- 楠川(くすがわ)バス停から歩き始めた時は霧雨混じりの曇り空だった。林道から楠川歩道に入り薄暗い道を登りつめると三本杉に着いた。テントを張り、水場まで往復して水を汲んだ。テントに入った時にザックや体に蛭が3匹ほど着いているのに気が付いた。
- 翌朝は晴れていた。白谷雲水峡からの道が合流すると歩きやすい山道になった。白谷小屋前のベンチは上から光が入り明るい雰囲気だった。苔の付いた大岩を長めながら登って行くと辻峠に着いた。ハイカーが3人休んでいた。
- 辻峠からの下りでは大勢のハイカーとすれ違った。やがてトロッコ道に出た。縄文杉まで往復のハイカーと多くすれ違った。トロッコ道の終点から山道に入ると木道や木の階段でよく整備された道になった。ウィルソン株では15人ほどのハイカーが休んでいた。ウィルソン株から少し登るとハイカーのすれ違いが無くなった。
- 水場で水を汲んで少し進むと縄文杉に着いた。今年の3月に完成した新しい展望台が設置されていた。縄文杉からわずかの登りで高塚小屋に着いた。テントを張る時に三本杉の蛭が布に着いているのに気が付き塩をかけて退治した。テントは2張り、小屋の宿泊は7人だった。
- 三日目の朝は曇りだった。シャクナゲの多く咲く森を登って行った。ちょうど見頃だった。新高塚小屋を過ぎるとシャクナゲの樹高が低くなり、シャクナゲの花を一面に見渡すようなった。平石岩屋前後が最もきれいだった。焼野三叉路からの登りでもシャクナゲがあちこちに咲いていた。岩の上には2匹の猿が蚤取りをしていた。
- 最後に岩場を一登りすると宮之浦岳山頂に着いた。15人ほど登山者が休んでいた。天気は次第に良くなり、青空が広がってきた。
- シャクナゲを見ながら焼野三叉路まで戻り、永田岳に向かった。すっかり晴れて日差しが暑くなってきた。途中の水場で一休みして涼んだ。
- シャクナゲの咲く斜面を登り、最後にロープの付いた岩場を登ると永田岳山頂に着いた。岩の上に腰を下ろし展望を楽しんだ。最初は口之永良部島が見えるだけだったが、次第に空気が澄んできて、種子島や大隅半島、開聞岳もうっすらと見えてきた。
- 永田岳からは口之永良部島に向かってシャクナゲの斜面を下って行った。信じられないほどシャクナゲがきれいだった。登山道は雨水で掘られたところが多く少し歩きにくかった。いったん樹林帯に入った後、再び展望が良くなった。振り返るとローソク岩が見えた。
- 更に樹林帯を下って行くと鹿之沢避難小屋に着いた。夕暮れ近くに小屋のそばに鹿がやってきた。小屋の宿泊は他に一人いただけだった。夜間にはネズミが動き回っていた。
- 四日目は暗いうちに小屋を出発した。尾根を乗り越えると原生自然環境保全地域に入った。大きな広葉樹の木が多かった。ツツジが所々に咲いていた。花山広場は巨木に囲まれた木漏れ日の差す涼しげな所だった。最後は林道を下り大川(おおこ)の滝近くの車道に出た。バスで栗生(くりお)へ移動し、青少年旅行村のキャンプ場で宿泊した。
- 翌日と翌々日の朝、海岸を散歩していたら産卵に来ているアカウミガメがいた。