- タクシーで川内分校跡に向かった。分校跡の手前は数日前の雪で凍結していた。タクシーを下り、雪の積もった林道を歩き始めた。最初のうちは、わだちの跡が有り歩きやすかった。そのうちに車も引き返してわだちが無くなった。スパッツを着けた。着けるときにゴムが切れそうになっているのに気が付いた。
- 林道には単独行の往復の足跡が有った。それでもつぼ足の林道歩きは標高がなかなかかせげなかった。まるで拷問のような感じがした。途中でスパッツのゴムも切れてしまった。
- 長い林道歩きも上宮で終わり、ようやく山道になった。勾配がきつくなり、効率よく登ることができた。単独行のトレースはあめ山と天山の鞍部で終了していた。ここであきらめたらしい。トレースがなくなると時々股まで足がもぐり四苦八苦しながら進んだ。山頂まで相当な時間がかかると覚悟した頃、幸いにもと左から来た別の往復のトレースに出会った。トレースに従って山頂まで登った。
- 山頂はガスの中だった。時々背振山方面が見えた。少し風があって寒かったので帽子をつけた。ポットのお湯を飲んで休んでいると単独行が東側から登ってきた。こういう厳しい環境で人に会うとほっとする。どこから来たのか聞いたら北側のスキー場の方からとの事だった。
- ほぼ予定通りの時間に出発できるので予定通り東の七曲峠に向かった。先程の単独行の足跡が北側に下りてしまうと、トレースは無くなった。稜線は雪がかたくて歩きやすかった。やがて本格的な下りになると雪がやわらかくなり、たびたび股まで足がもぐった。もがくように進んだ。灌木の近くは雪がやわらかいことが多いのでなるべく灌木からは離れて歩くようした。1時間近く歩いたが、まだ七曲峠までの半分くらいしか進まなかった。来るんじゃなかったと悲観的な気持ちになった。
- 山頂から1時間ほど歩いたところで途中で引き返した人のトレースに出合った。これでずいぶん気が楽になった。更に15分下ると単独行とすれ違った。20分前に引き返した人とすれ違ったとの事だった。
- 七曲峠に近づくに従って雪は少なくなり歩きやすくなった。七曲峠で車道に出た。車道は雪が積もっていた。この先、あまり歩きたくなかったので、たまたま七曲峠にいた人に集落はどちらが近いか聞いた。南側の「石体(しゃくたい)が近い」との事だった。石体まで下りてタクシーを呼ぼうと思ったら「この下に車を置いてあるので乗せて行ってあげよう」との事だったので、お言葉に甘えることにした。後でこの人が途中で引き返した人だと分かった。結局、佐賀駅まで送ってもらい2時間以上早く帰宅することができた。