- 前日は斜里のビジネスホテルに宿泊した。当日朝は冷え込んでいた。車を運転する前にガラスについた霜を掻き落とさなければならなかった。ハンドルが冷たかった。登山口にはハンドルが暖まる前に着いた。先着の車が3台有った。
- 雪が10cmくらい積もった林道を尾根の取付まで歩いた。尾根の取付でワカンを付けた。樹林帯の尾根にはスキーの跡がたくさん有った。スノーモービルの跡も有った。
- 518mピークは、スキーヤーは迂回するらしく、ワカンの足跡だけが有った。キツツキが木を叩く音やカラスの鳴き声が聞こえた。518mピークを少し下ったところは展望が良く海別岳が見えた。
- 518mピークからしばらくは広葉樹の老大木が多かった。キツツキが木を叩いた木屑が雪の上に落ちていた。やがて針葉樹が多くなっていった。
- 針葉樹がなくなり、標高700mの森林限界に着いた。アイゼンに履き替えた。青空が広がり天気が良くなってきた。標高800m付近まで登ると小海別岳の裏から斜里岳が見えてきた。1155m地点へは左側の雪面を通った方が楽そうだったが、わざとまっすぐハイマツ帯を登ってみた。わずかにハイマツをかき分けると1155mの平坦地に着いた。
- 1155mからは次第に急になった。硬い雪にアイゼンを効かせながら登っていった。振り返ると6人組のスキーヤーが登ってきているのが見えた。どうやら1155mの平坦地付近でスキーをデポする様子だった。
- 稜線は西風が強かった。すぐ右上にピークが見えていた。このまま登るのはつらいのでフードのしっかりした冬山用の上着を来た。吹き飛ばされないようピッケルも使うことにした。手も冷たくなるのでオーバー手袋をつけた。
- 稜線をピークまで登ると、更に奥にどっしりとした海別岳の山頂が見えた。どうやら今いるところがニセピークらしかった。昨年はニセピークの少し下までしか来ていなかった事に気がついた。ニセピークからの稜線は少し広くなった。相変わらず強風が吹いていた。ところどころで地形の関係で風が少ないところがあった。
- 山頂は強風が吹き雪煙が上がっていた。風を避けるため少し国後島側に下がったところで小休止した。そこも風が強く、ウールのズボンに氷の破片がたくさんこびりついた。落ち着かないので稜線をニセピーク側に少し戻った風の無いところで昼食休憩にした。休んでいるうちに7人山頂へ登っていった。
- 帰りは往路を軽快に下った。森林限界に下りるまで約10人とすれ違った。森林限界まで来ると雪がだいぶ緩んできた。再びワカンに付け替えて樹林帯を下った。暑くなってきたので518mピークからはシャツ1枚になった。
- 登山口で出発準備をしていたら沢沿いのコースを登山者が下りて来た。「熊の足跡が有った」と言っていた。