え〜と、前回は、ドイツ語では前置詞の次に来る言葉が格を持って、何格になるかは、前置詞ごとに決まっている、ということをお話ししたんですけど、今日はまず、3・4格支配の前置詞について、やって行きましょう。
前置詞の次に来る名詞が、あるときは3格、あるときは4格になる、という前置詞です。
Sie ist in der Küche. |
(稚拙な絵で申し訳ない(笑))
「彼女は台所にいます」というように、動作の行われる場所や、あるいは静止した状態を表わすときは、3格が用いられます。
ま、物の場合だったら、動きませんけど、人間がキッチンでびたっと静止している、ってわけではありませんのでね、念のため(笑)
Sie geht in die Küche. |
「彼女は台所に行く」、つまり移動の方向を表わしているときが、4格になります。別に、台所そのものが移動していくわけではありません(笑)
(これ、ちょっと迷いやすいようなので注意!>前置詞の次に来る語が移動するわけではないです)
で、3・4格支配の前置詞には、次の9つがあります。
前にやった、2格支配とか3格支配とかの前置詞は、実はたくさんある中から代表的なものを紹介しただけだったんですが、3・4格支配のものは、この9つだけです。
an 〜の側で/に auf 〜の上で/に hinter 〜の後ろで/に in 〜の中で/に neben 〜の横で/に über 〜の上方で/に unter 〜の下で/に vor 〜の前で/に zwischen 〜の間で/に |
an っていうのは、接している、という感じですかね。「壁際に」というと an der Wand 、壁の側に何かを持っていく場合には、an die Wand 、4格ですね。
auf というと、例えば机の上に本を置いたりするときですね。こう、辞書を・・
(ぱたん!)
机の上に置くと、auf den Tisch 、4格です。その結果、辞書が机の上に置いてある、っていうと、auf dem Tisch 、3格になります。
hinter は、〜の後ろ、木とか家とかの後ろ、ってわけですね。in は、さっきやった例のように、〜の中、ですね。
über は、〜の上方に、ってことですね。で、さっき、auf も、〜の上、って言ったんですけど、auf は、何かに接して置かれているっていういみがあるんですよね。
それに対して、über は、浮かんでいる、っていいますか・・。
unter は、〜の下、vor は、〜の前。zwischen は、〜の間、これは英語で言う between ですね。
このように、3・4格支配の前置詞は、空間の位置関係で考えると、覚えやすいですね。
それから、前置詞と定冠詞の融合形について、ですが・・。
融合形、なんて言うと、何者か、と思うかも知れませんが、ドイツ語の前置詞では、例えば、an dem と言うところを、am と、くっつけて言っちゃうわけですね。これが、融合形。
もちろん、いろいろな例がありまして・・。
an dem → am | an das → ans |
in dem → im | in das → ins |
von dem → vom | zu der → zur |
zu dem → zum |
これみんな、格がはっきりしてるんですよね。
で、この融合形っていうのは、こういう形を使ってもいい、ってことではなくて、融合形を使うのが普通だ、ということに注意して下さい。
例えば、Er sitzt am Tisch.「彼はテーブルに向かっている(食卓についている)」とするところを、an dem Tisch としたら、あれでもなく、これでもなく、そのテーブルに向かっている、と強調されることになります。
また、この融合形を使って、ちょっとした決まり文句的な表現がありますので、あわせて覚えておくと便利です。
zur | Schule | gehen | 学校へ行く |
ins | Kino | 映画を見に行く | |
Theater | 劇を見に行く |