- 二日目、寒峰から落合峠まで下り、水場で水をくんでから矢筈山に向かった。峠からしばらくは笹原だった。矢筈山への道は寒峰への道に比べ、刈り払いがしっかりされていて、歩く人も多いようだった。
- 1654m峰手前からは樹林帯になった。シラビソの樹林の中、雪の付いた急坂を登るとサガリハゲ山分岐に着いた。落合峠からここまでの間で登山者10人ほどとすれ違った。
- 分岐からしばらくは北斜面のトラバース道が続いた。雪が1cmほど積もっていた。トラバースが終わると岩場があり、まっすぐ進めず右手を巻いた。足跡の様子では左からも巻けそうだった。
- 山頂手前の笹原を登ると矢筈山山頂に着いた。展望は良かった。山頂は少し凹凸が有ったので、西隣りのコブにテントを張った。
- 夜は満月だった。冷え込んだので携帯懐炉を使った。氷ることを心配して水筒をシュラフの中に入れた。足が冷え眠りの浅い一夜になった。
- 朝のテント内は-3度だった。霜のへばりついたテントはたたむのに苦労した。
- 懐中電灯を使いながら矢筈山からの最初の笹原を下った。踏み跡はしっかりしていた。やがて樹林帯になり踏み跡も途絶えがちになった。
- 第一岩峰のすぐ先で見晴らしの良い場所が有った。すっかり明るくなっていた。第一岩峰からは樹林帯の中の笹ヤブだった。笹は低いので歩きやすかった。岩場を縫って進む所があった。雪の上の足跡で迷わず済んだ。1750m峰からは目標の黒笠山が良く見えた。
- 1750m峰からは急な下りだった。道の分かりにくいところが多かった。ジャンクションピークへの登りでは少し左よりに行きすぎて道を見失ってしまった。カモシカに出会った。丸々と太っていた。
- ジャンクションピークから鎖場や岩場の急登をわずかに登ると黒笠山山頂に着いた。360度の展望だった。
- ジャンクションピークへ戻り、黒笠神社へ向かった。ブナの稜線から右へと下り始めると笹が無くなった。黒笠神社のすぐ下で10人程のグループとすれ違った。寒峰から来たと言うと驚いていた。黒笠神社からの谷沿いの道は葉を落とした大木が多かった。日があたり暖かだった。
- 鳥居を通ってしばらく下ると白井の集落に着いた。民家のおばさんは「年寄りばかりになってしまった」と話していた。明渡橋のバス停で待つ間に、先程の10人程のグループの車が手で挨拶をしながら通って行った。