- 五条からのバスを「滝」で下車し、予約したタクシーに乗って、「21世紀の森」の大峰奥駈道入口まで行った。水を補給し、稜線の奥駈道「古屋の宿跡」まで登った。1-2分北へ進んだピークにテントを張った。
- 二日目は曇りだった。最初は植林と自然林が交互に現れる道だった。少し空気が冷たかった。ツツドリが鳴いていた。蜘蛛ノ口を過ぎると車道の横の道になった。数回車道に出た。植林の斜面を横切って進む道では、下の方からアカショウビンの鳴き声が聞こえてきた。
- 花折塚を過ぎると、やがて展望台に出た。眺めが良く、北方に釈迦ヶ岳が見えた。ウグイスや小鳥の鳴き声が聞こえた。カツエ坂(餓坂)の登りに入るとブナの新緑がきれいだった。
- 坂を登りつめると玉置山山頂に着いた。シャクナゲがたくさん咲いていた。南方に少しだけ展望が開けていた。野球帽をかぶり一眼レフのカメラを持った男性が登って来た。玉置神社にお参りに来た様子だった。大きな荷物を持った我々を無視するかのようにシャクナゲの写真を撮り続けていた。
- 山頂から下って行くと玉置神社に着いた。大きな杉の木が多かった。お参りの人が数人いた。挨拶をしたものの大きな荷物の我々には興味が無いらしく特に会話はしなかった。御神酒が置いてあり、自由に飲むことができた。
- 玉置神社からの下り始めで、5-6人の作業者が杉の木を切りながら道を整備していた。「通っても良いですか」と聞くと「良いですよ。気をつけてくださいね」と言いながら道を踏み固めて通りやすくしてくれた。腕時計を見ながら「今から本宮まで行くんですか」と聞かれたので「途中で泊まるんです」と答えると「ああ、そうですか」と安心したらしく笑顔を返された。
- 大森山へは伐採地の横の急坂の登りだった。大森山からの急坂の下りで大きなザックを背負った男性二人組とすれ違った。本宮から吉野まで行くとのことだった。「アップダウンが多くて大変だった」と言っていた。この日は玉置神社に泊まるとの事だった。
- 五大尊岳の前後は急な登り下りが多く、地形図で見るより時間がかかった。シャクナゲが多く咲いていた。
- 下りが緩くなってくるとアカマツが多くなり、松ぼっくりが多く落ちていた。鞍部の金剛多和ノ宿はマツと広葉樹に覆われる気持ちの良い場所だった。松ぼっくりをどかしながらテントを張り、ご飯を炊く間に水汲みをしてきてもらった。水場はテント場の先2分ほどの所から右手に3分ほど入った所だった。
- 最終日は晴れだった。松ぼっくりの多く落ちた道を歩いて行った。やがてツツジの咲く尾根の下りになった。眺めの良い送電鉄塔を過ぎると、植林の道になった。伐採地跡が有り眺めが良かった。
- 法筐院塔で車道を横切り、吹越山を過ぎると吹越宿跡に着いた。苔が多かった。植林の尾根を登り返し、吹越峠を過ぎると、展望地が有りベンチが有った。下に本宮の大きな鳥居が見えた。
- 少し下ると七越峰手前の広場に着いた。芝生が生え広々として気持ちが良かった。ベンチに座って一休みした。
- 七越峰に登り、植林の道を何度か登り下りした。本宮間近のアップダウンで精神的に疲れた。最後の急坂を下ると熊野川縁の備崎に着いた。奥駈道の起点の表示が有った。結局、今回、すれ違った奥駈道を歩く人は二人だけだった。
- 車道を通って熊野本宮大社まで行った。旧社地の大斎原(おおゆのはら)をお参りしてからバスに乗り込んだ。