第22週 完了形と未来



それでは今日は、ドイツ語の完了形についてやって行きましょう。現在完了とか、そういうやつのことですね。

え〜、英語では、完了形は、have プラス過去分詞で作ったわけですが、ドイツ語でも、haben 、英語の have ですね、それと過去分詞で完了形を作ります。しかし、ドイツ語の場合、完了の助動詞となるのは、haben ばかりではなく、sein も完了の助動詞となります。

(助動詞というのは、完了形を作るときの haben (英語だと have ですね)や何かのことも、「助動詞」と呼ぶわけです。念のため)

そしてもう一つ、ドイツ語では、過去分詞は、文末に置かれることとなります。


 haben/sein + ------------------ + 過去分詞 
 (定形)


もちろん、haben や sein は、人称変化した形、すなわち定形となります・・sein や haben の人称変化は、覚えてますよね?

(・・・・・(^^;))

(あの〜(^^;))

例えば、このようになります。


Ich spiele Tennis. → Ich habe Tennis gespielt.
Er geht ins Kino. → Er ist ins Kino gegangen.


haben や sein の現在の人称変化形を使っていたら、もちろん、現在完了の文章となります。
で、英語では、現在完了と過去のある時点を表わす言葉、昨日とかおとといとか言うのとは一緒に使えなかったんですけど、ドイツ語では、Gestern habe ich mit ihm gesprochen. 「昨日私は彼と話した」みたいに、一緒に使うことができます。

ここで問題になるのは、いつ haben を使って、いつ sein を使うか、ってことですよね?これは、動詞によって決まっているわけなんですが・・まず、すべての他動詞は、haben 支配です。

(「haben 支配」というのは、haben と一緒に使う、くらいの意味にとって下さい)

で、大多数の自動詞も、haben 支配なんですけど・・ところで、自動詞と他動詞の区別ってわかる?

(・・・・・・)

ええと、簡単に言うと、目的語を取るのが他動詞、取らないのが自動詞、と思っていて下さい。
で、その自動詞のうち、一部の自動詞が、sein 支配となります。


sein 支配の自動詞
1)場所の移動 kommen 来る  gehen 行く  fahren (乗り物で)行く  ...
2)状態の変化 werden ・・になる  sterben 死ぬ  ...
3)その他 sein ある、いる  bleiben とどまる  ...


え〜、大まかに言うと、これらの自動詞が sein 支配なんですが・・。もちろん、他にもまだありますよ(笑)
まず、1番の「場所の移動」ってのは、「行く・来る」系の言葉だ、ってことですね。これらが sein 支配だ、ってことです。
それから2番、「状態の変化」と言ったのは、werden とか、sterben など、その他、einschlafen「眠り込む」や、aufstehen「起床する」などの言葉もあります。
3番の「その他」ってのは何か、と言いますと、要するに、sein とか、bleiben とか、「いる」とか「とどまる」というのが、意味として1番や2番、「移動」や「変化」と合わないから、「その他」と分類したんでしょうね・・。

(そ、そうなんだろか(^^ゞ)

まあだから、こういう言葉は sein 支配なんだ、と覚えておくのがいいでしょうね。

また、前綴りがつくと、sein 支配になるものもあります。
例えば、schlafen「眠る」は、haben 支配なんですが、さっき挙げた einschlafen は、sein 支配です。また、stehen「立っている」は haben 支配ですが、aufstehen は、sein 支配です。

入門編では、とりあえずこのくらいの例を覚えておけば、いいんじゃないでしょうか・・。
sein か haben か、というのは、辞書を引けば載ってます。例えば、sein 支配の動詞だったら、(s) と書いてあって、haben 支配の動詞だったら、(h)と示されてます。最近の、初心者用の辞書でしたら、ist ... gegangen みたいにはっきり書いてあるものもあります。

それから、過去完了について、簡単に説明しておきます。
haben とか sein の、過去人称変化と一緒に過去分詞を使って、過去完了の文章を作ることができます。過去完了は、過去のある時点にたって、それ以前に起こった出来事を表わします。


Nachdem er gegessen hatte, machte er einen Spaziergang.
 彼は食事をしてから、散歩をした。


それじゃあ、完了形については、大体いいですか?
では最後に、未来の言い方について、説明しておきます。

ドイツ語では、未来の時称は、werden を未来の助動詞とします。


werden + ------------------ + 不定形 
(定形)


werden は定形、つまり人称変化した形が使われますが、動詞は文末に不定形が置かれます。


Ich werde nächstes Jahr nach Deutschland fliegen.


「私は来年、ドイツへ行くだろう」というわけですね。werden は不規則な人称変化しますが・・いいいですか?

(・・・・・・)

普通、はっきりわかっている将来の予定を言うときは、現在形を使います。自分のことなのに、「これから・・するでしょう」なんて、日本語で考えても普通は言いませんよね?これじゃ、天気予報みたい(笑)

(おいおい(^^;))

ですから、werden を使った場合、推量の意味が出ることもあります。