kobito_bありがち間違い




現在人称変化編

Q machst って、辞書に載ってないんですけど・・。

A machst は、辞書には載っていません(笑)
どうしてかって言うと、machst というのは、動詞が人称変化した形なので、辞書を引くときには、人称変化していない不定形、つまり、machen で調べなければならないのです。machst は、du 、2人称の単数に対する動詞の形ですね。
ですから、machst などで辞書に載っていない言葉があっても、簡単には調べられないような難しい単語だから辞書にないのではなくて、辞書に載せる必要がないくらい当たり前のことだから、載っていないのです。


Q 「彼女は日本から来ました」は、"Sie kommen aus Japan." ではないんですか? kommt になるのは、er の時じゃないんですか?/sie「彼女は」が主語のときは、動詞の語尾は ----en じゃないんですか?どうして sie hat とかになるんですか?

A 「彼女は」という意味で sie を使うときは、動詞の語尾は -t になります。 er だけでなく、sie (彼女は)や、es 、3人称の単数(現在)の時に、-t を付けるんですね。
sie kommen など、動詞が -en で終わっているときの sie は、「彼らは(彼女らは、それらは)」という意味です。3人称の複数の場合です。
ちょっと紛らわしいのですが、Kommen Sie aus Japan? みたいに、最初が大文字になっている Sie は、敬称の2人称の Sie なので、動詞の語尾は -en になります。


Q wohnen の2人称・3人称単数は、wohnest/wohnet ですか?

A 人称変化語尾の -st や -t の前に、-e- を入れるのは、語幹が t や d で終わっている動詞、すなわち、warten などのようなものは、du wartest er wartet となりますが、wohnen の時は、e は入りません。
ich wohne の「ヴォーネ」に対して、du wohnst 「ヴォーンスト」 er wohnt 「ヴォーント」と、「ン」と音が変わって聞こえるので、e を入れたくなる気持ちは分かりますが(笑) wohnen の場合は、原則通りに人称変化させて下さいね(^^)


Q Hat Peter ein Haus? 「ペーターは家を持ってますか?」とかいうときの「ペーターは」というのは、2人称じゃないんですか?

A 確かに、日本語で考えると、面と向かって、「ペーターは家を持っていますか?」とかいうことはありそうですね(笑)日本語では、目の前にいる人に「○○さんは」「先生は」などと、「あなたは/君は」という代名詞を使わないことがしばしばあります。けれども、ドイツ語や英語の場合は、2人称というのは「あなた」とか「君」、Sie や du で表わされます。
もちろん、この場合の主語の Peter は、3人称(単数)ですので、それに応じた人称変化をします。





動詞編

Q kommen って「出身」「から」という意味なんじゃないんですか?

A 結論から先に申し上げます、kommen は「来る」という動詞です。英語のcome にあたるものです。
え〜と、私も初めて「kommen 出身」という答案を見たときは、首をひねりました。しかし、その後いわゆる会話中心教科書(登録上は総合教材らしい)をネイティヴスピーカーと一緒に使った時、頻出しました、kommen イコール 「出身」、もしくは「から」と思っている人が。
考えてみれば、 文法的背景なしに、Woher kommst du? Ich komme aus Japan. という文(もしくはそれに準じる例文)だけを見て、woher や aus を「から」と思え、という方が無理ですね。





名詞編

Q Herr Meyer って、「ヘル・マイヤー」という名前なんですか?/Frau Schmidt は、「フラウ・シュミットさん」ですか?

A 人名の前に付いている Herr/Frau は、「〜さん」ということです。英語の Mr./Mrs. などと同じ働きです(笑)


Q Ich fahre ins Ausland. は、「私はアウスラントへ行きます」じゃないんですか?/Er wohnt bei seinem Onkel. は、「オンケルのところに住んでます」ですか?

A ドイツ語では、名詞はみな、大文字で始まります。
固有名詞だから大文字なのではありません。大文字で始まっているからといって、辞書を引かないで、固有名詞だと決め付けていると、ヘンになります(笑)
この場合、Ausland も Onkel も、辞書には日本語の意味が載ってます。


Q 中性名詞の「中性」って、どんなものなんですか?どういうのが「中性」なんでしょうか?

A 名詞の「性」については、あまり深く考えなくてよいです(笑)
つまり、どうして Buch 本 や Hemd シャツ が(男性でも女性でもなく)「中性」なのか、あるいは、どうして Tisch 机 が「男性」で Tasche かばん が「女性」なのだろう?と悩むよりは、始めのうちは、ドイツ語の名詞は3つのグループがある、と考えていた方が良いかと思います。





格変化編

Q 「私の父(は)」は、meines Vaters じゃないんですか?「私の」と「の」ですから、2格ですよね?

A mein は、それだけで所有、つまり「私の」という意味があります。2格だからとか、どうとかには関係ありません。
格は、この場合、「私の父」の「父」の使われ方で決まってきます。「私の父は」と主語になったりするときは1格、従って、mein Vater となります。
2格を使うのは、例えば、「私の父の車(は)」と言うようなとき、das Auto meines Vaters と、meines Vaters という形が使われます。


Q auf dem Wege という語句があったのですけど、Weg に e がどうして付いているんですか?

auf dem ・・ですから、3格ですよね。
昔・・と言っても、そんな大昔じゃないんですが(笑)3格の名詞(男性・中性)には、-e がついていたのです。2格に -s が付くようにですね。今から15年くらい前の教科書や、参考書には載ってました。
今でも、zu Hause sein 「家にいる」などの言い方に、割りによく見られるのではないかと思います。


Q ein sch"oner Abend は、「もっとすてきな夜」ということですか?

この場合の sch"oner は、sch"on の比較級ではなくて、男性名詞の1格の Abend にかかっているので、格変化していて、それで形容詞に -er という語尾がついたわけです。
「もっとすてきな夜」だったら、ein sch"onerer Abend と、さらに語尾がつくでしょう(^_^;)


Q 人称代名詞の2格って、ないんですか?教科書に載っていないんですけど・・。

え〜と(汗)あるのかないのか、ということでしたら、存在します。(第13週に載せてあります)しかし、ほとんど使われないで、3格で代用したりということも多いようです。
このページにいただいたお便りの中に、「Genitiv(2格のこと)保存の会」というのがドイツにあるとかないとか…(笑)





前置詞編

Q 「彼は本を机の上に置く」なんて場合、「机の上」は auf den Tisch と4格になりますが、移動しているのは「本」なのに、どうして「机」を4格にするのですか?

A 3・4格支配の前置詞を使う時、よく、「静止状態が3格、移動が4格」と説明されます。しかし、実際に移動するもの、この場合「本」が、4格になったりあるいは3格になったりするのではなく、「移動する方向のもの」が4格になります。
教科書・参考書によって、移動という言葉を避けて、「目的・方向が4格」と説明するものも多いようですね。





三基本形編

Q sprechen の過去形の sprach の2人称単数は、du sprachtest になるのですか?

A sprechen は不規則変化動詞で、過去基本形は、sprach ですよね。それは、いいですね(笑)
ですから、人称変化させる場合、基本形の sprach に語尾をつけます。2人称単数の時に付ける語尾は、 -st ですから、sprachst でいいのです。-te- は、わざわざ入れることはありません。


Q spielen の過去分詞は、gespielen にすればいいのですか?/sprechen の過去分詞は、gesprechen ですか?

A spielen は規則変化(弱変化)動詞です。規則変化動詞の三基本形、不定形 - 過去基本形 - 過去分詞 は、spielen - spielte - gespielt となり、過去分詞は、ge----t と、ge- と -t で、挟み込むような形になります。
sprechen のような不規則変化(強変化)動詞の場合は、動詞によって過去基本形・過去分詞の形が決まってます。sprechen - sprach - gesprochen ですね。
過去分詞は、不定形にやみくもに ge- をつければできるというものではありません。不規則変化動詞の一部に、fahren - fuhr - gefahren など、たまたまそういう形になっているものがある、というだけで、すべてがそうなわけではないので、注意して下さい。


Q 過去分詞が2人称単数の文で使われる時は、gesprochenst となるのですか?/過去分詞も人称変化するのですか?

A ドイツ語では、過去分詞は人称変化しません。Du hast mit ihm gesprochen. みたいに、過去分詞は人称に関係なく、一つの形しかありませんので安心して下さい(笑)


Q Ich spiele Tennis を現在完了形にするには、Ich gespielt Tennis. にすればいいのですか?

A 現在完了は、haben/sein + 過去分詞で作るのでしたよね。ですから、完了の助動詞を必ず入れて、Ich habe Tennis gespielt. として下さい。


Q 受動態の文 Er wird von dem Lehrer gelobt. などを現在完了形にするとき、Er ist von dem Lehrer gelobt worden. となると教科書などに書いてありましたが、loben が sein 支配だからですか?

A ここで ist(sein) が使われているのは、werden が sein 支配だからです。過去分詞になっている動詞には関係ありません。つまり、受動態の文章を完了形にしたいときは、完了の助動詞はいつも sein ということになります(^^)





スペルと発音編

Q ドイツ語で[s]の発音は、"ss"とエスツェットと二通りありますが、使い分けはあるんですか?

A 使い分けはあります。
新正書法では、短い母音のあとの[s]の発音は、ss、長い母音と二重母音のあとは、エスツェットとなります。
従来の正書法では、前後を母音に挟まれ、なおかつ前の母音が短い場合、ss、それ以外はエスツェットです。語末にssが来る時は、エスツェットになります。





文章編

Q 「あなたはテニスをしますか?」は、Was spielen Sie Tennis? ですか?/Was lernt er? Er lernt Deutsch. は、「彼はドイツ語を勉強してるのですか?」と訳せばいいのですか?

疑問文には大きく分けて二通りあります。一つは、答えがイエスかノーか、ドイツ語で言うと Ja か Nein かで答える決定疑問文、もう一つは、was や wer のような疑問詞を使った補足疑問文です。補足疑問文の場合は、聞かれたこと、たとえば、何とか誰とかどことかいつとかを、答えなければなりません。
ドイツ語の文章を作ったり、あるいは読んだりする場合、ここのところを混同しないようにする必要があります。はいかいいえ、で答える文を作るときは、Spielen Sie Tennis? のように、動詞を文頭に直接出して、疑問文を作って下さい。


Q 「静かに!」と命令形を作るときは、(du が主語なら) Ruhig sei! とすれば良いのですか?/ruhig sein から命令形を作るときは、そのままの語順で Ruhig sei! になるのですか?

命令形を作るときは、まず動詞を文頭に置いて下さい。もちろん、bitte が前に来ることはありますが、そういうものを除いては、命令形になった動詞、この場合は sei が最初に来ます。
ドイツ語では、人称変化や命令形などになっていない、動詞の不定詞は、連語のいちばん最後に置いた形で示されます。そういう、約束ごとがあると思って下さい(笑)だから、命令の場合に限らず、辞書の例や、あるいは練習問題に示されている通りの語順で作文すると、間違います。




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