卵の異常


 鶏卵の異常と原因について調査してみました。


 卵に付着している血液と小さな肉片について

 卵を割ったとき、まれに血液が付着している卵や小さな肉片のようなものが混ざった卵に出会います。
 血液が付着している卵を血斑卵(けっぱんらん)または、血卵(けつらん)と言い、
 小さな肉片のようなものが混ざった卵を肉斑卵(にくはんらん)と言います。

 食品衛生法(平成10年11月改正)では、血斑卵と肉斑卵は食用不適卵とされています。

  文中の用語解説
用語 読み方  解説
血斑 けっぱん  主に卵の黄身に付着しているちょっとした血のこと。[ブラッドスポット]
 卵巣あるいは、卵管の毛細血管が傷つき血液が卵黄または卵白内に付着したものです。
 血斑が付着した卵を血斑卵(けっぱんらん)と言います。
血卵 けつらん  黄身の表面や白身に血液が付着している状態の卵のこと。
 血斑卵(けっぱんらん)のことを単に血卵ともいうが、血斑卵よりも血の量が多い場合には血卵という。
肉斑 にくはん  主に卵の白身に付着している肉片のような小さな塊のこと。[ミートスポット]
 赤色の卵に多い現象で、卵殻色素の粒子が集合したものと言われています。
 肉斑が付着した卵を肉斑卵(にくはんらん)と言います。


 黄身の盛り上がりが少ない卵の原因

 産卵日より日数が経過すると濃厚卵白が水様化して、白身と黄身の盛り上がりも少なくなります。

 濃厚卵白が水様化することにより、カラザおよび卵黄膜の変化と卵黄が水分を吸収して大きくなり、
 卵を割り落としたとき黄身の形が扁平になり破れやすくなります。

 特に夏期の高温の状態に卵を長く放置したり、卵が衝撃を受けた場合も同様になります。

 また親鶏に元気が無い(夏期の夏ばて・冬期の寒さ・老鶏など)状況の場合も卵が新鮮であっても
 黄身の盛り上がりが少ない卵の原因になります。

 ※濃厚卵白の水様化: 卵黄の周りの卵白のこんもりとした盛り上がりが消える現象。


 白身が濁っている卵の原因

 産みたての新鮮な卵の白身には炭酸ガス(二酸化炭素)が多く含まれているため、
 これが主に濃厚卵白の部分に表れる白い濁りの原因になります。

 卵を保存して時間が経過すると炭素ガスは卵の外へ排出され、白身は透明になって行きます。
 したがって、白身が濁った卵は新鮮な証拠であり、食べても問題はないそうです。

 また、産みたての新鮮な卵を茹卵(ゆでたまご)にしたとき、殻がむきにくいという原因は、
 炭酸ガスが加熱よって急激に膨張し、白身が卵の卵殻膜に圧着してしまうためです。

 ※茹卵は、茹で上がったらすぐに冷水につけると殻がむきやすくなるそうです。


 白身が淡い黄緑色の卵の原因

 スーパーなどで購入する卵ではあまり見かけることはありませんが、自家用に採卵した
 卵などでは白身が淡い黄緑色をした卵に出会うこともあります。
 この淡い黄緑色は、リボフラビン(ビタミンB2)という水溶性のビタミンが原因です。

 身近な例としては、栄養ドリンクなどの淡い黄緑色と同じ成分と言われています。

 餌の過剰摂取により起こりやすく、食べても問題はないそうです。