以下、このガイドラインに関する質問です。

1、このガイドラインによると、「日本人と特別永住者の配偶者」の在留特別許可が「積極要素」として明文化されていますが、「一般永住者・定住者の配偶者」の場合には、「日本人と特別永住者の配偶者」に準じた扱いとなるのですか、それとも「日本人と特別永住者の配偶者」と比べて、不利な扱いになるのですか、

2、 これまで、「日本人と特別永住者の配偶者」及び「一般永住者・定住者の配偶者」とも、在留特別許可については地方入管で専決事項として扱われてきたと思われますが、
 このガイドライン公表により、その取扱いに変化がありますか、また、どのような在留資格の人の配偶者(法律上の真正な婚姻関係)の場合が、地方入管での専決事項として、実務上扱われるのですか、その根拠となる通達などがあれば教えてください。

3 このガイドラインでは、「本邦への定着性が認められ,かつ,国籍国との関係が希薄になり,国籍国において生活することが極めて困難である場合」が「積極要素」として明記されていますが、福岡入管の近年の在留特別許可の事例の中で、この場合に該当する事例は、何件ありましたか、

X、 裁決の見直しについて、

1、 在留特別許可を認めない裁決を行い、退去強制令書が発付された事例のなかで、裁判で敗訴した場合以外に、裁決の見直しはどのような場合に認められますか。
裁判で国(法務大臣・入国管理局長)が敗訴して、その処分を取り消し、当該外国人に在留特別許可を与えた事例(例えば、2005年3月7日の福岡高裁判決を受け入れ、上告断念して、中国籍の7名に定住者の在留資格を認めた事例)を除いて、裁決が見直されて在留特別許可が与えられた事例が、福岡入管の2005年と2006年の事例で何件ありましたか。

Y  E-メールによる通報制度

法務省は2004年2月よりE-メールによる通報制度をおこなっていますが、このE-メール通報制度により、通報の対象者が福岡入管内在住の場合に連絡を受けて摘発をしたケースが何件ありましたか。 (昨年の回答  2005年1月―10月 2件 18人を摘発しました

Z  人身売買の被害者の保護について

 人身取引(トラフイッキング)の外国籍の被害者が入管難民認定法違反者で退去強制対象者の場合にも、在留特別許可を付与し、被害者保護として特別な配慮するとしています。福岡入国管理局は、人身売買の被害者の保護として、 入管難民認定法の運用においてどのような配慮がおこなわれてきたかを知りたく以下の質問をします。

1、過去2年間(2005年 2006年)の「興行」の在留資格者の退去強制者数を教えてください。(昨年の回答  過去2年間に[興行]の在留資格で退去強制された人数は、 2003年12名、2004年 183名)

2、 過去5年間(2002年〜2006年)の「興行」の在留資格者での入国者数を教えてください。また、そのうちの性別、国籍別(上位3カ国)の入国者数を教えてください。

3、過去2年間(2005年 2006年)で、人身売買被害者として保護された外国人は、全国及び福岡入管内で、それぞれ何人いましたか、(昨年の回答  2005年1月−6月の上半期で、全国で人身取引被害者として保護された外国人は36人

4、2006年3月13日に政府の「人身取引対策行動計画」に従って基準省令を見直し、「興行」の在留資格で上陸しようとする外国人の受け入れ機関の要件を厳格化しました。
  同年6月1日から施行されていますが、人身取引関与者として外国人芸能人と興行に係る契約を締結する機関(契約機関)から排除された者は、2006年中に何人いましたか。

5、 「興行」の在留資格の要件の厳格化に伴い、近年、日本人との「偽装結婚」が増加しているといわれています。過去3年間(2004年〜2006年)に「偽装結婚」を理由に摘発された件数を明らかにしてください。

[ 統計数値に関する質問

件数または人数は、特に指定のない限り2005年及び2006年について、それぞれお答え下さい。 (ゴチックは、昨年の福岡入管からの回答です。)

1.福岡入管の管内での在留特別許可の運用の現状について

@ 在留特別許可が認められた件数 
昨年の回答 2004年  350件 2005年1月―10月   約250件

A 福岡入管で収容中に60日以内で在留特別許可が認められた件数、
昨年の回答 2004年 2件  2005年1−10月 1件 )

B 1年以上の懲役または禁固刑の有罪判決(執行猶予付き判決も含む)を受けるなど上陸拒否事由者に該当するケースで、 退去強制されずに在留特別許可が認められた件数、 
昨年の回答 2003年 11人 2004年1-10件 10人

2.福岡入管内での上陸特別許可の運用の現状について

@ 上陸特別許可の件数を明らかにしてください。(昨年の回答 2004年 46件 2005年1月―10月 70件

A 退去強制された外国人で上陸特別許可が認められた者のうち事前審査した在留資格認定申請者のうち入管法第5条該当者数を明らかにして下さい。( 昨年の回答 入管法第5条該当者で上陸許可された数 2004年 4件、2005年1月―10月  2件 )

3.福岡入管内上陸拒否者

@ 福岡入管管内の空港や港で、来日しながらも上陸拒否された外国人は、何人かを教えて下さい。(昨年の回答  2004年 549人  2004年1−10月 約400人

4.福岡入管の退去強制処分について

@ 福岡入国管理局管内で退去強制された者の総数及び内訳などについてお尋ねします。
昨年の回答 退去強制者の総数 2004年 682人  2005年1月−10月 653人、うち不法残留者  2004年 366人  2005年1月−10月 298人、うち不法入国者  2004年  93人  2005年1月−10月 85人、うち不法上陸者  2004年  3人  2005年1月−10月  4人、うち資格外活動と刑罰法例違反者、2004年 220人  2005年1月−10月 266人

A 入管法違反の受理件数のうち本人の自主申告者数は、何人ですか。
昨年の回答  2004年 86人 2005年1月−10月 80人

B 退去強制者のうち福岡入管より警察・検察に告発した人数と、告発理由別内訳数
昨年の回答 2004年1人 (不法入国の疑い) 2005年1月−10月0人 

5、福岡入管内の収容施設

@ 福岡入国管理局の収容定員の平均収容期間、最長収容期間について教えてください。(昨年の回答 福岡入国管理局の収容定員3人、2004年の平均収容期間 3.3日、 最長収容期間 52日、2005年1−10月の平均収容期間 3.4日 最長収容期間 29日

A 福岡入管の収容施設内での、被収容者の自殺未遂(自傷行為)を引き起した件数は、どのぐらいありましたか、(昨年の回答 2004年 該当者なし  2005年1月―10月 該当者なし )

6、福岡入管の職員体制について

@ 2006年度福岡入管職員の総定員、警備部門、在留審査部門、審判部門の大まかな定員数を教えてください。また、2006年度は前年度に比べてどの分野にどのぐらい増員がなされましたか。(昨年の回答 2005年11月1日現在 福岡入管職員の総定員208人、うち福岡本局 57人 その内訳 警備部門31人、在留審査部と審判部門13人 その他13人 2005年度の人員は、前年度 減員

A 福岡入管職員の一人当たりの月平均残業時間はどれぐらいになっていますか。
昨年の回答 本局では、2004年及び2005年1−10月の一人当たりの月平均残業時間は、30時間

7.研修生及び技能実習生について

@ 九州内の研修生の総数と各県別の数
昨年の回答 2004年12月末現在 九州内外国人研修生  (九州7県内) 2560人 
各県別 福岡県 547人 佐賀県 317人 長崎県 444 人 熊本県  408人  大分県 246人  宮崎県  308人  鹿児島県  290人   沖縄県 不明
 )

A 九州内の研修生及び技能実習生で失踪、逃亡した者の数を教えて下さい。(昨年の回答  2004年  79人  2005年1-10月  59人 )

B 2006年4月1日現在、技能実習生に認められている職種の数は、いくつありますか。(昨年の回答 2005年4月1日 62種 )