- 硫黄島からの船は、雨の中、黒島の大里港に着いた。終着予定地の片泊(かたどまり)港は、港湾状況が悪い(藻が発生)との事のため、この日は大里港~片泊港間が欠航になってしまった。宿の主人に大里港まで迎えに来てもらい片泊へ移動した。夜は宿の主人が港で釣ったイカの刺身に舌鼓を打った。
- 翌日は良い天気だった。作ってもらった弁当を持って歩き始めた。舗装路の登りだった。途中の「きよはる公園」は展望が良く、下に片泊港を見下ろすことができた。ベンチに座って一休みした。好天で日がまぶしかった。
- ウグイスなどの鳥の鳴き声を聞きながら登って行った。車が数台通って行った。暑くなったので標高260m地点まで登った時にシャツ一枚になり、日影で一休みした。そよ風が吹き涼しかった。更に、登って行くと桜が咲いていた。時折、これから登って行くカブリ岳の岩峰が見えた。
- やがて片泊登山口に着いた。登山道はフキに覆われていた。説明板が無ければ見落としそうな道だった。フキをかき分けながら登り始めた。階段が付いていて整備はされているものの、そう多くの人は歩いていない様子だった。
- 稜線に出て、目指す櫓岳とは反対側の右手へ少し進むと、カブリ岳の岩峰に着いた。足がすくむような岩の上で、海の眺めがきれいだ。鳥がたくさん鳴いていた。
- 分岐に戻り、稜線をガムコ山に向かって登って行った。フキに覆われた道は、やがて笹が多くなってきた。多少は歩きやすくなった。木の間から日が差して明るい尾根道だった。ガムコ山からはこれから登る櫓岳への稜線が見えた。
- 草木のかぶる道を横岳山へ向かった。最後の階段を登ると横岳山山頂に着いた。少し暑かったものの展望が良いので昼食休憩にした。小鳥が鳴き、そよ風が吹いていた。
- 横岳山からの下りには階段が付いていた。平坦になると草木に囲まれてあずまやが有った。頑丈な木で作られた立派なあずまやだった。あずまやからはピンクテープが付けられ、今までよりは歩く人が多くなった様子だった。ヤブも減ってだいぶ歩きやすくなった。
- 少し下ると大里登山口との分岐に着いた。右折して櫓岳に向かった。すぐに、水のわずかに流れる小沢を渡った。
- 櫓岳山頂は潅木に囲まれ展望は無かった。日差しも暑かったので小休止しただけで早々に出発した。
- 分岐に戻り、大里登山口に向かった。谷沿いの道だった。急なところには階段が付けられていた。最後に林道に出た。法面が崩れて人だけが通行できる所を通ると林道出口の大里登山口に着いた。結局、山中では誰にも会わなかった。
- ウグイスが鳴く車道を片泊登山口へ向かった。少し登りも有った。少し暑かった。途中でヤギの群れがいた。片泊登山口からのコンクリートの道の下りは足にひびいた。「きよはる公園」で風に吹かれながら一休みした後、宿に戻った。
- 夕方、宿から5分ほど歩いた片泊港まで行ってみた。漁船が数隻有るだけの港は、波の音が聞こえるだけで静まりかえっていた。港の岩壁に座り、夕陽を見ながら焼酎を飲んで、夕食前のひとときをくつろいだ。
- 翌日も良い天気だった。この日は自転車を借りて散策した。午後、片泊港から船で鹿児島へ戻った。途中では、開聞岳に沈む夕陽がきれいだった。