え〜と〜、前回、不規則な人称変化のところで、e が i になるもの、というのを挙げたと思いますが、そのひとつに、geben というのがあります。
で、この geben を使って、es gibt と、その後に4格の名詞が来て、「〜がある」という意味になります。
es gibt + 4格 〜がある |
辞書を引くと、「存在する」なんて書いてある場合もありますが、まあ、「ある」でいいです(笑)英語の there is, there are 構文みたいなものですね。
geben は、もちろん、英語の give ですから、「与える」という意味があります。で、es gibt を、それは与える、なんて考えてしまうと、訳が分からなくなってしまいます(笑)
(Hier gibt es ... みたいに、es が文頭にないとき、見逃しやすいです。あと、時制が変わったりしている場合も)
こういうのは、さっさと覚えてしまうのが楽ですね。
それから、今度は、命令形について、です。
命令形は、英語でも、Go home! みたいに、主語がない、とか特徴がありましたけど、ドイツ語でも、特有の形があります。
ところで、命令・・って、どういう人にすると思いますか?「こうしろっ!」とかだけじゃなくて、お願いしたりする場合も含めて。
(・・・・・・)
つまり、その場にいるあなた、にするわけですよね。電話や手紙、ということもありますが、まあその場合でも、相手を想定していますよね。
何を言いたいか、っていうと、命令をするのは「あなた」、つまり、2人称の相手を対象にしているわけです。
それで、ドイツ語の2人称は、3通りありましたよね?親称、親しい人に向かって言う、du 、複数の ihr 、それから、あまり親しくない人、敬称のあなたやあなたたち、Sie の3種類がありましたよね。
で、その du を使って話しかける人、ihr で話しかける相手、それから Sie の人と、これらの相手に命令するとき、それぞれ命令の形が違ってます。
命令形 | ||
-----en | kommen | |
du | -----(e)! | Komm! |
ihr | -----t! | Kommt! |
Sie | -----en Sie! | Kommen Sie! |
え〜と、ドイツ語の動詞が、-en で終わっていることは、何度も言いましたよね?そして、en を取った部分に語尾をつけて、人称変化する、と・・。
で、du を使って話しかける人に対して命令する場合には、動詞からその en を取って、つまり語幹のみ、あるいはそれに e をつけて、命令形を作ります。
それに、お約束ごととして、エクスクラメーションマーク、「!」をつけてあげます。
(びっくりマークというやつですな(笑))
それから今度は、ihr で話す人に対して命令する場合です。これは簡単(笑)語幹に t をつける、つまり、ihr の通常の人称変化の形そのままでいいですね。
Sie に対する命令は、これはちょっと変わっていて、動詞の不定形・・人称変化していない、辞書に載ってる形に、Sie をつけます。
主語があるのが、紛らわしいですよね。疑問文と、一見同じ形に見えるかも知れませんが、イントネーションが違いますし、また、書いてある文でしたら、クエスチョンマーク、「?」とエクスクラメーションマーク、「!」の違いもあります。
du に対する命令形では、口調によって e が付くことがありますが、特に、人称変化するときに e を付け足したもの、つまり語幹が t などで終わっているものには、e がつきます。
arbeiten | |
du | Arbeite! |
ihr | Arbeitet! |
Sie | Arbeiten Sie! |
それから、人称変化するときに、du のところの語幹の母音が e から i 、または ie に変わるものがありましたよね?さっきもちょっと話に出ましたが。
それらの動詞は、du のときに、母音が変わります。
sprechen | sehen | |
du | Sprich! | Sieh(e)! |
ihr | Sprecht! | Seht! |
Sie | Sprechen Sie! | Sehen Sie! |
(ただし、werden は、 Werd(e)! となります)
また、sein は、特殊な形になります。
え〜と、「静かに!」
(・・・・・!)
なんて言う場合(笑)ドイツ語では、「静かな」は ruhig と言いますが、その例でやってみます。
sein | |
du | Sei ruhig! |
ihr | Seid ruhig! |
Sie | Seien Sie ruhig! |
以上で、大体、命令の説明をしたわけですが、よろしいでしょうか・・。