巻之十四 
形容詞




 形容詞は、述語として使われたり、名詞を修飾する形で使われたりします。
 名詞に先立って用いられる時には、-e という語尾がつくことがあります。
 大雑把に言うと、いわば名詞の性、 中性名詞(het- 名詞)かそれ以外(de- 名詞)なのか なのか、で違いがあって、中性名詞の時に、語尾の -e がつかない場合がある、ということです。

 まず、語尾に -e がつく場合です。
 定冠詞、指示代名詞、所有代名詞が形容詞に先立つ場合には、-e がつきます。これは、de- 名詞、 het- 名詞ともに、です。


 de (deze, die) jonge man その(この、あの)若い男
 het (dit, dat) grote huis その(この、あの)大きな家
 mijn zwarte schoenen 私の黒い靴 

 groot → grote など、語尾がついて、スペルが変わる場合に注意しなければいけませんね(^^;)

 ただし、中性名詞に所有代名詞が用いられた場合、語尾が脱落することもしばしばあります。


 それから、中性名詞以外で、無冠詞や、不定冠詞や geen が先行する場合も -e がつきます。


 witte wijn 白ワイン 
 een zieke man 一人の病気の男 


 次に、-e のつかない場合についてです。
 het-名詞の単数に、無冠詞、または不定冠詞や geen などが先立って用いられた時は、語尾はつきません。

 warm water お湯 
 een mooi huis 一軒のきれいな家 


 ieder、elk(おのおのの)、veel(多くの)、menig(多数の)、zulk(そのような)、welk(どんな)なども、不定冠詞に準じます。

 また、-en で終っている形容詞は、de とか het に関らず、-e がつきません。

 de open deur 開いているドア 
 het verloren geld 失った金 


 それから、男の人を表わす時、特に仕事などを示す時には、不定冠詞などの後でしばしば -e をつけないことがあります。

 een groot schilder 偉大な画家 
 geen goed spreker 上手ではない話し手 


 オランダ語の形容詞は、ドイツ語などと同じように、名詞化して使うことができます。
 人を表わす時は、単数は -e、複数は -en という語尾をつけます。

 een zieke (一人の)病人 
 de zieken 病人(たち) 


 物や事柄を表わす時は、het と -e をつけます。

 het mogelijke 可能なこと 
 het beste もっとも良いこと 


 英語の something、ドイツ語の etwas にあたる不定代名詞の iets、wat や、英語の nothing 、ドイツ語の nichts にあたる niets と一緒に使われる時は、語尾に -s をつけます。

 wat nieuws 何か新しいこと 
 niets goeds 何も良くないこと 




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