第5週 人称代名詞と動詞の現在人称変化(1)



それでは具体的に、文法のところに入っていきましょう。まず、人称代名詞と動詞の現在人称変化ですが、ちょっと聞き慣れない言葉かも知れませんね。

まずは、人称代名詞について、です。


現在人称変化
 単数  複数
1人称 ich 私は wir 私たちは
2人称du/Sie  君は/あなたは ihr/Sie  君たちは/あなたたちは
3人称er  彼は 
sie 彼女は 
es  それは 
sie  彼らは


人称代名詞、というのは、要するに、私とかあなたとか彼とか、人のことを指す代名詞です。

(そのまんまやんかい(^^;))

ではまず、実際に言ってみましょう。私のあとについて、言ってみて下さいね・・。

「私は」というのは、ドイツ語で ich と言います。それから、「君は」「あなたは」というのは du。Sie というのもあります。そして「彼は」が er 、「彼女は」がsie、 「それは」がes と言います。
それから複数形に行って、「私たちは」がwir。「君たちは」「あなたたちは」がihr、それからSie。「彼らは」「彼女らは」「それらは」というのは、sieと言います。
またsieが出て来ましたね(^^;)
こういうのは、さっさと覚えてしまった方が、いいですね。この場で覚えてしまいましょう(笑)

で、1人称とか2人称とか、数字がついていますけど・・英語で習ったかな?3人称っていうのは、聞いたことがあるんじゃない?

(・・・・・・)

ええと、1人称というのは、私、つまり自分です。自分が「1」なわけ。
で、その自分とお話ししている相手、これが2人称です。ただ、英語もそうだけど、ドイツ語も、単数と複数を区別するので、「私」か「私たち」、あるいは「あなた」か「あなたたち」かで、言葉は違ってます。
3人称というのは、それ以外のことです。だから、私がいて、あなたがいて、その他のものが皆3人称になります。
今、3人称の代名詞ということで、彼とか彼女とか書いてありますが、実際は、PeterとかMariaとか、机とか椅子とか鞄とか、車とか自転車とか、みな含まれます・・。

それから、2人称の代名詞ですが、これには2通りの使い方があります。


du, ihr ・・ 親称 
Sie ・・ 敬称 


親称、というのは、「親しい」という字を書きますが、家族とか友達とか、そういう間柄の人に呼び掛けるときに使います。大学の同級生なんて場合は、du ですね。もちろん、恋人同士も。
それに対して、敬称のSieは、よく知らない人、例えば、道で誰かに「駅はどっちですか」とか聞いたりする場合は、Sieで話しかけます。この Sieは、最初が必ず大文字で書きます。

(で、よく、duやihrを「君(たち)」、Sieを「あなた(たち)」とお約束的に訳し分けることもあります。実際の日本語訳としてふさわしいかどうかはともかく)

代名詞については、いいですか。それでは、今度は、動詞の現在人称変化についてです。
現在というのは、教科書なんかでは、特に書いていないときもありますが、今からやるのは、現在形だ、ということです。ドイツ語でも英語と同じように、過去形や完了形や未来形など、時制がいろいろありますが、まずは現在形からやっていきます。

まず、ドイツ語の動詞は、enで終わってます。場合によっては、n。


ドイツ語の動詞(不定詞/不定形)-----en
(-----n)


それで、ドイツ語では、主語によって、動詞の語尾がそれぞれ違っているんですね。


 単数 複数
1人称ich -----e wir -----en
2人称du -----st ihr -----t
3人称er -----t sie -----en
(Sie -----en)


-----の部分は、みな共通です。3人称単数の例は、er を使いましたけど、もちろん、sie でも es でも、Hans でも Anna でも、黒板でも天井でも太陽でも、みな語尾は t です。
それから、敬称の Sie、大文字で書く方の Sieは、3人称複数の sieと同じ変化になるので、教科書とか、特にあとの方になると、あえて書かれてない場合もあります。

あの、英語でも、3人称単数現在の時は、s をつけなさいって習ったでしょ?

(し〜ん)

(お〜い、習っただろ(^^;))
(もちろん、(゚゚)(。。)(゚゚)(。。)と頷く学生もいる(笑))

それでは、実際の例でやってみましょう。kommen、来るという動詞を使ってみます。


kommen  来る
 単数 複数
1人称ich komme wir kommen
2人称du kommst ihr kommt
3人称er kommt sie kommen


と、このようになります。
それで、何が大切かと言うと、辞書に載っているのは、kommen、不定形だけだ、ということです。kommstとかkommt では載っていない、ということに注意して下さい。英語のときだって、3単現の s だとか、規則動詞の過去形・過去分詞とかは、いちいち辞書に載ってなかったでしょ?

(たまにあるんですよね・・machstって辞書に載ってないんですけど?とか言われること(^^;))

それでは、これはしっかり覚えちゃって下さいね。「えすとてんてん」とかいうように覚えるやり方も、あるようです・・。