第9話 試験直前




 ドイツ語など、外国語の授業では、試験は、いわゆる試験期間中ではなく、講義日程の最後の日に行われることが多い。
もちろん、ところによって違うのだろうが(笑)私の周囲では、そういう例が多い。

 試験当日は、当然、普段とは雰囲気が違っている。
 教室に一歩入って驚かされるのは、まず、人数がどっと増えていることである(爆)
 それから、一生懸命、教科書とにらめっこしている学生たちの姿も見られる。中には、

「先生、enden の過去形って、endete でいいんですか?それとも、endte??」

駆け込みで質問されることもある(笑)この情熱の何割かでも、普段からあればいいのに・・(^^;)
(ちなみに、endete が正しい)

 もっとも、学生によっては、始めから諦めている人もいるようだ。
 しかし、世間で言う「諦めムード」と言うよりは、もっと明るく、あっけらかんとしていたりもして、

「いや〜、もう、終わってるよな〜(爆)」

と、楽しそうに談笑していたりもするのだが・・(^^;)

 そんな学生たちの話し声が、ふと耳に入ってきた。

「え、エアグルーブ?」
「違うんだってー。ジャスティス(注:シルクジャスティス)来たんだって」
「何、有馬(記念)?」
「そう、ずーっと差してきてさー。いやー、まいったなー」

 ううむ、確かに前日、有馬記念(言うまでもなく、競馬のGIレース)があったのだが、試験直前の話題としては、とっても余裕があるものだ、と私は思ったのであった(爆)
(なお、学生は、勝馬投票券は購入できないことになっているはず(^^;))


(1997/12/25)