矮鶏(ちゃぼ)の標準


 このページは、国の天然記念物に指定されている「矮鶏」の標準について解説しています。

 ※「矮鶏」は内種が多いので、一部の内種についてのみ解説しています。
  記載する内種: 白色種、黒色種、赤笹種、碁石種、桂種、糸毛種、逆毛種

 参考にした書籍は、「カラー版 日本鶏・外国鶏」、「日本鶏審査標準」です。


 カラー版 日本鶏・外国鶏を参考にした抜粋版
天然記念物名称  矮鶏(ちゃぼ)         昭和16年8月1日 国の天然記念物に指定される。
内 種
白色種 黒色種 真黒色種 赤笹種 白笹種 黄笹種
金笹種 銀笹種 浅黄種 桂種 碁石種 桜碁石種
三色碁石種 猩々種 淡毛猩々種 加比丹猩々種 金鈴波種 銀鈴波種
源平種 鞍掛源平種 糸毛種 逆毛種 翁種  
体 重  雄:730g、雌:610g
冠(かん)  大きな単冠で、頭上に直立し整然と五歯に分かれる。
 色は特殊なものを除き鮮赤色。
 黒色種が鮮赤色、帯黒赤色、 真黒色種が黒色。
嘴(くちばし)  特殊なものを除き黄色。
 黒色種が黄色、黒色、帯黒黄色、 真黒色種が深黒色。
 浅黄種が黄色、帯黒黄色。
眼(め)  特殊なものを除き赤栗色。
 黒色種が赤栗色、暗赤栗色、 真黒色種が黒色、 銀鈴波種が赤色、赤栗色。
 白色種、赤笹種、白笹種、黄笹種、金笹種、銀笹種、桂種、
 碁石種、桜碁石種、三色碁石種、猩々種、淡毛猩々種、加比丹猩々種、
 金鈴波種、源平種、鞍掛源平種が赤色。
耳朶(じだ)  特殊なものを除き鮮赤色。
 黒色種が鮮赤色、帯黒赤色、 真黒色種が黒色。
脛(すね)、趾(ゆび)  特殊なものを除き黄色。
 黒色種が黄色、黒色、帯黒黄色、 真黒色種が深黒色。
 浅黄種が黄色、帯黒黄色。
羽色(はいろ)  白色種:
  全身純白色。
 黒色種:
  全身光沢ある緑黒色。
 赤笹種:
  下表(共通羽色型の赤笹種)を参照。
 碁石種:
  全身黒色で各羽毛の先端に鮮明な大白点を有し、全身一様に同色調が良い。
  碁石の3内種は、雄も雌と同じ丸羽。
 桂 種:
  頭、頸、背、翼肩、覆翼羽、鞍羽、胸、腹は純白色。
  副翼羽の内羽面は黒色で広い白色の縁があり、外羽面は白色。
  翼をたためば表面に黒色部が現れない。
  主尾羽は黒色。
  雄の謡羽、小謡羽、覆尾羽と雌の主尾羽の最項二対と覆尾羽は黒色で
  鮮明な白色の覆輪を有する。
 糸毛種:羽質で区別された内種なのでこの本には載っていません。
 逆毛種:羽質で区別された内種なのでこの本には載っていません。
歴史と特性  江戸時代から愛玩され日本鶏の中でも内種(羽色)が多く世界中で飼育されている。
 江戸時代初期に渡来したのではないかと考えられ、原産地はベトナムのチャンバだと いわれる。
 昔は一升枡に三羽入るのがよいなどと小型ほど珍重されたが、あまり小さいと、 どうしても奇形になりやすく卵も産まず弱くなるため、今日ではそのようなことは いわれず、体型が整い羽色のよいものが好まれている。


 日本鶏審査標準を参考にした抜粋版
天然記念物名称  矮鶏(ちゃぼ)         昭和16年8月1日 国の天然記念物に指定される。
内 種
白色種 黒色種 真黒色種 赤笹種 白笹種 黄笹種
金笹種 銀笹種 浅黄種 桂種 碁石種 桜碁石種
三色碁石種 猩々種 淡毛猩々種 加比丹猩々種 金鈴波種 銀鈴波種
源平種 鞍掛源平種 糸毛種 逆毛種 翁種  
大冠種 達磨種        
標準体重
730g 610g
若雄 610g 若雌 520g
失格条項
(一般失格条項以外、特に本種に適用されるもの。)
 (1)雄雌ともに標準体重より120g以上重いもの。
 (2)内種によって異なる失格条項は、各内種の項に記載する。
 [雄の体型]
冠(かん)  単冠で大きく、しっかりと頭上に直立し整然たる五歯に分かれる。
頭(あたま)  やや大きく広い。
顔(かお)  円く滑らか。
嘴(くちばし)  強く僅かに湾曲する。
眼(め)  割合大きく、よく張る。
肉髯(にくぜん)  冠に調和した大きさで、円く開き垂下する。
耳朶(じだ)  大きくて円い。皮膚は滑らか。
頸(くび)  やや短く著しく後方に湾曲し、頸羽は豊かで、よく肩を覆う。
翼(つばさ)  大きくて長い。翼尖は著しく下垂して地面に達する。
背(せ)  はなはだ短く広い。鞍羽は豊かである。
胸(むね)  よく充実して丸く前方に突き出る。
腹(はら)  短く深く緊実し、軟羽は豊かで短い。
体(からだ)  極めて短く丸く、よく充実する。
尾(お)  主尾羽は大きくて、よく開張し拡張して直立する。
 謡羽は長くほとんど直立して、冠葉に触れるくらいになり僅かに湾曲する。
 副尾羽は豊かで主尾羽の上に拡がる。
脚(あし)、趾(ゆび)  腿は太さ中くらいで、極めて短い。脛は滑らかで極めて短い。
 趾は小さくて真直で、よく開張する。
 [雌の体型]
   雄特有の冠、鞍羽、尾羽を除き、雄の各部の形状に同じ。
 ただし耳朶は中くらいの大きさ。
 [雄雌の体色(特殊なものを除き)]
冠、顔、肉髯、耳朶  鮮赤色。
 黄色。
 赤栗色。
脚、趾  黄色。
羽色  各内種による羽色は、各内種の項に記載する。


 各内種の標準(一部の内種のみ)
 [白色種]
冠、顔、肉髯、耳朶  鮮赤色。
嘴、脛、趾  黄色。
 赤色。
羽色  全身純白色。
根色  純白色。(初生雛の羽色は白色、または帯黄白色。)
失格  脛が黄色以外。白色以外の羽毛がある。
 [黒色種]
冠、顔、肉髯、耳朶  鮮赤色、または帯黒赤色。
嘴、脛、趾  黄色、または黒色、帯黒黄色。
 赤栗色、または暗赤栗色。
羽色  全身光沢ある緑黒色。
根色  黒色。(初生雛の羽色は黒色。)顔面と腹部は白色、または帯黄白色。
 [赤笹種]
冠、顔、肉髯、耳朶  鮮赤色。
嘴、脛、趾  黄色。
 赤色。
羽色  共通羽色型の赤笹種に同じ。(下表を参照。)
根色  暗石盤色。(初生雛の羽色は褐灰色。頭部、背は白笹種と同じ。)
 白笹種の根色:
  頭部に帯褐黒色の太い条線があり、背に同色の三条線がある。
失格  脛が黄色以外。著しく白色の羽毛がある。
 [碁石種]
冠、顔、肉髯、耳朶  鮮赤色。
冠質  滑らかな絖冠がよい。
嘴、脛、趾  黄色。
 赤色。
羽色  全身黒色で各羽毛の先端に鮮明な大白点を有し、全身一様に同色調が良い。
根色  灰色。(初生雛の羽色は白色、または帯黄白色。頭部に黒点がある。)
失格  丸羽でないもの。
 [桂種]
冠、顔、肉髯、耳朶  鮮赤色。
嘴、脛、趾  黄色。
 赤色。
羽色  頭、頸、背、翼肩、覆翼羽、鞍羽、胸、腹は純白色。
 主翼羽は黒色で下端は白色。
 副翼羽は、内羽面は黒色で広い白色の縁があり、外羽面は白色。
 翼をたためば表面に黒色部が現れない。
 主尾羽は黒色。
 雄の謡羽、小謡羽、覆尾羽と雌の主尾羽の最項二対と覆尾羽は黒色で 鮮明な白色の覆輪を有する。
根色  純白色。(初生雛の羽色は白色、または帯黄白色。)
失格  脛の黄色以外のもの。
 頸、翼肩、覆翼羽に黒色、または黒褐色の入ったもの。
 [糸毛種]
   全身糸状なるもの。
 (羽毛が平滑なる羽面をなさず、羽枝が糸を束ねた如き状態を呈するもの)
失格  糸状以外の羽毛があるもの。
 [逆毛種]
   全身逆毛なるもの。(羽毛が中途より逆に捲くれ上がったもの)
 体型、体色は、普通種の各内種に準ずる。
失格  逆毛以外の羽毛があるもの。


 共通羽色型の赤笹種
 [赤笹種(雄)]
頭部 羽毛  暗赤色。
頸羽  光沢ある赤褐色、下部のものその中央に黒色の縦斑が現われる。
前部  光沢ある緑黒色。
翼前  黒色。
翼肩  光沢ある濃赤色。
覆翼羽  光沢ある緑黒色で翼横帯を現わす。
主翼羽  内羽面は黒色、外羽面は褐色。
副翼羽  外羽面の三角羽面を現わす部分は淡い褐色、他は黒色。
背と肩    光沢ある濃赤色。
鞍羽  光沢ある濃赤色、尾に近い太蓑は黒色で一部のものは濃赤色の覆輪をもつ。
主尾羽  黒色。
謡羽  光沢ある緑黒色。
小謡羽  光沢ある緑黒色。
覆尾羽  光沢ある緑黒色。
   光沢ある黒色。
腹と軟羽    黒色。
   黒色。
根色    石盤色。
 [赤笹種(雌)(梨地型)]
頭部 羽毛  帯褐黄金色。
頸羽  黄金色で各羽の中央に黒色の縦斑が現われる。
前部  濃鮭色、羽軸と羽縁は目立たない。
翼前  濃褐色の地に淡褐色の細点斑が現われ、一様になごやかな金梨地を呈する。
翼肩  翼前に同じ。
覆翼羽  羽軸と羽縁は淡褐色。
主翼羽  内羽面暗石盤褐色、外羽面濃褐色。
 わずかに羽縁に淡褐色の細点斑が現われる。
副翼羽  内羽面は暗石盤褐色、外羽面は濃褐色で淡褐色の細点斑が現われる。
背と肩    翼に同じ。
主尾羽  純黒色。
幌羽  純黒色の地に褐色の細点斑が羽縁に現われる。
覆尾羽  翼に同じ。
   濃鮭色、羽軸と羽縁は目立たない。
腹と軟羽    暗褐色で淡褐色の細点斑が現われる。軟羽は灰褐色。
   灰褐色。
根色    石盤色。
 [赤笹種(雌)(柏型)]
頭部 羽毛  暗褐色。
頸羽  濃褐色。羽の中央に黒色の縦斑あるものもある。
前部  肉桂褐色。
翼前  褐色。
翼肩  褐色。
覆翼羽  褐色。
主翼羽  内羽面は深肉暗褐色、外羽面は暗石盤褐色。
 わずかに羽縁に淡褐色の細点斑が現われる。
副翼羽  内羽面は暗石盤褐色、外羽面は淡褐色の細点斑が現われる。
背と肩    濃褐色の地に濃肉桂褐色の細点斑が現われる。
主尾羽  黒に近い程の深暗褐色。
幌羽  黒に近い程の深暗褐色の地に淡褐色の細点斑が羽縁に現われる。
覆尾羽  淡褐色。
   肉桂褐色。
腹と軟羽    褐色。
   褐色。
根色    石盤色。


 上記の本は、「鶏関連の書籍紹介」に載っています。

 ※「大冠種」と「達磨種」の標準体重は「鶏の種類のページ」に載っています。