- 鉛山峠登山口の駐車場で車の中で一夜を明かした。早朝、薄暗いうちから車がやって来た。出発準備をしていると、駐車場の整理員らしき人がやってきて「大勢来るので詰めて駐車してほしい」と言われた。タケノコ採りのシーズンらしかった。曇り空の中にところどころ青空が見えていた。
- 最初は階段の登りだった。緩くなると一部木道の敷かれた山道になった。ブナ林だった。マイヅルソウ、オオバキスミレ、ズタヤクシュの群落があちこちに有った。鳥のさえずりが多かった。
- 白雲亭の手前にベンチが有り、一休みした。十和田湖は雲の中で見えなかった。白雲亭を過ぎると鉛山を巻く道になり同じ標高の所を歩き続けた。ブナ林だった。ところどころで残雪のある小沢を横切った。
- ミソナギ峠でも十和田湖は雲の下だった。栃の木が多く、白い花がたくさん咲いていた。ツツドリが鳴いていた。
- 997m展望地が近付くと霧が出てきた。相変わらずマイヅルソウがたくさん咲いていた。展望地手前ではシラネアオイが咲いていた。997m展望地は霧で展望がなかった。
- 展望地で左へ曲がり、灌木帯を少し進むと白地湿原に出た。木道の脇にはイワイチョウやワタスゲが少し咲いていた。霧で水滴の付いた草のせいで靴がずぶぬれになった。
- 湿原が終わり、最後にシラネアオイやミツバオウレンの咲く山道を少しだけ登ると、山頂に着いた。霧は時々晴れるものの展望は得られなかった。周囲のネマガリタケのやぶの中から、タケノコ採りの(サイレンを小さくしたような)熊除けの音が聞こえてきた。
- 帰りは薄日も差してきた。湿原で振り返ると、かろうじて山頂が見え隠れしていた。997m展望地の霧は晴れていた。十和田湖は雲の中だった。下の方からはエゾハルゼミの鳴き声が聞こえた。
- ミソナギ峠までで2人組、3人組と相次いですれ違った。「もう登って来たのか」と言われた。ようやく湖面が見えたきた。ミソナギ峠では10人組と出会った。地元の小坂からの人たちで「静岡から来た」と言うと、わざわざ来てくれた事に感激された。鉛山の巻道になるとエゾハルゼミが盛んに鳴いていた。時々タケノコ採りの人と出会った。白雲亭を過ぎて行きに休んだベンチまで来ると十和田湖の湖面がすっきりと見えた。
- 登山口に戻ると駐車場は満車になっていた。