烏骨鶏(うこっけい)の標準


 このページは、国の天然記念物に指定されている「烏骨鶏」の標準について解説しています。

 参考にした書籍は、「カラー版 日本鶏・外国鶏」、「日本鶏審査標準」です。


 カラー版 日本鶏・外国鶏を参考にした抜粋版
天然記念物名称  烏骨鶏(うこっけい)   昭和17年7月21日 国の天然記念物に指定される。
内 種  白色種、黒色種
体 重  雄:1,125g、雌:900g
冠(かん)  ほとんど球状をなし、形状はよく纏まり、その頂きにしわがあり、頭上につく。
 毛冠が冠の後ろに叢生(そうせい)し、美しく一様に後方に倒れる。
 色は白色種が紫黒色(しこくしょく)、黒色種は藍黒色(らんこくしょく)または紫黒色。
嘴(くちばし)  白色種は暗角色(あんかくしょく)、黒色種は黒色または暗角色
眼(め)  黒色
耳朶(じだ)  淡藍色(うすあいいろ)
脛(すね)、趾(ゆび)  暗鉛青色(あんえんせいしょく)
羽色(はいろ)  白色種は純白色、黒色種は純黒色
歴史と特性  江戸時代初期に大唐丸やチャボが渡来した頃、同じように中国から持ち込まれたと 思われるが、原産地は中国とインドの2説あり、定かではない。
 烏骨鶏の名称は、皮膚、肉、骨膜に他の鶏よりメラニン色素が多く含まれ、黒色を 帯びていることからつけられた。
 本種の羽毛は糸毛で、皮膚や肉、骨まで黒く、第五趾は後趾の上にあり、分趾として 六趾、七趾になっているものもある。
 第五趾がないもの、羽毛が絹糸状でないもの、毛冠のないものなどは失格となる。


 日本鶏審査標準を参考にした抜粋版
天然記念物名称  烏骨鶏(うこっけい)   昭和17年7月21日 国の天然記念物に指定される。
内 種  白色種、黒色種
標準体重
1,125g 900g
若雄 900g 若雌 750g
失格条項
(一般失格条項以外、特に本種に適用されるもの。)
 (1)毛冠のないもの。
 (2)第五趾のないもの。
 (3)羽毛の絹糸(けんし)状でないもの。
 (4)烏骨鶏の特徴とする、体色をもっていないもの。
 (5)脛羽(すねばね?)のないもの。
 (6)鷹膝(たかひざ)のあるもの。
 [雄の体型]
冠(かん)  ほとんど球状をなし、形状はよく纏まり、その頂きにしわがあり、頭上につく。
毛冠(もうかん)  冠の後ろに叢生し、美しく一様に後方へ倒れる。
頭(あたま)  短く、丸い。
嘴(くちばし)  短く、強い。
眼(め)  大きく、円く、よく張る。
肉髯(にくぜん)  肉髯種においては長さ中くらいで、半円形をなす。
 肉髯の色は冠の色と同じ。
毛髯(もうぜん)  毛髯種においては、顎(あご)、頬(ほお)の毛髯は豊かで、肉髯を覆い、 眼の下にまで及ぶ。 この場合、肉髯と耳朶は甚だしく短縮する。
耳朶(じだ)  肉髯種においては卵円形。
頸(くび)  短い、頸羽(けいう)は豊かで、よく肩を覆う。
翼(つばさ)  短く、位置やや低く、主翼羽(しゅよくう)及び副翼羽(ふくよくう)はふさ状をなし、 翼尖(よくせん)は鞍羽(あんう)に覆われる。
背(せ)  短く、広い。背の中部より尾に向かって順次高まる。
胸(むね)  広く、丸々として、よく充実する。
腹(はら)  広く、方形をなす。軟羽(なんう)は豊かである。
尾(お)  小さく、すべてふさ状をなす。
脚(あし)、趾(ゆび)  腿(もも)は短い。脛(すね)は短くて、外側に絹糸状の羽毛を充分つける。
 趾は五趾(ごし)で、外趾(がいし)に絹糸状の羽毛をつけ、第五趾は後趾(こうし) の上に位置し、上方に曲がり、その先端が二趾に分かれているものもある。
羽質(うしつ?)  一様に柔らかな絹糸状で、全く羽面(うめん)をなさない。
 [雌の体型]
冠(かん)  冠の形状は雄のものに似ているが甚だ小さい。
毛冠(もうかん)  毛冠は球状をなし、殆ど直立する。
他の部分  雄の各部の形状に同じ。


 上記の本は、「鶏関連の書籍紹介」に載っています。

 ※脛羽(すねばね)の読み方は正しいか分かりません。「けいう」かも知れません。
  似ていますが、「頸羽(けいう)」とは違います。
 ※羽質(うしつ)の読み方は正しいか分かりません。「はしつ/はねしつ」かも知れません。