移住労働者と共に生きるネットワーク・九州

第8回総会資料

T、 2005年度 活動報告

 移住(労働)者やその家族の生活環境が定住化に変化していますが、彼ら/彼女らの状祝の変化にともなって活動内容は数年来変化してきていて、活動の裾野が広がることも求められています。移住労働者と共に生きるネットワーク・九州(以下、ネットワーク九州)では2005年度も引き続いて様々な活動を行ってきました.

(1)2005年度に行った活動

ア‐事務局会議

 毎月1回の事務局会議を美野島司牧セン夕―で行いました。毎回10人程度の参加者でした.

イ、ニューズレターの発行

2005年度中に3回発行することができました
・22号2005年8月27日 ・23号2005年1119日 ・24号2006年4月8日

ウ、福岡県警HPでの「外国人犯罪」のコーナーの記載が一新され、要望が受け入れられました。

 福岡県警ホームページ上での「外国人犯罪」「来日外国人組織犯罪」の情報提供を求めるE−メール通報制度の廃止を求める申入書(九州内8団体、個人18名)を、2004720日福岡県警本部に対しておこなっていました。2005年6月より、福岡県警のホームページの記載のタイトルが変更されたり、昨年の申し入れの趣旨に一部配慮する記載に変わりました。
 また、2006年4月からは、福岡県警のホームページの内容が一新されました。これまで、情報提供コーナーにあった刑事「外国人犯罪」の表記が無くなり、「国際組織犯罪」と『集団密航関係』にかわっていました。4月14日現在この「国際組織犯罪」をクリックしても「該当する情報はありません」としかかかれていません。また、このコーナーから直接E−メール通報できなくなりました。その上、新しいHPでは、相談・問い合わせのコーナーをクリックすると、HOTLINE(電話による相談)の説明が多言語(英語・中国語・韓国語)化されています。これまでの抗議申し入れなどの内容がほぼ受け入れられた改定になっています。

エ、 大村入国管理センターの施設見学と意見交換会

 2005年10月26日 ネットワーク九州と大村入国管理センターとの2回目の意見交換会が長崎県大村市の大村入国管理センターで行われ、ネットワーク九州から13名が参加しました。

オ、 人身売買問題を考えるセミナー

 2005年12月2日(土)大名町カトリック教会(福岡市)で、アジア財団と共催で人身売買問題のセミナーを開き、40名を超える参加がありました。また、12月3日(日曜日)には、熊本(コムスタカとアジア財団の共催 約20名参加)と鹿児島(アトラスとアジア財団の共催 約30名参加)と九州ない3箇所で人身売買問題のセミナーが開かれました。

カ、福岡入管との意見交換会

福岡入国管理局と8回目の意見交換会を、2005年l213日に実施しました。過去2年間の総務課の調整官1人という出席から、3年ぶりに福岡入管から在留審査部門、警備部門、審判部門の統括審査官各1名の実務担当者3名が出席し、総務課の調整官1名の計4名が出席しました。また、ネットワーク九州から、宮崎、熊本、福岡、北九州より10名が参加しました。また、事前に提出した質問書への回答部分について、今回から録音が認められました。

キ、全国ネットワークとの連携活動

・全国運営会議に年4回参加しました。2005年6月18日−19日京都市で、第5回全国ワークショップイン京都が開かれ、ネットワーク九州関係者も参加しました。
・2005年10月24日―25日の全国ネットワークなど 中央省庁交渉にネットワーク九州関係者からも参加しました。

ケ、九州内の関連分野の他団体との連携について

 2006年2月18日、福岡市内で開かれた全外教(全国外国人教育研究会・福岡)の福岡県多文化共生教育研究集会にネットワーク九州関係者が参加しました。

コ、政策提言及びその具体化に向けて

@熊本県・熊本市に対して(コムスタカー外国人と共に生きる会などの取り組み)2005年度 熊本県

(1)熊本県警は、20048月から英語と中国語の導入を決定し、実施していましたが、13ヵ月後の2005年8月末現在の受験者数(延べ人数)が英語665人、中国語509人に達していることがわかりました。

(2)、コムスタカー外国人と共に生きる会は熊本県からの委託をうけて、DV被害者保護事業として、8ヶ国語(英語・フイリピノ語・スペイン語・ポルトガル語・タイ語・ロシア語・中国語・韓国語)の多言語DV防止リーフレットやDV防止対応マニュアルを作成し、2005年3月下旬に提出しました。DV対応マニュアルは、2005年8月より熊本県内の関係機関100箇所に配布され活用されています。また、DVリーフレットは、熊本県が7万2千部印刷し、2006年1月より配布が始まりました。

A福岡市 北九州市 福岡県に対して(ネットワーク九州・福岡ブロックの取り組み)

(1)、福岡県内の参加団体で構成するネットワーク九州・福岡ブロックは、03年、04年に続き福岡県に対する政策提言第3弾として、自動車運転免許試験の多言語化を求める署名活動を行い、県内の外国籍住民318名、日本人151名分の署名と福岡県警本部宛の要望書を051018日、県国際交流課に提出し、昨年から導入された英語に続いて他の言語での試験も早期に実施するよう強く要請しました。これに対して同年119日付文書で「ご要望については貴重な意見として今後の免許行政の参考にする」との趣旨の回答がありました。

サ、移住労働者と共に生きるネットワーク九州 ホームページが設定されました。

昨年度の総会で設置を決定した「移住労働者と共に生きるネットワーク・九州 」のホームページが2005224日に開設されました。   そして、2006年1月より 新しいURL http://www.asahi-net.or.jp/~na5r-wkmt/  へ移行しました。


U、2006年度の活動方針 

(1) 2006年度の活動目標

ア、事務局会議 原則として毎月1回の事務局会議を行い、ネットワーク九州の活動を検討していきます'

イ、総会の開催 

 1回の総会を行います。2006年度の総会から、活動報告や活動方針案の検討や決算や予算の検討などについては2006年5月17日(水曜日)午後7時から、外国籍住民を主体とした集いは、2006年5月28日(日曜日)午後1時から午後5時まで美野島司牧センターで分けて実施する方式に変更しました。

ウ、ニューズレターの発行 年間3回程度の発行を目標とします。

エ、移住労働者と連帯する全国ネットワークとの連携活動

 運営委員の派遣、全国フォーラム(2006年6月24日−25日 札幌市)への参加や中央省庁交渉など今後も続けていきます。

オ、大村入国管理センターに収容されている長期収容者の人権問題


 3回目の大村入国管理センターとの意見交換会を今秋におこなうことにします。

カ、福岡入国管理局との意見交換会

 1998年度よりこれまで過去8回行われてきましたが、昨年から2年ぶりに復活した引き続き実務担当者の出席による定期的な意見交換会を行うことにします。

キ、 2006年12月頃  学習会あるいは講演会等を企画します。

ク、ネットワーク九州のホームページを充実します。

ケ、 政策提言の具体化へむけた行政への働きかけへ

 2002−2003年度は、九州内の地方自治体(福岡県内と熊本県内の自治体)に対して「外国人住民と共に生きる街づくり」などを目指した政策提言をNGOとして提出し、2004年度−2005年度は、その政策提言の個別的な具体化を実現するため、行政ヘの働きかけを福岡県内と熊本県内で行ってきました。2006年度も引き続き、政策提言の具体化をめざして取り組んでいきます。

コ、  NGOや関係団体との連携を強化します。

 移住労働者問題に取り組むNGOとの関係を強化すると共に、移住労働者とその家族や外国籍住民と接点を持ち活動している関係団体(NGO、労組、教育関係、行政)との協力や連携を深めていきます。

 
移住労働者とその家族の自立や組織化の進展をめざします

 移住労働者とその家族自身の自立や組織化が進展することを目指して活動していきます

2 )今後の検討課題

・ネットワーク九州の財政基盤の強化が必要です。団体会員、個人会員、賛助会員の増加を図り、赤字財政から黒字財政へ
・九州内で連携できていない地域のNGOや個人との交流や連携を目指します。