- 夕森公園に着いたときは雨だった。キャンプ場は10月までの営業らしかった。受付では「水を止めてあるのでトイレと水場は使えない。どこでも好きなところに張ってよい」と言われ、料金は取られなかった。バンガローの前にテントを張った。夜中に雨がやむと、月の光がテントに木の影を写した。
- 翌朝は、暗いうちに出発した。半月が真上に輝き懐中電灯無しでも林道を歩くことができた。正面に北斗七星が見えた。
- 銅穴ノ滝の先で林道から分かれ山道に入った。暗くて分かりにくい登山道を懐中電灯をたよりに沢へ下った。板敷きが滑りやすい吊り橋をおっかなびっくり渡って尾根に取り付いた。尾根を登るうちに明るくなってきた。黄葉がきれいだった。
- 400mほど登ると再度林道に出た。回りの山々を眺めながら、ゆるい登り坂の林道を歩いて行った。分岐があり、岩に書かれたペンキ印に導かれ左へ曲がった。荒れた林道跡でほとんど山道といっしょだった。ところどころ落石の間を縫うように歩くところも有った。
- 林道終点の標識に導かれて山道へ入った。しばらく登るときれいな笹原になった。笹が日の光に輝いていた。やがて笹原の間の沢の登りになった。ガイドの地図には涸谷と書いてあったが、この日は前日の雨のせいか水が流れていた。山頂を越えて流れてきた雲から小雪が舞い始めた。
- 笹原が終わると桧の原生林になった。勾配はゆるくなり、ところどころぬかるみがあった。凍っているぬかるみも有った。山頂手前の鏡池は氷っていた。
- 山頂は小雪混じりの風が吹いていた。寒いので毛糸の帽子をかぶった。平成9年製の少し傷みかけた展望台が有ったので登ってみた。小秀山や恵那山は雲の中だった。
- 下りは往路を戻った。登山者6人とすれ違った。尾根の下りでは落葉が錦の絨毯のようだった。
- 帰りの電車で恵那山を見たらうっすらと雪が付いていた。