第32話 追試の時に




 学生、そして教官にとって、定期試験というのはとても重要なイベントである。
 場合によっては、定期試験を行った後に追試験(再試験)を実施しなければいけなくなる。個人的には、一発勝負で採点を済ませる方が楽だったりするかも知れないのだが(^_^;)やはりそこはそれ、ある種の教育的配慮(!)とやらもあり、点数の不足する学生たちに、再度トライしてもらうようにする。

 ある学校で、定期試験および追試験を行うことにした。語学の試験は、定期試験期間ではなく授業の最後の週に行われる場合もあるが、そこの学校に来ている英語の先生から、「最後の2週間を使って、まず期末試験、翌週はいろいろとお話し合いその他の日程を取るようにしていますの」という話を聞いて、真似てみることにした。なるほど、なにかと都合がいい(謎)

 さて、その追試験の日、教室に入ると、一人の学生がやってきた。

 

「せんせ〜、オレこないだの試験、休んだんだけどお、追試受けてもいいっすかあ?(^_^)」

「・・(^_^;)まあ・・受けてみなさい(^_^;)」

と、苦渋の教育的配慮をにじませた答弁を行う。

「ああ、良かったあ(^_^)」

とその学生は席に戻り、やおら携帯を取り出した。

「ああ、オレ。今から追試受けるからさあ、うん、30分くらいしたら答案出して出て行くから。じゃあ、まだ30分後にね」

(試験のときは、30分は退席できないというルールがある)

 大変にリラックスしていたのが良かったのか、この学生は合格基準を上回り、無事に単位を取得できたのであった(爆)


(2002/03/29)