- バスには30人以上の乗客がいたが、葛川学校前で下車したのは一人だけだった。江賀谷に沿った林道を歩き始めた。積雪10-20cmで最初からスパッツを付けた。二股で沢を渡り山道に入った。雪が深くなりワカンを付けた。
- 沢に沿った山道にはトレースが有った。トレースは標高580m地点で夏道を離れ左斜面を登っていた。トレースに従って斜面を登り始めた。標高660m付近で植林は終わり雑木林になった。トレースの主は標高700m地点で引き返していた。トレースの無い膝下くらいの新雪に四苦八苦しながら稜線を目指した。
- 稜線に出たところは夏道の有る中村乗越より南の標高880m地点だった。予定より遅れていたので、30分で中村乗越に着かない場合は引き返すことも考慮しながら歩いた。
- 中村乗越では標識が雪の上に出ていた。予定より40分ほど遅れていた。何とか山頂まで行けそうなので、そのまま進むことにした。予定では八丁平から右にオグロ坂峠を経由して回り込んで山頂に向かうつもりだったが、八丁平の正面の尾根をまっすぐ登る方が近そうなので変更することにした。
- 木のまばらに生える八丁平では、青空に木の枝に積もった雪が映えて、きれいだった。八丁平には幅3m、深さ10cm、岸から深さ約2mの川が流れていた。靴を濡らしながら川に伸びた木の枝を利用して渡った。
- 山頂手前の927m峰への登りでワカンの紐が切れてしまった。応急処置をして登り続けた。
- 峰床山山頂は足跡が全くなく、まっさらだった。積雪は約40cmだった。南から西にかけての展望が良かった。予定より40分遅れていた。ワカンをシュリンゲを使って修理した。風が少し吹いていた。
- 予定では南側の俵坂峠を経由して西側の谷沿いの林道に出るつもりだったが、南西の尾根を直接林道に下った方が近そうなので、変更した。出発後すぐにアンテナを見、植林帯になった。倒木が多くて難儀した。山腹を巻く林道に下りるところは3mの崖になっていて、斜面の石を転がしながら雪の積もった林道に飛び降りた。尾根は少し登りも混ざり、思いの外苦労した。植林で現在地が把握しずらく、磁石で確認しながら下った。ストックをワカンで踏んづけてしまい、ストックを折ってしまった。尾根を少し登り返した810mで、ようやく現在地に確信が持てたので一休みした。
- 810m地点からは、転げ落ちるような急斜面を雪まみれになって下った。最後は林道の孫六谷出合540m地点に首尾良く出た。
- 積雪で歩きにくい林道を峰定寺(ぶじょうじ)入口まで下った。峰定寺入口先の人家のところからは除雪されていた。凍ってつるつるの車道を大悲山口バス停まで歩いた。暖かいバスに乗り込んだ時は、すっかり暗くなっていた。
- この日、山中では誰にも会わなかった。