1980年代にはマイクロプロセッサー市場というものがあり、そこでのインテルの競争相手はモトローラだった。モトローラは、68000や68020,68030でインテルと覇権を争ったが、敗れ、CPU市場では今は見る影もない。IBMのPowerチップ陣営の一員となることに活路を求めている状況だ。一方i486,pentium,pentium pro,MMX仕様pentiumと矢継ぎ早の製品開発を成功させ、向かうところ敵なしの勢いだ。 1980年代前半には拮抗していたインテルとモトローラの力関係は、1990年代に大きくインテル側に傾いた。インテルの完勝と言ってよい。この差は,1981年にIBMが初代PCにインテルCPUを採用したことで運命付けられた。インテルのCPUは IBM PCばかりでなく,世界中のIBM互換PCで使われた。モトローラはAppleに使われているが出荷される数の差は大きい。インテルとモトローラの明暗はIBMおよびIBM互換PCとアップル(Macintosh)の出荷数の差である。
1994年12月にIntelはpentiumの浮動小数点演算にバグがあることが発覚した。インテルは90億回に一回の割合であると主張した。IBMは独自の調査でその90倍程度の頻度でおこると発表した。インテルは12月の記者会見で顧客からの要請があればPentiumを無償で交換すると発表した。すでにこの問題は春ごろにはインテル社内には知られていた。それをユーザーに知らせないで交換もしないという姿勢が批判を浴びた。西岡社長は1994年12月22日に記者会見をおこない、これまでの対応を陳謝するとともに、交換に応じる姿勢を明確にした。