- 栗子山からの縦走も最終日になった。鳩峰峠のテントを暗いうちに起床した。満月に近い月が出ていた。峠の福島県方面への入口には通行止のランプが点滅していた。予定では二井宿(にいじゅく)まで縦走のつもりだったが、ヤブが多いので今回の縦走はここまでとし、登山道の有る龍ヶ岳を往復して下山する事にした。
- テントに余分な荷物を置いて龍ヶ岳に向け出発した。最初は笹原の登りだった。風が強かった。飯豊山など遠くの山は霞んで見えなかった。山形県側の平地が霞んで見えた。
- やがて潅木帯になった。少しヤブ気味で小枝や笹が登山道にかぶり歩きにくかった。ピンクのテープに従って登って行った。林床にはショウジョウバカマがたくさん咲いていた。山頂近くになると残雪が出てきた。東面から北面にかけて残雪が多かった。
- 山頂にはサクラが咲いていた。360度の展望だった。北側に続く稜線には雪がかすかに付いていた。山頂標識の文字は消えて読めなかった。
- 帰りは往路を下った。笹原に出ると再び風が強くなった。幸いテントの場所は丘の陰でほどんど風は無かった。ウグイスが鳴いていた。山頂往復の間にテントのフライシートはすっかり乾いていた。
- テントを撤収し、山形県側に向けて車道を下り始めた。ヘアピンカーブが多かった。最初のうちは法面に雪が少し有った。しばらく歩くと新緑がきれいになった。中腹まで下りるとサクラが満開になった。
- 沢沿いに出ると植林帯になった。道脇の溝にはヒキガエルがたくさんいた。林床のニリンソウやカタクリを見ながら歩いていくと車両通行止めのゲートが有った。ゲートの先では軽トラックに乗ってきた60歳くらいの夫婦がタラの芽を採っていた。森が終わると松茸山管理塔と書かれた小屋が有った。小屋前で一休みした。
- 小屋からは、農村地帯、公園脇と歩き、高畠町の中心部へと入って行った。平らな道でも長かったので疲れが出た。
- 交流プラザ前バス停から一日4本のバスに乗って高畠駅に出た。他の乗客は一人だけだった。電車の待ち時間が少し有ったので駅に併設の温泉に入って四日間の汗を流した。