- 宿周辺の積雪は約30-40cmだった。チェックイン時間前で部屋に入れないので、ロビーで休んだ。飯山駅で買ってきた地元の名物、笹鮨を食べて腹ごしらえをし、チーズケーキとコーヒーのセットを注文した。
- 宿の説明によれば、雪の少ない今年は、宿のすぐ上にクロスカントリーのコースができていて子供達が滑っているとのことだった。普段の年は街中のコースで滑っているらしかった。休憩後、我々もコースを滑る事にした。スキーを履き、20-30cm雪が積もった車道を5分も登るとコースに出た。夏は畑になるらしい平坦地は、広々とした雪原になっていた。雪原には前日のトレースが残っていた。トレースに沿ってゆっくりと時計回りに一周した。
- 更にもう一周している間に雨が降ってきた。チェックインできる時間になったので宿に戻って休む事にした。この日の宿泊は我々だけだった。部屋でコーヒーを飲んで一休みした。
- 休むうちに空が少し明るくなり小降りになって来た。今度は「ぶなコース」を滑る事にした。コースにはルートを示すポールが立っていた。沢を渡るところには橋の上に雪が無かった。橋の下流側を通って沢を渡ろうとしたら雪が抜けて穴が空いてしまった。同行者はスキーを脱いで橋を渡った。次の植林帯では少し地面が見えているところが有った。
- 池に出た所からは一周コースになった。左回りにブナ林を一周した。橋にはバランスを取れる程度に竹の手すりが付いていた。池に戻ると、まだ少し時間が有ったのでコースを外れて少し上に向かう事にした。少しヤブ気味の樹林の中を登って行くと休憩前に滑った雪原のコースの端に出た。後は車道を滑って宿に戻った。天気は再び悪くなり、宿に着く頃には雨がすっかり本降りになっていた。暖かい部屋に戻り、ずぶ濡れの服を着替えてようやく落ち着くことができた。
- 二日目の朝は新雪が2cmほど積もっていた。宿のチェックアウトをし、余分な荷物を預かってもらった。出発準備をしながら牧峠まで行く事を告げると「無理しないでくださいね」と言われた。
- 車道には雪がたっぷり積もっていた。トレースは無かった。空の雲は次第になくなり、快晴になった。雪原の雪がまぶしかった。雪の上にはウサギの足跡が有った。汗をかいたので小屋前でウェアを一枚脱いだ。登るに従い新雪は深くなり10-20cmになった。道の傾斜は緩くクロスカントリースキーを滑らせるには快適だった。
- 標高800m地点まで来ると、道は斜面を横切って進む場所に出た。右上から落ちた雪で道は埋まり、斜面が右上から左下に続いて道形は分からなくなっていた。左下はそのまま谷へと落ちていた。少し固い雪だった。しっかりと足場を切ってスキーを滑らせた。安全のため同行者はスキーを外して手に持ち、つぼ足で歩いた。50-60m進むと難所の急斜面は終わり、平坦な安全地帯に出て、ほっとした。再び歩きやすい緩い車道の登りになった。山の上の方には霧氷が見えた。
- 牧峠の積雪は1m以上有り、新雪が15cmほど積もっていた。吹きだまりと雪庇ができていて、無雪期とは様相が一変していた。周囲の潅木には霧氷が付き、日に照らされて輝いていた。荷物を下ろしてゆっくりと休んだ。
- 帰りは往路を戻った。行きのトレースの上を滑るとスピードが出すぎるので新雪の上を滑ってスピードを加減した。難所の斜面は、雪がやわらかくなり我々のトレースも有って行きほどは苦労せずに通過できた。最後は真っ白な雪原を楽しみながら滑った。宿の近くでは地元の人達3人がクロスカントリースキーのスタート練習をしていた。