- 奥秩父縦走の初日は鴨沢から奥多摩小屋までの登りだった。曇り空だった。ツクツクボウシの鳴き声を聞きながら登り始めた。
- 一登りすると、小袖乗越の登山者用駐車場に着いた。月曜なのに車が30台駐車してあった。
- 山道に入ると登山者が次々下山してきた。杉植林と雑木林が交互に現れる登山道だった。途中で空が暗くなり、少しにわか雨が降った。主稜線のブナ坂に出るまでに92人の登山者とすれ違った。
- ブナ坂からは霧になった。防火帯の切り開きには、名残のマルバダケブキが霧の中に咲いていた。
- 奥多摩小屋の手前がテント場だった。5つ張られていて、うち一つはハンモックにツエルトをかけた形だった。30歳くらいの男性がワイングラスを持ってハンモックの脇で飲んでいたので、「何を飲んでいるんですか」と聞くとウィスキーとの事だった。「良いですね」と言うと、「後で寄ってください」と言われた。
- 小屋で受付をしてからテント場に戻りテントを張った。水場で水を汲んだ後、小屋に寄って我々も缶ビールを購入した。テントに戻り、これからの山行の無事を祈って乾杯した。
- 二日目は霧だった。霧は時々晴れて青空が見えた。風が少し強かった。木からは雫が盛んに落ちてきた。雲取山山頂までに7人とすれ違った。
- 雲取山山頂には4人登山者がいた。霧で展望は得られなかった。避難小屋に寄ると、60代の登山者が一人休んでいた。「今日はここにもう一泊する」と言っていた。霧のせいか山頂周辺では携帯は通じなかった。
- 雲取山からは飛龍山方面へ向かった。三条ダルミまではカラマツの森で少し急な下りだった。三条ダルミは広々とした場所だった。携帯が通じた。三条ノ湯への道を左に分け、縦走路を飛龍山に向かって進んだ。