第9回 指示代名詞




え〜と、今回は指示代名詞を扱ってみたいと思います。
指示代名詞っていったい何?(^^?)と思った人も多いかも知れませんね。

ドイツ語の指示代名詞は、関係代名詞と良く似た形をしています。表に書いてみると、このようになります。

  m.  f.  n.  pl.
1格 der  die  das  die
2格 dessen  deren  dessen  deren, derer
3格 dem  der  dem  denen
4格 den  die  das  die


厳密には、複数の2格の derer というのは、関係代名詞にはないですが、その他は同じですね。

さて、実際に使ってみますと、

Ich habe einen Freund. Der heißt Peter.  私には一人の男友達がいる。彼はペーターという名前だ。 
Kennst du Herr Meyer? Ja, den kenne ich gut.  君はマイヤー氏を知ってるかい?ああ、よく知っているよ。 


代名詞の er などの代わりに使うことができるというわけです。
考えようによっては、例えば上の文だと、der Freund の Freund の部分が省略されたとも言えますね。

実はですねえ・・かなり初期の頃、

Was ist das ? Das ist ein Bleistift.  これは何ですか?これは鉛筆です。 


なんてやりとり、練習しましたよね?
この das って、ヘンに思ったりしませんでした?あれ?この das って、定冠詞・・じゃなくて?何だろう?・・と思った方、鋭いです(笑)
これって実は、指示代名詞だったんです。特に説明しないことも多いですが(^^ゞ

(・・・・・(ー_ー;))

(まあまあ・・・(^_^;))

さて、格変化の仕方が関係代名詞とほとんど同じ、ということは、実際に使われた der とか das とかを見て、これが指示代名詞なんだか関係代名詞なんだか混乱しそう・・にも思えますが、これは完璧に区別が付きます(^_^)

Ich kenne den Arzt, der kommt aus Freiburg.   
Ich kenne den Arzt, der aus Freiburg kommt.   


どっちが指示代名詞で、どっちが関係代名詞でしょう?

(・・・・・・)

これは、der で始まる文の動詞の位置を見れば一発で分かります。関係節だったら、人称変化した動詞が後置されますが、指示代名詞ではそうではありません。
てな訳で、上の der が指示代名詞、下が関係代名詞ですね(^_^)

(強いて訳し分けてみると、上の指示代名詞の方は、「私はその医者を知っている、彼はフライブルク出身だ」、下の関係代名詞の方は、私はフライブルク出身のその医者を知っている」くらいになるでしょうか)

指示代名詞といえば、その昔、定冠詞類のところで扱った dieser とか jener などを独立して、指示代名詞として使うことができます。

Dies(es) gefällt mir, aber jenes nicht.  こちらは私は気に入ったが、あちらは気に入らない。 


(dieses 、すなわち中性の1・4格は、しばしば dies となります)

というところで、大体よろしいでしょうか・・。