- 名色スキー場跡まで行き、道脇に車を停めて準備をし始めた。快晴だった。準備をしている間に60歳くらいの男性が一人滑ってきた。隣りの万場スキー場から蘇武岳に登って下山してきたとの事だった。「山頂直下は雪質が良かった」と言っていた。スキーを置いて万場スキー場に車を取りに歩いて行った。
- 初日はゲレンデ跡の途中まで登って練習をする事にした。シールを付けて登り始めた。雪は湿ってべたべたしていた。ちょうど西日に向かって登るので日差しがまぶしかった。一登りして平坦な所に出たので、この日はここまでとして、シールを外した。下りは一気だった。少しべたべたした雪で滑りにくかった。
- 翌日も快晴だった。ゲレンデ跡では若い男女の二人組がスノーボードの練習をしていた。シールを付けて登り始めた。雪は硬くなっていてスキーはほとんど潜らなかった。シールが良く効いて登りやすかった。キツツキの木をたたく音が聞こえてきた。リフト降り場跡が近づくと急坂になってきた。
- リフト降り場跡から斜面を右へ横切り、尾根に出た。尾根の下部は急な登りだった。ジグザグに登った。前日に登ったと思われるスキーとスノーシューの跡が一つずつ有った。
- スキー場跡の最高部が備前山で、最高点直下の肩の所でゲレンデ跡を離れた。最初は少し下りだった。次のピークに登った後、再び下りになり標高差20m位をシールを付けたまま下った。その後は緩い登りが続いた。快適に登って行った。標高860m地点にかけてはミズナラの森だった。
- 森は次第にブナが混ざるようなった。所々で小さな下りが混ざった。万場スキー場からの尾根の合流点付近はブナ林だった。尾根合流点のピークは左から巻いた。合流点南側の鞍部で一休みした。そよ風が吹いていた。
- 尾根は平坦なところや小さな丘が有り、所々で左側を巻きながら進んだ。時々「蘇武岳コース」と書かれた古いホーロー引きのスキーの標識が有った。右側に杉植林を見て進むと、木の無い裸の雪山の蘇武岳山頂が見えてきた。少し雪庇が張り出していた。
- 雪庇に近づかないようして急斜面を斜めに登っていくと山頂に飛び出した。60歳くらいのスノーシューの男性単独行が休んでいた。山頂標識の上部だけが見えていた。男性によれば山頂は狭いとの事だったが、この日は雪に覆われて広々した感じだった。ツエルトを敷いて腰を下ろして一休みした。天気は高曇りになっていた。
- 反対側に下山して行った男性を見送った後、シールを外して滑降を開始した。山頂直下の急斜面を横滑りで進んだ後、広々とした斜面をターンを決めながら滑った。粉雪でスキーの腕前が上がったと錯覚を起こさせるほどだった。
- 尾根に入るとブナ林になった。木の間隔も5mほど有って滑りやすかった。所々で小さい登り返しがあった。備前山手前のピークは右の林道を巻いた。備前山への登り返し前に、巻道の途中で一休みした。
- 備前山へのシール無しでの登り返しは少しきつかった。スキーを逆ハの字にして登った。登り終わって肩に出たところで一休みした。
- 最後はスキー場跡を快適に滑降した。行きより雪解けが進み少しブッシュが出始めていた。最下部はべとべとの雪で少し滑りにくかった。