- 関西を通過した台風の影響で身延線は徐行運転をしていた。下部温泉駅でタクシーに乗り換え、登山口の老平に着いたのは予定より1時間ほど遅れていた。少し霧雨が降っていた。
- 最初の林道が終わると山道に入った。上から滝のように水が登山道に落ちてきているところが有った。ガレ場は最後の幅10m程が雨水でV字に深さ2m位切れていた。渡る場所が分からずいったん引き返してザックを置いてから空身でルートを探した。15m程下まで下りてV字を渡って登り返す事で渡ることができた。
- 広河原の徒渉点は膝上10cmの水量だった。同行者と肩を組んで渡った。水を汲んで3リットルにした。初日は桧横手山まで登り幕営した。
- 二日目は晴れだった。ミソサザイ、ルリビタキ、メボソムシクイが鳴くシラビソの森を登っていった。布引山手前のガレ場からは南アルプスの高峰が見えた。布引山はシラビソに囲まれた山頂だった。
- 布引山から鞍部付近まで下ると行く手に笊ヶ岳が見えた。笊ヶ岳山頂近くになるとシャクナゲが咲いていた。山頂は360度の展望だった。富士山や南アルプスの高峰の山頂部には雲がかかっていた。コーヒーを飲んで一休みした。
- 椹島下降点までに6人とすれ違った。雨が降り出した。水場分岐では風も少し強くなった。レインウェアを着て水場を往復した。水場はガレ場の沢だった。下り標高差75mだった。水を2.5リットルにした。偃松尾山手前で6人組とすれ違った。
- 偃松尾山では少し道に迷った。縦走路を見落とし、少し山頂方面へ霧の中を登り過ぎてしまった。20分ほど時間をロスして、赤テープの付いた細い道を見つけた。ガレ場の上部に出て縦走路を見つける事ができた。
- 生木割山山頂は樹林に囲まれていた。テント数張分のスペースが有った。生木割山からはシダのきれいな道を歩いて進んだ。天上小屋山の山頂手前2-3分のところに幕営した。
- 最終日は晴れだった。天上小屋山山頂の先で西側の展望が得られた。稜線の道は、しばらくすると尾根の西側を歩くトラバース道に変わった。ところどころでシダがきれいだった。メボソムシクイとルリビタキが鳴いていた。
- やがて林道跡に出た。最初の幼木が多い所が終わると歩きやすくなった。伝付峠からは悪沢岳などの展望を楽しんだ。
- 伝付峠からはカラマツの笹原を下った。カラマツにはサルオガセが付いていた。やがてコメツガとダケカンバの森に変わっていった。エゾハルゼミが鳴いていた。
- 出合に出てからは沢の道になった。膝下の徒渉が2回有った。壊れかけたスチールの桟道が有った。保利沢小屋からしばらく下ったところで膝くらいの徒渉で右岸に渡った。渡る手前でカメラを置き忘れてしまい、取りに戻ったので3回川を渡る羽目になった。
- 徒渉点からは、いったん登りになり、尾根を乗り越え再び別の沢への下りになった。急坂でロープがたくさん据え付けられたいた。河原に出てからはしばらく川沿いに下り、やがて林道に出た。後はバス停まで車道を下った。伝付峠入口バス停でバスを待つ間、冷たい湧水の水を飲んで疲れをいやした。
- バスは7人の乗客だった。エアコンが効き快適だった。下部温泉駅前にはビールを売っているお店は無かった。仕方なく土産物屋で買ったアイスクリームを食べて特急を待った。