- 鬼首トンネルの宮城県側の駐車場には昨夜の雪がうっすらと積もっていた。道路の反対側には1mほどの雪壁が有り、その上には金網のフェンスが有った。200mほど宮城県側に下った雪壁の終わったところから取り付いた。フェンスの途切れていた林道跡の所から山へ入った。
- 林道跡を少し登ると尾根に出たので取り付いた。尾根は送電鉄塔の所で木のない広々とした場所に出た。谷を回り込みながら平らな所を歩き、小さな谷を二つ越えて登ると林道に出た。更に登って行ると峠の送電鉄塔の所に出た。送電鉄塔の先で少し下りがあり、滑るうちにシールが取れてしまった。
- シールを付け直し、県境の稜線を登って行った。前日の登山(須金岳)の影響か足の付け根の筋が痛くなってきた。目差す山は谷を迂回して登るため、後どれくらいかかるのか分からず気が重くなった。
- やがて稜線を離れ、黒滝方面へのゆるい下り斜面になった。鉄砲平と呼ばれる所で、ブナの美しい森が広がっていた。沢が何本か有り、そのたびに少し上流側の浅い方へ戻りながら越えた。
- 最後の沢まで来て、残り250mの登りになった。ようやく先が見え登頂できることを確信した。ブナの森だった。最初は左へ巻き気味に進んだ後、途中からはまっすぐに斜面を登った。硬めの雪はシールが良く効き登りやすかった。山頂から北東に派生する尾根に出るとブナの森は終わり展望が開けて来た。振り返ると虎毛山が白く見えた。
- 北峰を巻き、最後の潅木の間のゆるい坂を登ると大鏑山山頂に着いた。展望が良く神室連峰が真っ白に、まるで北アルプスのような迫力で見えた。
- 下りはシールを外し、ブナの林を気持ちよく下った。行きのトレースを外さないよう下って行くと、あっという間に大鏑山の滑降を終わり沢の所に着いた。シールを付け、沢をいくつも登り下りしながら歩いた。往路で少し回り道した所を少し近道できたので、思ったより早く歩くことができた。峠の送電鉄塔でいったんシールを外して滑降に入ったが、沢の所で雪が柔らかすぎて登りにくかったので再度シールを付けた。送電鉄塔で再度シールを外し、最後は林道を一気に下って車の所に戻った。朝、積もっていた駐車場の雪はすっかり融けていた。
- 予定より2時間ほど下山が遅くなったので、同行者とは古川駅で別れ、一人だけ新幹線で帰った。