- サハリンの四日目はプガチョフスキー泥火山に行くことにした。この日はアドレナリンツアー(Adrenaline Tour)社に個別ツアーを依頼した。主に現地の人達を顧客としているツアー会社で、今回はインターネットを通じてロシア語(翻訳ソフト使用)で交渉した。
- 当日朝、ホテルにガイドのセルゲイさんと日本語通訳のマリアさんが迎えに来た。特に通訳を頼んでいなかったのでびっくりした。セルゲイさんはスポーツ選手のように精悍な若者だった。マリアさんは日本語を勉強している身長170cmの可愛い女子学生だった。最近日本語スピーチコンテストでスポーツボランティアについて話をして優勝し、今度日本に行くとの事だった。スキーが趣味で、この冬、世界の子供達をサハリンに招いた大会でスキーを教えたとの事だった。
- 途中のドリンスクでは旧王子製紙の工場跡が有った。セヴェツカヤ付近で海岸に出て一休みした。ゴミのほとんど無いきれいな海岸だった。海が荒れた翌日には琥珀を見つける事ができるとの事だったが見つける事はできなかった。
- ヴズモーリエで一休みして海岸近くの鳥居を見物した。鳥居への坂道は泥で滑りやすかった。石の鳥居には「皇紀二千六百年記念」と掘られていた。周囲は花がたくさん咲いていてきれいだった。ヴズモーリエではカニの露店がたくさん有った。
- 舗装路から未舗装の脇道に入って進むと行き止まりになった。手前に小さな駅が有ったものの、あたりは全く観光地化されておらず、原野の道の行き止まりと言った感じの場所だった。ここがプガチョフスキー泥火山の入口だった。ガイドが準備した長靴を履き、防虫スプレーを肌の露出部にかけて出発した。
- 最初はパイプラインの盛り土の上を歩いた。かすかな踏み跡が有るだけだった。コウリンタンポポなどの花がたくさん咲いていた。10分余りで盛り土を離れると、まばらに針葉樹の生える湿地帯になった。ほとんど踏み跡が分からない湿原を歩いて行った。小川を渡るところでは長靴でも20cm位水に沈んだ。湿原にはハクサンチドリやニッコウキスゲが咲いていた。セルゲイさんは時々GPSを見ながら方角を確認していた。途中で電柱と電線の残骸が有った。
- 急に開けて泥火山に着いた。直径300mほどありそうな泥の平坦地で、中央が少しだけ盛り上がっていた。円の外脇には蟻塚に似た噴気孔が有った。噴気はほどんど上がっいなかった。円の中に入ると、縁近くの泥はひび割れていて古そうだった。色が同心円状に少しずつ違っていた。中に入っていくと泥は次第に柔らかくなった。中心まであと50mほどのところで、これ以上進むと危険と判断して引き返した。マリアさんがタブレット端末を使って「空から見ると、こう見えます」と目玉のように映った泥火山の写真を見せてくれた。セルゲイさんによれば、「柔らかさからみて1週間位前に噴出したのだろう」との事だった。「最大で50m位吹き上がる」との事だった。
- 見学を終え往路を車の所へ戻った。この日は幸い曇り空で気温も低く虫は少なかった。
- 泥火山見学のあと、車でチハヤ湾まで移動した。波のないきれいな海だった。セルゲイさんがテーブルと椅子をセットし、6人でテーブルを囲んで昼食弁当(鮭の揚げ物)を食べた。セルゲイさん準備のベリー入り紅茶がおいしかった。
- 帰りに再度ヴズモーリエで休憩した。売店でコーヒーを購入したところ35ルーブル(約63円)と安かった。
- この日の代金は昼食込みで24800ルーブル(約44640円)/4人だった。なかなかの価値あるツアーだった。ホテルに戻った時に、翌々日のエフスタフィア岬の代金と合わせて現金で支払った。